思い出のバンクーバー
レンゲさん。。。なんとなく憂鬱な顔をしていますねぇ~?
バンクーバーでの夏休みが楽しかったから、なんだか気が抜けたようになっていますわぁ~。デンマンさんは、あたしが日本に戻ったからホッとして居るのでしょうね?
僕だってレンゲさんが帰ってしまったので寂しいのですよ。
そう言うわざとらしい言い方は止めてくださいなぁ~。あたし、おとといの記事を読ませてもらいましたわ。
ほォ~~。。。レンゲさんは読んだのですか?バンクーバーから戻ったばかりでメチャ疲れているから、僕の記事どころではないと思っていたのですよ。
やっぱり気になりましたわ。あたしの事をデンマンさんがどのように書いているのかと思って。。。
だったら、レンゲさんが帰ってしまった後の僕の寂しい気持ちが良く理解できたでしょう?
デンマンさん!いい加減な事を言わないでくださいな。あたしが帰ったので肩の荷が下りたと書いていましたやんかあぁ~~
正直言って、肩の荷が下りた
という気持ちでしたね。
そうなんですよ。
僕は柄にも無くレンゲさんをハグしたのですよ。
ちょうど、このような格好になってレンゲさんも僕に抱きついてきたのですよ。
もちろん、成田空港ではこのようなことをする勇気が僕にはありませんよ。
やっぱり、成田では、このようにするのが恥ずかしいですよ。
バンクーバー空港だからできるのですよ。
ええっ?バンクーバー空港だと、どうしてできるのかって。。。?
理由は簡単ですよ。
僕よりも、もっと様にならない男が女性をハグしているからですよ。
ちょうど近くに250キロぐらいありそうな。。。まるでプロレスラーのようなカップルがハグしていたのですよ。
男性よりも女性の方が太っていた。
抱きしめた腕の手先が交差しないのですよ。
つまり、上の写真のようにレンゲさんの腕が僕の肩に伸びて、手が首元に届く。
ところが、隣の太ったカップルはこうならないのですよ。
ちょうど、お相撲さんが、がっぷりと四つに組んで相撲をやっているようなカッコウなんですよ。
わかるでしょう?うへへへへ。。。
そう言う訳で、僕もあまり恥ずかしい気持ちにならずに
レンゲさんを空港ロビーで抱きしめたと言う訳なんですよ。
そうしたら、レンゲさんが僕の耳元で囁(ささや)くのですよ。
“デンマンさん。。。、あたし、胸がつまって、
もう何も言えませんわ。
あたしの気持ちは短歌に書きましたので
帰られたら掲示板を見てくださいね”
そう言ってレンゲさんはチェックインのゲートに向かったのですよ。
僕はホッとしましたよ。
正直言って、肩の荷が下りたという気持ちでしたね。
『さよなら、バンクーバー』より
こうやって、デンマンさんは書いていましたやんかぁ~
た。。。たし。。。確かに書きましたよ。。。でもねぇ、レンゲさん。。。男は、たとえ寂しくてもレンゲさんが帰ったので寂しさのあまりに涙を流していたなんて、みっともなくって書けないんですよゥ。
また、そうやっていい加減な事を言わないでくださいな。あたしが帰ったからって、デンマンさんが涙を流して寂しがるなんて考えられませんわ。
そう思うでしょう?でもねぇ、僕は結構、感傷的なところもあるのですよ。そういうところは僕は寅さんと良く似ているのですよ。
こういうところで寅さんを持ち出さないでくださいなぁ~。全く関係ありませんわああ~。
ありますよ。男はつらいのですよ。うへへへへ。。。
デンマンさん!。。。いい加減にしてくださいな。。。んもお~~
分かりました。分かりましたよ。。。せっかくレンゲさんが楽しい思い出をたくさん作って日本に帰ったのだから、そう気を高ぶらせずに、もっと穏やかに楽しく対話をしましょう。。。ねっ。。。
あたしだって、そのつもりですねん。。。でも、デンマンさんが気を高ぶらせるような事をおっしゃるのですわ。
僕はレンゲさんが気に障るような事を言ってないつもりだけれど。。。
デンマンさんの話し方から、あたしが日本へ帰ったので喜んでいると言うことが実に良く感じ取れるのですわぁ~。
僕が喜んでいるのはレンゲさんが帰ったからじゃなくて、レンゲさんがメチャすっげぇ~短歌を書いてくれたからですよゥ。
あたしの書いた短歌がそれ程デンマンさんには喜びとして感じられるのですか?
だって、そうでしょう?考えてもみてくださいよ。レンゲさんのように僕を想って短歌を書いてくれる女性なんて、ちょっと他には考えられないですよ。。。
“デンマンさん。。。、あたし、胸がつまって、
もう何も言えませんわ。
あたしの気持ちは短歌に書きましたので
帰られたら掲示板を見てくださいね”
こういうことを言って僕に短歌を書いた人なんて僕のこれまでの人生で一人も居ませんでしたよ。おそらく、これからだってレンゲさんの他には一人も現れないと思いますよ。
でも、デンマンさんは誤解なさっていると思いますわ。
ん?。。。僕が誤解。。。誤解している?
