ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[2月8日(金)~10日(日)]

2013-02-12 23:28:37 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 1月15日の記事でも書きましたが「キネマ旬報」のベスト10は作品賞は次のとおりでした。
[日本映画] ①かぞくのくに ②桐島、部活やめるってよ ③アウトレイジ ビヨンド ④終の信託 ⑤苦役列車 ⑥わが母の記 ⑦ふがいない僕は空を見た ⑧鍵泥棒のメソッド ⑨希望の国 ⑩夢売るふたり
[外国映画] ①ニーチェの馬 ②別離 ③ヒューゴの不思議な発明 ④ル・アーヴルの靴みがき ⑤ミッドナイト・イン・パリ ⑥アルゴ ⑦戦火の馬 ⑧ドライヴ ⑨J・エドガー ⑩裏切りのサーカス
 先週その詳細を載せた「キネマ旬報 2月下旬決算特別号」が出たので、さっそく買ってきて読んでみました。
 毎度思うのは、映画評論家といってもこうも評価が分散するものか、ということ。日本映画では「かぞくのくに」を1位にした人が66人中5人、「桐島、・・・」はわずか3人であるのに対して、「終の信託」の方が9人と上回っている・・・とか、外国映画で1位「ニーチェの馬」と3位「ヒューゴの不思議な発明」の両方を10位以内に入れた人は63人中6人しかいない・・・とか、まあいろいろ。
 韓国映画を得点&順位の上位から拾っていくと、「ポエトリー アグネスの詩」(65点・12位)・「哀しき獣」(45点・20位)・「ムサン日記 白い犬」(33点・29位)・「サニー 永遠の仲間たち」(25点・41位)・「トガニ 幼き瞳の告発」(24点・42位)・「アリラン」(21点・47位)・「高地戦」(15点・64位)・「神弓」(9点・81位)・「プンサンケ」(8点・81位)・「ハロー、ゴースト!?」(5点・118位)・「カエル少年失踪殺人事件」(3点・133位)・「拝啓、愛しています」(1点・154位)と分散。
 これら2012年度日本公開の韓国映画はなかなか水準が高かったと思いますが、評論家も一般のファンも、順位をつけるとなると皆それぞれ評価が分かれるでしょう。しかし、この「キネ旬」の結果については首を傾げる韓国映画ファンは覆いでしょうね。私ヌルボのように「プンサンケ」「ワンドゥギ」「拝啓、愛しています」をベスト3にするのは、「ニーチェの馬」と「ヒューゴの不思議な発明」を1・2位に並べるのと同様「無定見」なのかもしれませんが・・・。
 この「キネ旬特別号」では、今年の外国映画の上映予定作のリストもあって、韓国映画関係に絞ってもいろいろネタがいっぱいなのですが、それらについては別記事にします。(・・・と1年前も書いたが、実行したっけな?)

 先日なんとなくおなじみのブロク<yohnishi's blog>を見ていたら、『おばあちゃんは一年生』- 識字に挑むおばあちゃんを描いた感動作」という記事がありました。(→コチラ。)
 「おばあちゃんは一年生」は韓国では昨年(2012年)5月24日公開された映画で、本ブログでもその前の5月8日の記事で次のように紹介しました。
 以前「地方農村の女性高齢者に字が読めない人が多い」という記事を書いたことがありました (→コチラ)。これもそんなお祖母さんが文字を習い始めるという話。この番組でも、「おばあちゃんの家」(2002)を引き合いにしていましたが、共通点はあります。予告編を観てみてください。→コチラ
 私ヌルボ、ぜひ日本で公開してほしいと思っていたのですが、韓国での観客動員数は6,558人とのことで、スルーされてしまったのでしょうか? Yohnishiさんの記事によると台湾では昨秋封切られたというのに・・・。
これまでも何度も書きましたが、韓流スターにしか重きを置かないような公開作品の選定や宣伝のしかたを変えてほしいものです。作品性だけで十分にひきつける力のある韓国映画はいろいろあるのに・・・。

          ★★★ Daumの人気順位(2月12日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①善き人のためのソナタ  9.3(439)
②7番房の贈り物  9.2(2420)
③おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.0(284)
④エンディングノート(日本)  9.0(21)
⑤偽りなき者  8.9(106)
⑥ポロロ 劇場版 スーパーそり大冒険(韓国)  8.8(51)
⑦モンスターズ・インク3D  8.8(80)
⑧ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮  8.8(42)
⑨家族シネマ(韓国)  8.8(21)
⑩ザ・セッションズ  8.7(28)

 新登場は⑦「モンスターズ・インク3D」だけ。日本でも2月9日に公開されました。韓国題は「몬스터 주식회사 3D(モンスター株式会社 3D)」です。「インク」を「Inc.」ではなく「ink」と思っている日本人はかなりいそうで、ここは韓国題の方がいいのでは?

