希望のバンクーバー
デンマンさん。。。すぐ上の写真に写っている石の像は、すぐそこのイングリッシュ・ベイにあるものでしょう?
そうですよ。レンゲさんは記憶力がいいですね?
だって、さっき見たばっかりですわぁ~。。。。見ようによったら人間の形をしていますけれど、人なんですか?
そうですよ。イヌイット(エスキモー)の彫刻ですよ。The Inukshukと呼ばれる古代エスキモーのシンボルですよ。友情だとか親切心を表しているのですよ。昔は、こういうものを海岸の近くに立てて目印にしたらしいですよ。それで、かなり沖からでも見えるように5メートルから6メートルの高さがあるわけですよ。
写真に写っている物も目印のために建てたのですか?
あれは、バンクーバーで1986年にエクスポがあった時に見世物として作ったものですよ。
バンクーバーに住んでいるエスキモーの人たちが作ったのですか?
そうではないんですよ。ノースウェスト準州(Northwest Territories)の政府がパビリオンで展示するために作ってもらった訳ですよ。
この地図のピンク色の州ですか?
そうですよ。僕もこの州政府で働いていた事があるんですよ。それで少しは知っているんですよ。
そう言えば、デンマンさんがオーロラの事を書いてくださったことがありましたよね。
お~。。。レンゲさん。。。覚えていましたか?
もちろんですわ。とても神秘的なオーロラの写真が印象的でしたわ。
ほんとうの孤独とは。。。
レンゲさん、本当の寂しさはマイナス42度の原野で
人っ子一人居ないところで
上のようなオーロラを見るときに感じるものですよ。
イエローナイフに2年近く居ましたが、
このオーロラを見るたびに人間は
一人一人皆、孤独だということを
しみじみと感じましたね。
政府の職員官舎から5分も歩くと
こういう原野がず~と、ず~と広がっています。
寂しさというよりも、孤独ですよね。
こういうところにゆくと、しみじみと一人なんだと感じます。
でもね、結局、誰もが一人で生きているんですよ。
このオーロラは写真では黄色がかって見えますが、
実物は、いぶし銀のように光っています。
とにかく神秘的で、幻想的で、
自分が吸い込まれて行きそうな感じを覚えながら
ポケー。。。として見上げるんですよ。
それからバンクーバーに出てきました。
対話の世界です。
レンゲさん、寂しさをなくす、
孤独で居たくないということは、
対話を持つことですよ。
そしてこの対話が切れたとき、
人間はますます孤独になってゆくものです。
これから、時たま見に来ますね。
そう、深刻に考えることもないですよ。
じゃあね。。。。
(^Д^)ギャハハハハ。。。
by デンマン
2004-09-04 00:00
『本当の寂しさって?』より
デンマンさんの暖かさがあたしの心にしみましたわ。
うへへへへ。。。本当にそう思ってくれたのですか?僕も The Inukshuk の精神で、レンゲさんの寂しい気持を少しでも癒すことができればと思いながら書いたのですよ。
でも。。。でも。。。あたしがデンマンさんにお会いするとデンマンさんはなんだか急に冷たくなるのですわ。
まさかぁ~
まさかじゃありませんわ。。。。夕べだってデンマンさんは、あたしに冷たくしましたわ。
ん。。。?夕べも。。。?
そうですわ。
そ。。。そ。。。そんな事はありませんよゥ。 The Inukshukのように。。。僕は。。。僕は両手を広げてレンゲさんを抱きしめましたよ。。。レンゲさんは。。。レンゲさんは。。。覚えていないのですかぁ~?
覚えていますわ。。。でも。。。でも。。。それは、ほんの一瞬の事でしたわ。。。すぐにあたしを突き放しましたわ。
やだなあああぁ~。。。突き放しただなんてぇ。。。僕はそんなつれない事をしませんよ。。。優しく離れただけですよゥ。
いいえ!。。。絶対に、絶対に、あたしを拒絶しましたわあぁ~。
ん。。。?拒絶。。。?
