ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [7月1日(金)~7月3日(日)]と人気順位 ►「トップガン マーヴェリック」独走で2週連続1位、評価も1位 ►黒沢清監督の「CURE」、韓国では30年以上経って正式に劇場公開

2022-07-06 23:22:24 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶1つ前の記事で「リメンバー・ミー(리멤버 미)」のことを紹介しました。日本では「トゥルーノース」のタイトルで2021年6月から一般劇場公開された北朝鮮政治犯収容所の実態を描いたアニメです。しかし先に書いたように上映館も観客も少なく、結局1週間で上映が終わってしまったのは非常に残念。<NAVER映画>に寸評と共に評点を付けた12人の観客の平均評点は9.50と非常に高かったのですが・・・。

▶今回初登場の韓国映画で「これは観たい!」という作品はとくにナシ。ただ、ちょっと注目は「偉大なる沈黙」というドキュメンタリー。タイトルから宗教関係?と思っちゃいましたが、5月に公開された「あなたがチョ・グク[曺国]」のような政治ドキュ。ただしソチラが(例の<タマネギ男>)チョ・グク法務長官を明確に擁護する進歩系の側に立った作品だったのに対し、コチラは全く裏返しで、あの崔順実[チェ・スンシル]事件、ローソクデモから、朴槿恵大統領の弾劾の真実を知られざる諸資料に基づいて明らかにするという、保守の立場からのドキュメンタリーです。
 客観性を重視し、自分たちの政治的立場に不都合な事実も作品に取り込むような姿勢はありえないのですかねー? そういうことだと5割を超える共感は得られるわけないのにねー。なお本作は光州では上映館がないそうで、レビュー中に「なぜだ!?」の声もありましたが、当然観客の不入りは間違いなく、収益が見込めないからでしょう。

    ★★★ NAVERの人気順位(7月6日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) トップガン マーヴェリック  9.79(21,203)
②(3) アナタの顔(韓国)  9.55(108)
③(4) 犯罪都市2(韓国)  9.44(25,592)
④(新) 偉大なる沈黙(韓国)  9.44(255)
⑤(5) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)  9.43(135)
⑥(7) あなたという記憶 ヨンスクさん(韓国)  9.35(20)
⑦(6) モア(韓国)  9.28(105)
⑧(8) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.24(1,548)
⑨(10) コーダ あいのうた  9.13(979)
⑩(-) ギョンアの娘(韓国)  9.12(58)

 ④「偉大なる沈黙」が新登場です。朴槿恵元大統領弾劾事件を扱った韓国の政治ドキュメンタリー。先に進歩系の側が「あなたがチョ・グク[曺国]」がクラウド募金を始めて、20日で26億ウォンを集め、作品の公開それも1千近いスクリーンを確保し、公開10日で観客30万人を動員しました。朴槿恵支持者等の保守系の側も同様の方法で資金を集め本作を製作しましたが、コチラは目下のところ上映館は約50、6月29日から5日間の観客数は約7千人とかなりの大差をつけられています。それでも下の観客動員数ランキングではトップ10は逃したものの11位に入っています。以下内容紹介。
 2017年3月10日、憲法裁判所は国会による朴槿恵大統領の弾劾訴追は8名の裁判官全員一致で妥当との判断を示し、弾劾が決定して朴氏は即時に失職しました。国民は氷山の一角のようなメディアの情報の中で本当の知る権利を失いました。韓国の歴史上初めての事態の中で私たちが見逃したものは何だったのでしょうか? まだ公開されていない国立科学捜査研究院と検察調査資料、関係者たちの肉声資料、法廷から出た衝撃的な録音資料等々、これまで知られていなかった証拠が一つひとつ公開されます・・・。観客の評点分布を見ると、評点10が93%で評点1&2が計5%。やっぱり韓国政治社会の左右のミゾは深いです。原題は「위대한 침묵」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 別れる決心(韓国)  8.71(14)
②(2) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(2) トップガン マーヴェリック  8.44(9)
④(4) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
⑤(5) グリーン・ナイト  8.20(5)
⑥(6) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑦(7) アフター・ヤン  7.80(5)
⑧(9) モア(韓国)  7.38(8)
⑨(10) さがす(日本)  7.33(6)
⑩(-) オマージュ(韓国)  7.25(4)
⑩(-) オリ・マキの人生で最も幸せな日  7.25(4)