そうですわ。
何を。。。一体、僕が何を誤解していると言うのですか?
あたしはデンマンさんを喜ばせるために短歌を書いたのではありしませんわぁ~。
しかし。。。しかし、僕を喜ばせるためではないかもしれないけれど。。。次の。。。次の短歌は。。。あのォ~。。。このようにしか解釈できないでしょう?
あぁ、あなた、愛しい人
2007-08-11
会いみての
のちの世までも
恋焦がる
わが身のつらさ
乱るる心
ああ。。。あたしは、はるばる日本からやって来て、
こうしてバンクーバーで愛しいあなたに
お会いしていると言うのに。。。
この思いは。。。、この思いは、
後の世までも変わらないつもりです。
あたしは、いつまでもあなたをお慕いしているのです。
ああ、それなのに、それなのに。。。
愛しいあなたには、あたしの気持ちが
分かっていると言うのに、
あたしの心を満たしてはくれない。
あたしとて、れっきとした健康な女の子。
恋愛もするし、愛する人とは肌も合わせます♪
それなのに、あたしの熱い血潮がみなぎる柔肌に
あなたは触れようともなさらない。
あたしは身もだえするほどにつらい。
このやるせない思いを抱きしめながら、
あたしの心は乱れているのです。
『さよなら、バンクーバー』より
このようにしか解釈できませんよ。このような短歌をもらったら、男なら誰だって有頂天になってしまいますよゥ。
デンマンさんは有頂天になってしまったのですか?
いや。。。なんと言うかぁ~。。。うれしいには違いないですけれどね。。。うへへへへ。。。でもねぇ~、僕はそれ程モテる男ではない、という事を良く分かっているのですよ。だから、ハシゴをかけられて、どうぞお登り下さいと言われてねぇ、鼻の下を伸ばして登ってゆく。。。そうした後で、レンゲさんがそのハシゴを取り除いて下から見上げてア~カンベをしてどこかへ行ってしまう。そうなったら、僕は屋根の上に取り残された馬鹿の見本ですよ。うへへへへ。。。
デンマンさんは、本当にそう思っているのですか?
転ばぬ先のツエですよ。僕だって、これまでにたくさんの女性にフラれましたからねぇ。うへへへへ。。。
分かりましたわ。デンマンさんがそう思っていらっしゃるのなら言いやすいですわ。
ほらねぇ~。。。やっぱりハシゴを取り払ってしまうのですかぁ~?
いいえ。。。あたしは、そのようなヤ~らしいことはしませんわ。
。。。で、いったい何が言いたいのですか?
デンマンさんの解釈は間違っていますわ。
ん?。。。間違っている。。。?
そうですわ。
一体、僕の解釈のどこが間違っていると言うのですか?
あたしの心は乱れていると言うよりは傷ついたのですわ。
傷ついた。。。?
そうですわ。8月15日の朝の事ですわ。
勝負のパンツをはいていたのに
あたし。。。あたし。。。今朝、目覚めて。。。それでおトイレに行って。。。気づいたらオバサンパンツをはいていたのですわ。
うん、うん、うん。。。
それで、シャワーを浴びようとしたら。。。ガラス戸の上の枠にハンガーがつるされていて、あたしがはいていた勝負のパンツが洗って干してあったのですわ。
うん、うん、うん。。。
デンマンさん、とぼけないでくださいなぁ~。すべてデンマンさんがなさった事ですわぁ~。
分かりましたか。。。?
すぐに分かりますわぁ~。。。あたしは、おばさんパンツをはく気分ではありませんでしたから。。。
夕べ、レンゲさんは僕の部屋にやって来て、またトランス状態になってしまったんですよ。覚えているでしょう?
ええ、覚えていますわ。
僕は濡れてしまったシーツを取り替えたのですよ。そうしたら。。。レンゲさんの濡れたパンツを取り替えない限り、またシーツが濡れてしまう。僕はちょっとばかり困りましたよ。それに、レンゲさんが濡れたままのパンツをはいていて風邪でもひいては可哀想だ。。。そう思ってレンゲさんのパンツも取り替えたのですよ。
いややわあああぁ~。。。あたしを起こしてくださればよかったのにィ~。
もちろん僕は起こそうとしましたよ。“レンゲさん。。。レンゲさん。。。ちょっと。。ちょっと。。。起きてよ。。。” 僕はねぇ、レンゲさんのホッペをちょっと叩くようにして目覚めさせようとしたのですよ。でもダメでしたよ。レンゲさんは全く気を失ったようになっている。ぐったりしていて、とても声をかけたぐらいでは目を覚ますような状態ではなさそうでしたよ。
それで、あたしのパンツを取り替えたのですか?
