恋の花咲くバンクーバー
レンゲさん。。。やっぱり花火大会が思い出に残りそうですか?
そうですわぁ~。。。最近、日本では花火って見なくなりましたわ。あたし、デンマンさんがうらやましいですわぁ~。。。こんな近くで花火大会が見られるなんてぇ~。。。
そんな事はないでしょう。花火は日本が本場じゃないですか?もともと花火は中国で発明されたんでしょうけれどねぇ。。。
子供の頃、あたしも見た覚えがありますわ。でも、最近、ほとんど花火を見ないようになりましたわ。まさかバンクーバーで、こんなにきれいな花火を見ようとは思っても居ませんでしたわ。
そうですか。。。いい思い出ができて良かったですね。でもね、大阪でも「ひらかたパーク」に行けば花火大会が見れますよ。レンゲさんは16日に帰るから18日と25日の打ち上げに間に合いますよ。
今年の夏は大阪にはゆきませんわ。
どうしてですか?
夏休みをこうしてバンクーバーで過ごしていますから。。。もう、お休みは取れませんわ。熊谷には花火大会はないのですか?
ありますよ。熊谷市の第58回花火大会は8月11日でしたよ。おとといの晩でした。残念ながらレンゲさんは見逃してしまいましたね。
毎年やるのですか?
去年、レンゲさんは見なかったのですか?
あたし、知りませんでしたわ。
そんな事はないでしょう。。。けっこう有名ですよ。荒川大橋の近くで打ち上げるのですよ。7時から9時までの2時間。。。やっぱり日本の花火大会はすごいですよね。2時間もやるんですからね。。。バンクーバーはたったの30分で終わりですよ。
バンクーバーは10時からでしたわね。
当然ですよ。夜9時では、夏のバンクーバーはまだお天道(てんとう)様が出ていますからね。うへへへへ。。。夜の7時は、バンクーバーは午後3時とほとんど変わりがないですよ。まだ日光浴をしている人がイングリッシュベイへ行けば大勢居ますよ。
やっぱりバンクーバーは北の国なんですのね?
そうですよ。地図で見れば分かるけれど北緯49度を越えているんですよ。
北緯49度ってどの辺ですの?
僕も調べてみて驚いたのだけれど、日本の北の端を外(はず)れてしまう。なんと、樺太(カラフト)の中央部ですよ。
でも、バンクーバーは雪が冬でもそれほど降らないのでしょう?
そうなんですよ。去年の12月だって今年の1月、2月だって、雪はほとんど降りませんでしたよ。とにかく全く積もりませんでしたからね。。。
地球温暖化の影響ですか?
違うのですよ。バンクーバーの海岸に沿ってカリフォルニアから暖流がさかのぼって来る。それで、冬でも暖かく、夏もそれほど暑くはならない。
あたし、今度は冬来てみようかしら。。。
や。。。や。。。やめた方がいいですよ。
どうしてですの?どうして冬は来ない方がいいのですか?
夏は。。。夏は。。。あのォ~。。。素晴しい花火大会があるでしょう?
でも、花火大会はもう見ましたから、今度はバンクーバーの冬の景色が見たいですわぁ~。
でもねぇ。。。でも、バンクーバーの「冬ソナ」よりも、本場の韓国の「冬ソナ」の方がイイですよ。。。だから、韓国に行ったらどうですか?
つまり。。。つまり。。。デンマンさんは、今年の冬、あたしに来て欲しくないのですわねぇ?
。。。いや。。。なんと言うか。。。その。。。その。。。
分かりましたわ。今回あたしが来た事も内心では迷惑だと思っているのですわねぇ。。。?
。。。ち。。。ち。。。ちがいますよゥ。。。僕はただ。。。この冬は忙しくなるから。。。
1年に2度もあたしに会いたくないと言う事ですわね?
やだなあああぁ~。。。そうやって決め付けないでくださいよゥ。。。僕はレンゲさんと会う事を迷惑だなんて思っていませんよ。
でも。。。、でも、デンマンさんは、とりわけ喜んでいるようには見えませんわ。
。。いや。。。もちろん僕は喜んでいますよ。。。レンゲさんに会えてうれしいのですよ。
でも、そのようには見えませんわ。
それは。。。それは。。。
どうしてですの? はっきりとおっしゃってくださいな。
僕はレンゲさんに会えて、もちろん、うれしいのですよ。でもね。。。
でも、何ですの?
レンゲさんは僕をうれしがらせる反面、驚かせるのですよ。
あたしが。。。あたしが。。。デンマンさんを驚かせる。。。驚かせるとおっしゃるのですか?