 新登場の作品はありません。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月1日(金)~7月3日(日) ★★★
         「トップガン マーヴェリック」が2週連続ダントツ1位で300万人超え

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・1,145,244・・・・・3,329,107 ・・・・・35,830・・・・1,622
2(37)・・別れる決心(韓国) ・・・・・・・6/29・・・・・・320,170・・・・・・・508,097 ・・・・・・4,974・・・・1,265
3(2)・・The Witch/魔女2 ・・・・・・・・6/15 ・・・・・213,106 ・・・・・2,638,445・・・・・27,204・・・・・・786
4(3)・・犯罪都市2(韓国)・・・・・・・・・5/18・・・・・・200,135・・・・12,416,794・・・・128,388・・・・・・822
5(4)・・バズ・ライトイヤー・・・・・・・・6/15 ・・・・・・29,847 ・・・・・・・330,959 ・・・・・・3,409・・・・・・290
6(5)・・ベイビー・ブローカー(韓国)・・6/08・・・・・10,047 ・・・・・1,246,055 ・・・・・12,467・・・・・・164
7(6)・・ジュラシック・ワールド・・・・6/01 ・・・・・・・8,963・・・・・・2,832,246 ・・・・・29,194・・・・・・・84
       /新たなる支配者
8(7)・・劇場版ウィルベンジャーズ・・6/23・・・・・・・8,830・・・・・・・・・26,013・・・・・・・・・262・・・・・・・92
       :怪しいキャンプ大騒動(韓国)
9(8)・・劇場版ポケットモンスター・・6/01・・・・・・・5,832・・・・・・・・577,411・・・・・・・5,442・・・・・・・63
       ダイヤモンド&パール ギラティナと氷空の花束 シェイミ(日本)
10(24)・・カモン カモン・・・・・・・・・・・6/30 ・・・・・・・5,204・・・・・・・・・・7,534・・・・・・・・・・76・・・・・・113
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 2・10位の2作品がこのランキング新登場ですが、2位「別れる決心」については1つ前の記事で書きました。カンヌで監督賞を受賞したパク・チャヌク監督の作品です。
 10位「カモン カモン」はアメリカのドラマ。日本ではすでに4月22日から公開されていて私ヌルボも観ました。ということで説明は省略します。韓国題は「컴온 컴온」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(9)・・カモン カモン・・・・・・・・・・・・・・・・6/30 ・・・・・・・・5,204・・・・・・・・7,534・・・・・・・・・・76・・・・・・・113
2(1)・・アナタの顔(韓国) ・・・・・・・・・・・・6/23・・・・・・・・・1,469・・・・・・・・8,613・・・・・・・・・・78・・・・・・・・37
3(新)・・CURE キュア(日本)・・・・・・・・・・7/06・・・・・・・・・1,420・・・・・・・・2,662・・・・・・・・・・29・・・・・・・・・9
4(4)・・アフター・ヤン・・・・・・・・・・・・・・・・6/01・・・・・・・・・・・895 ・・・・・・34,384 ・・・・・・・・334・・・・・・・・24
5(2)・・モア(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/23・・・・・・・・・・・707・・・・・・・・8,015・・・・・・・・・・65・・・・・・・・33

 1・3位の2作品が新登場ですが、1位「カモン カモンについては上述しました。
 3位「CURE キュア」は黒沢清監督によるサイコ・ホラーで日本では1997年末に公開され翌年のキネ旬のベスト・テンでは第5位に入った作品ですが、韓国ではまだ日本映画完全開放前。ただVHSテープが出回っていた頃で、本作も大学街等での定番上映作だったとか。その後2004年3月に正式ルートで輸入されものの劇場公開はなくDVDのみ発売されたとのこで、やっと今回正式に劇場公開するに至ったそうです。韓国題は「큐어」です。

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