そうですわぁ。。。そうですねん。。。デンマンさんは、あたしが。。。あたしが。。。バンクーバーに着いたその夜からずっと拒絶しているのですわぁ~。
それは。。。それは。。。レンゲさんの誤解ですよ。
誤解も。。。六階もありしませんわぁ~。。。デンマンさんの心は、あたしを拒絶し続けていますわぁ~。
それが大きな誤解ですよ。心を静めて次のtanomuさんの手記をもう一度読んでみてくださいよ。
今年の夏は異邦人を 読まなかった もう何年になるのか、 わたしは夏になると必ず アルベール・カミュ著「異邦人」を 読んでいた。 ここはアルジェでもパリでもない。 しかし、陽射しの強さを感じると 反射的にムルソーに逢いたくなる。 北アフリカの夏を、 わたしは何度も経験する。 アルジェの太陽の熱を感じながら、 砂に足をとられながら、ただ歩く。 無機質な銃声を聞きながら、 感情もないままに 何発もの弾丸を、 無関係な人間たちに叩き込む。 そして、無関心に立ち去る。 アルジェの海は、 自由で愉快だ。 そして死を意識しつつも、 神を否定する。 ・・・そんな彼をわたしは 理解できているのだろうか。 実存の意味を考え続けてきたが、 やはりわたしは過剰な生き方しか できないのかもしれない。 by tanomu 2006-10-21 『今年の夏は異邦人を読まなかった』より |
また、tanomuさんの手記を持ち出してきて、デンマンさんは何をおっしゃろうとするのですかあ~?
だから、tanomuさんは過剰な生き方しかできないのかもしれない、と言っているでしょう?
それはtanomuさんが言っていることですわ。。。あたしが言った訳ではありしませんわぁ。
確かにそうですよ。でもねぇ、レンゲさんはtanomuさんと同じように夏になると決まって『異邦人』を読むのですよ。多い時には、ひと夏に5度も6度も読むのですよ。今回だってレンゲさんはバンクーバーまで『異邦人』を持って来て読んでいますよ。
だから、どうだとおっしゃるのですかぁ~?
tanomuさんは“過剰な生き方しかできないのかもしれない”と言っているのですよ。
あたしも読みましたわ。
だったら分かるでしょう?。。。tanomuさんは僕に会いにバンクーバーへやって来たわけじゃない。“過剰な生き方しかできないのかもしれない”と言っているtanomuさんでも僕に会いにやって来ていないのですよ。
だから、どうだとおっしゃるのですか?
レンゲさんは今年の夏も僕に会いにやって来たのですよ。
だから。。。?
だから、tanomuさんが“過剰な生き方しかできない”のならば、レンゲさんは“超過激な生き方しかできない”のですよ。
あたしが。。。あたしが。。。超過剰。。。超過激だとおっしゃるのですか?
そうですよゥ。。。
それで。。。それで。。。デンマンさんは夕べもあたしを。。。あたしを冷たく。。。冷たく。。。突き放したのですかあぁ~?
やだなあああぁ~。。。僕は決して。。。決してレンゲさんを冷たく突き放したわけではありませんよ。
じゃあ。。。どうなさったとおっしゃるのですか?
だから。。。だから。。。超過剰に。。。超過激にならないようにしただけですよ。。。うしししし。。。
デンマンさん!。。。あたし、マジですねん!
僕だってふざけるつもりじゃないけれど。。。これって。。。これって。。。レンゲさんの話は、ちょっと過激だと思いませんか?
思いませんわぁ。。。あたしは2週間のお休みをいただいて、日本からはるばるバンクーバーまでやって来たのですわ。
分かっていますよ。
だったら。。。だったら。。。あたしの気持を察してくださいなぁ~。。。あたしは。。。あたしは。。。奥様にお願いして許可をいただいてきたのですわぁ~。
分かってますよゥ。。。だから。。。、だから。。。僕は、レンゲさんという女性は超過激な事をする人だと思っているのですよ。
あたしのこの気持がデンマンさんには。。。デンマンさんには。。。伝わっていないのですか?
伝わっていますよ。。。だから。。。だから。。。レンゲさんが超過剰に。。。超過激に走らないようにしているのですよ。
あたしが超過剰に。。。超過激に走るってどういうことですか?
レンゲさん。。。、どうか心を静めて次の手記を読んでみてくださいよ。