そうですよ。僕はレンゲさんと居ると。。。次に何が起こるのかと。。。ちょっと心配で。。。分かりますか?。。。この。。。なんと言うか。。。不安と言うか。。。びびって居ると言うか。。。
まさかぁ~。。。デンマンさんがあたしと。。。あたしと一緒に居てビビッて居るなんて、とても信じられませんわぁ~。
でしょう?。。。そう。。。そう思うでしょう?。。。でもねぇ、僕はこう見えても意外に繊細なところがあるのですよ。けっこう気が弱いところがありましてねぇ。。。
まさかぁ~。。。?
いや、本当なんですよ。だから、おとといの晩も僕はメチャ胆をつぶしたんですよ。
えっ。。。おとといの晩。。。? おとといの晩ですか?。。。あたしが、何か。。。何かあたしが、デンマンさんをそれ程驚かせるような事を。。。?
ほらねぇ。。。レンゲさんは覚えていないのかもしれませんよ。。。もう忘れてしまったのかも。。。でもねぇ僕は忘れる事ができませんよ。
いったい。。。いったい。。。あたしが何をしたとおっしゃるのですか?
本当に覚えていないのですか?
いややわぁ~。。。デンマンさん、もしかして。。。もしかして。。。また、あの事ですか?
うん、うん、うん。。。思い出しましたか?
寂しくなると夢と現(うつつ)が
入り乱れるレンゲさん
決別状を僕に突きつけた時もすごかったけれど、仲直りする時もすごかったですよ。僕の都合も聞かずに一方的にバンクーバーにやってきてしまったんですよ。しかも、その夜、怖い夢を見てどうしても眠れない。。。そういう事を言ってレンゲさんは僕の部屋に入ってきたんですよ。もう真夜中をすぎていましたよ。レンゲさんが境界性人格障害を患っている。子供の頃にお母さんから拒絶された経験を持っている。肌のぬくもりを求めていた幼児の頃に、そのぬくもりが得られなかったというトラウマを持っている。そのようなレンゲさんの生い立ちを知っていたけれど、レンゲさんが、このような姿で現れたときには、僕は度肝を抜かれてしまいましたよ。
デンマンさんは、すぐにそうやってドラマチックにしてしまうのですわ。
ドラマチックどころではないですよ。ドラマチックという言葉では表現できないような衝撃を僕は受けたんですよ。真夜中に、レンゲさんが、こういうボイ~♪~ン・ルックで現れたんですよ。一体どういう事なのか?ギョッとして僕はレンゲさんが、もしかして火星からやって来たのではないか?僕は、実際夢ではないかと、自分のひざ小僧をつねってみたほどですよ。
いつものようにデンマンさんはオーバーですわぁ~。
とにかくね、僕にとってあの時の出来事は決してレンゲさんが詩に書いたようなロマンチックなモノではありませんでしたよ。
でも、あたしには。。。あたしには忘れられない思い出になっているんですねん。
レンゲさんの詩の世界は、時によっては夢の世界ですからね。あの夏の出来事がレンゲさんのオツムの中で、すっかり甘美な愛と官能の思い出になってしまっている。
あなたの全てがいとおしい
あなたのまぶたをくちびるで愛撫する
くちびるから全身にしびれるような
熱い波がひろがってゆく
狂おしいまでに
わたしはあなたの腕に
抱きしめられて身悶える
あなたに抱かれて花開く
by レンゲ
『お願い、もう一度抱きしめて』より
あの夏の出来事は、レンゲさんにとってこのような官能的な思い出になっている。しかし、僕は全く違った衝撃として受け止めていましたよ。
でもデンマンさんだってあたしの詩を読んで、うれしいって言ったじゃありませんかぁ~。。。
そ。。。それ。。。それは。。。確かに。。。うれしかったですよ。。。でも。。。、でも、僕はレンゲさんの詩の世界と現実を区別していますよ。だから、詩の世界のことをあたかも事実だと言われると、僕は本当に困ってしまいますよ。
『甘い言葉の裏の性欲』より
デンマンさんは、あたしがまた夢の世界と現(うつつ)の世界をごっちゃにしたとおっしゃるのですか?
そうですよ。。。ごっちゃにしたと言うのが言い過ぎならば、レンゲさんは上の詩の世界にどっぷりとつかって、自己催眠状態になったようなものですよ。
自己催眠ですか?
そうですよ。レンゲさんはまたトランス状態になってしまったんですよ。
あたしが失神したとおっしゃるのですか?
だから。。。だから。。。僕は驚いたのですよ。。。またかぁ~!。。。そう思ったのですよ。
それで昨日は失神の事を記事に書いたのですか?