【専門家による順位】

①愛、アムール  8.7(7)
②あなたはまだ何も見ていない  8.6(3)
③ファウスト  8.4(5)
④ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日  8.3(9)
⑤おおかみこどもの雨と雪(日本)  8.1(6)
⑥ベルリン(韓国)  8.0(6)
⑦ザ・セッションズ  8.0(4)
⑧世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶  8.0(2)
⑨赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道(日本)  8.0(1)
⑩汚れなき祈り  7.7(4)

 今回も前回とまったく同じ。このところ変化に乏しいなー。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月8日(金)~10日(日)] ★★★

         「7番房の贈り物」が「ベルリン」を抜き返して1位に

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・7番房の贈り物(韓国)・・・・・・・・・・1/23・・・・・・・・・・・・・・1,308,317・・・・・・・・6,281,296 ・・・・・・・45,316・・・・・・・802
2(1)・・ベルリン(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・1/30・・・・・・・・・・・・・・1,153,414・・・・・・・・4,181,031 ・・・・・・・30,837・・・・・・・784
3(29)・・ダイ・ハード ラスト・デイ ・・・・・・・2/06 ・・・・・・・・・・・・・・・479,370・・・・・・・・・・625,388 ・・・・・・・・4,836・・・・・・・458
4(18)・・南へ飛べ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・2/06 ・・・・・・・・・・・・・・・292,274・・・・・・・・・・402,602 ・・・・・・・・2,933・・・・・・・420
5(新)・・雪の女王・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/07 ・・・・・・・・・・・・・・・・73,355・・・・・・・・・・・84,889 ・・・・・・・・・・590・・・・・・・311
6(3)・・ポロロ 劇場版 ・・・・・・・・・・・・・・・・1/23 ・・・・・・・・・・・・・・・・59,252・・・・・・・・・・756,564 ・・・・・・・・5,579・・・・・・・287
     スーパーそり大冒険(韓国)
7(新)・・モンスターズ・インク3D・・・・・・・・2/07 ・・・・・・・・・・・・・・・・31,377・・・・・・・・・・・34,863 ・・・・・・・・・・368・・・・・・・173
8(6)・・レ・ミゼラブル ・・・・・・・・・・・・・・・・12/19 ・・・・・・・・・・・・・・・・18,153・・・・・・・・5,835,054 ・・・・・・・42,507・・・・・・・・51
9(4)・・霊媒ヤクザ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・1/09 ・・・・・・・・・・・・・・・・13,499 ・・・・・・・・3,884,380 ・・・・・・・28,284・・・・・・・・64
10(8)・・ライフ・オブ・パイ ・・・・・・・・・・・・・1/01・・・・・・・・・・・・・・・・・・4,728 ・・・・・・・・1,568,566 ・・・・・・・15,618・・・・・・・・10
       トラと漂流した227日
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「7番房の贈り物」は上掲のネチズンの評点順位でも1位の人気で、旧正月に観るのにいい映画ということなのでしょうか? 今週も先週とほぼ同じくらいの観客動員数で、まだまだ伸びそうな勢いです。
 今回の新登場は3・4・5・7位の4作品です。
 3位「ダイ・ハード ラスト・デイ」は日本では1週遅れて2月14日公開。韓国題は「다이하드:굿 데이 투 다이(ダイ・ハード:グッド・デイ・トゥ・ダイ)」で原題「A GOOD DAY TO DIE HARD」に近いですね。
 4位「南へ飛べ」は原題が「남쪽으로 튀어」。サイトによっては「南に飛び出せ」と訳しています。韓国でも人気の作家・奥田英朗の「サウスバウンド」が原作で、それを韓国に合わせてアレンジした作品のようです。税や年金等々の負担を逃れて都会から南の島に向かったものの、そこにも資本主義の黒い影が・・・、といったお話。原作&日本での映画化作品は南の島=沖縄でしたが、韓国版はどこなのかな? 予告編は→コチラ。関連して、「映画「南に飛び出せ」、国民年金公団の圧力を主張」というニュースが・・・。(→コチラ。) 「飛べ、ペンギン」、「牛と一緒に7泊8 日」等イム・スルレ監督の作品は大好きなもので、これも日本公開を期待。
 5位「雪の女王」はロシアのアニメ。半世紀前の往年の名作の再上映かなと思いましたが、予告編(→コチラ)を見たら新作3Dアニメなんですね。パク・ボヨンがゲルダの声をやってるのか。彼女の出演作を見ると、昨年の「過速スキャンダル」「オオカミ少年」等々どれもヒットしてますねー。韓国題は「눈의 여왕」です。
 7位「モンスターズ・インク3D」は上述しました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ムーンライズ・キングダム・・・・・・・・1/31 ・・・・・・・・・・・・・・4,022 ・・・・・・・・・・・・・・16,146・・・・・・・・・126・・・・・・・・・・26
2(2)・・偽りなき者 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/24 ・・・・・・・・・・・・・・3,198 ・・・・・・・・・・・・・・21,448・・・・・・・・・163・・・・・・・・・・26
3(3)・・愛、アムール ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・・1,061 ・・・・・・・・・・・・・・65,790 ・・・・・・・・502・・・・・・・・・・11
4(4)・・善き人のためのソナタ ・・・・・・・・・・1/17 ・・・・・・・・・・・・・・・・194 ・・・・・・・・・・・・・・48,723 ・・・・・・・・327・・・・・・・・・・・4
5(12)・・白夜(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/15・・・・・・・・・・・・・・・・・138 ・・・・・・・・・・・・・・・5,827・・・・・・・・・・42・・・・・・・・・・・2

 今回の初登場は5位「白夜」だけです。昨年の全州国際映画祭で上映されたクィア映画(性的マイノリティを扱った映画)。高校生とその担任教師等、男性同士の恋愛を描いた3編の連作です。原題は「백야」。

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