そうですよ。
『ロマンチックなバンクーバー (2007年8月15日)』より
僕が濡れたパンツを脱がせておばさんパンツをはかせた事を未だに気にしているのですか?
いいえ、気にしている訳ではありませんわ。
だって、また4日も前の事を持ち出してきたでしょう。すでにレンゲさんは納得したはずですよ。
ええ。。。デンマンさんがあたしのパンツを取り替えた事を気にしているのではありませんわ。
じゃあ、いったい何を気にしているのですか?
考えれば考えるほど、デンマンさんがあたしを菊ちゃんのように扱っているのだと言うことが分かってきたんです。
その事だって僕ははっきりと言ったはずですよ。菊ちゃんは本当に精神年齢が7歳だったのですよ。書けるのはせいぜいひらがなだけで、計算は全くできない。たいていの人が10分も話をすれば菊ちゃんが知能の遅れた人だと言うのが分かるのですよ。そういう菊ちゃんとレンゲさんを僕が同じように扱うはずがないじゃないですか。
でも、デンマンさんがあたしを愛している、その愛し方はデンマンさんが菊ちゃんを愛しているのと全く同じですわ。
菊ちゃんの愛の世界
僕は自分の部屋でこっそりと輸入品の“Playboy”を眺めていたんですよ。
デンマンさんがいくつの頃のお話なんですの?
中学1年か2年生の頃ですよ。僕の知り合いが引っ越すので欲しければやるけど持って行くか?と言ったので、もうワクワクしながら、10冊ほど持ち帰ってきたんですよ。当時は検閲があって“毛”は見せてはならなかった。だから、黒いインクであの部分が丸く塗りつぶされていたんですよ。僕はどうにかして、あのインクを取り除くことができないものかと、いろいろなもので試してみましたよ。
デンマンさんは研究熱心なんですのねェ~。
レンゲさん、半分呆れていますねェ~~?へへへ。。。とにかく、性に目覚めた頃で、好奇心が旺盛でしたからね。いろいろなもので試したけれど、どうにもインクを取り除くことが出来ないんですよ。僕は、どうしたらいいものか?。。。そう思いながら気に入ったページの(黒いインク以外に)一糸もまとわぬ女性の写真を眺めていたんですよ。
それで。。。
無我夢中だったんでしょうね。菊ちゃんが僕の部屋に入って来たことも僕は分からなかった。お袋だと思って、一瞬、びっくりして僕は肝をつぶしましたよ。お袋は買い物に出かけた、と言うんですよ。菊ちゃんは余りハッキリと言葉が話せないんですよね。僕の名前もハッキリとは言えない。アキラではなく“アキィ~ヤ”と言うんですよ。
その菊ちゃんの表情はどうなんですの?知能が遅れていることが分かりますの?
いや、普通の人と変わらないですよ。だから、いやなセールスマンが来たりすると、お袋は菊ちゃんだけを残して隠れてしまう事がありましたよ。初めての人は菊ちゃんを見ても知能が遅れているとは思わないから、まともな大人に向かうような話し方をしますよ。菊ちゃんもそのような話し方をされると、うれしいんですよね。それで、天気の事から始まって、世間話をし始めるのだけれど、とにかく、僕の名前がまともに言えないほどだから、10分もすると、この人は知能が遅れているというのが分かるんですよね。そう言う時のセールスマンの表情の変わり方を見る事はいつ見ても飽きないものでしたよ。へへへ。。。。
デンマンさんは、いやな趣味をお持ちですのね?
セールスマンの知能が分かって面白いですよ。中には、菊ちゃんの知能が遅れているのが分からない奴が居て、早々に品物の説明をする愚か者が居るんですよ。菊ちゃんは何を言われているのか分からないけれど、一生懸命相槌を打つ。セールスマンも売りたくって仕方ないから、一生懸命に説明する。。。この様子を眺めているのは、どんな漫才を聞くよりも面白かったですよ。。。へへへ。。。
分かりましたわ。それで、菊ちゃんとどのようなことが。。。?
そうですよね。へへへ。。。その話をしようとしたんですよね。僕は、ハッと思って菊ちゃんをじっくりと見ましたよ。インクを取り除かなくても、そこに実物の健康で成人した見ごたえのある女性の体を持った菊ちゃんが居るではないか!。。。“灯台下(もと)暗し!” そう思ったわけなんですよ。
それはデンマンさん、いけない事ですわ。
僕だって、いけない事だとは分かっていましたよ。でも、好奇心がムラムラと湧き上がってきてしまった。それで、“Playboy”のページを菊ちゃんに示して、いろいろと説明したんですよ。“どう、菊ちゃん、きれいな女の人が写っているでしょう。菊ちゃんだって、このようにきれいなんだよ。だから、菊ちゃんも裸になって見せてくれない?” 菊ちゃんは僕になついていて、僕の言う事なら、たいていの事は、“あい、。。。あい、。。。”と言って、聞いてくれるんですよ。むしろ、喜んで僕の言う事に従うんですよ。
それで、菊ちゃんは裸になったんですの?