■ 『ビートルズに女性ファン失神』
レンゲさんも読みましたか?
読ませていただきましたわ。
僕はねぇ、レンゲさんがまたトランス状態になったので、どういう事なんだろうと調べてみたんですよ。そうしたら、ビートルズのコンサートに行って熱狂の余り失神した女性ファンがたくさん居たと言うことが書いてあった。これを調べてゆけば、レンゲさんのトランス状態も良く分かるのではないか?。。。僕はそう思って昨日の記事を書いたのですよ。
まさか。。。あたしは。。。デンマンさんがあたしのトランス状態を調べていて書いたなんて思っても居ませんでしたわ。
分かるでしょう?。。。レンゲさんと一緒に居ると僕はしばしば驚かされるのですよ。
あたしはデンマンさんがそれ程驚いていたとは思っていませんでしたわ。
それはそうでしょう。。。レンゲさんはトランス状態になっていて、僕が驚いているのを全く知らないのだから。。。
真夏の夜の出来事
このような格好で僕の部屋に入ってきたんですよ。
いけませんか?
ダメだとは言わないけれど、。。。その上にガウンかなんかを羽織ったらどうですか?
夏でした。
それは分かるけれど、確か、。。。午前1時ごろでしたよ。。。。暑くはなかったですよ、むしろ涼しいくらいでしたよ。
だって、あたし、これでいつも寝ていたんです。
しかし、あなたは自分のアパートではワンピースを着たままで寝ていたと言ったでしょう。。。?
デンマンさんが、こういうベビードルのナイティー(nightie)が好きだと言っていたので買ったんです。
そんな事を言った覚えはないけどなあァ~。。。
おっしゃいましたわああああ!
それで見せに来たというわけですかァ~?
そういうわけではありません。デンマンさんには無様(ぶざま)な姿はお見せしたくありませんでしたから、デンマンさんが好きだとおっしゃっていたナイティーを買って着ていたんです。
とにかく、あなたは僕がびっくりするような事をするからねぇ~。んも~~。。。風呂場の逆立ちの次がこれだったんですよ。
デンマンさんが、お部屋に入ってもよいとおっしゃいましたわ。
そうするより他にないでしょう。あなたは怖い夢を見て眠れなくなったと言って入って来たんですよ。30才になろうとする女性が“怖い夢を見て眠れない。 だから、一緒のお部屋に居させてくれ”。。。そんなことを言われたら、何も知らない男なら“据え膳”だと思いますよ。
デンマンさんも、そう思われたのですか?うふふふ。。。。
うふふ、じゃないですよォ~。僕は内心では、ぶったまげていましたよ。
でも、ポーカーフェースを通していましたわ。
もちろんですよ、冷静にならねばいけない、と自分に言い聞かせていましたからね。その一方で来るものが来たかァ~。。。とも思いましたよ。レンゲさんの“幼児的なふれあい”へのあこがれが、こういう形になって現れたんだと思ったわけですよ。あなたは、僕のベッドの中にもぐりこんで、ニィーと笑ってんですからねぇ~。。。全く、憎めないところがありますよォ~。
デンマンさんは、それから2時間もあたしをかまってくれませんでしたわね。ほったらかしでしたわァ~。
そのうち眠ってくれるだろうと思ったわけですよ。しかし、眠らないんですよねぇ~。そろそろ眠ったかなあァ~と思って、そっと振り返って見てみると、あなたはベッドの中でしっかりと眼を開いて僕の方を見ている。僕がニヤッと笑って見せても、もうあなたは笑わない。。。。潤んでいる目で訴えるように僕を見つめているんですからねぇ~。。。僕は本当に迷いましたよ。あなたを残してリビングのソファーでも眠ろうものなら、また人種差別をしていると言われかねない。。。だから、もう観念して僕もあなたの隣に横になりましたよ。
2時間も待たせたんですよ。
レンゲさんが勝手に眠らずに待っていただけですよ。
あたしだって意地になっていましたわ。
どうして、あのように手の込んだ事をするのですか?
デンマンさんは、今でもあたしがシナリオを書いて小説的演技をしていたと思っているのですか?
そうは思っていませんよ。レンゲさんが“幼児的ふれあい”を求めているのだという事が分かりましたからね。僕が言っているのは、狸眠りでもいいから寝たフリをしていれば、僕だって2時間も机に向かって居る必要がなかったんですよ。実際、あのような状況では何も手がつかないんですよ。
でも、ハグしてくれたのであたしうれしかったです。
しかたありませんよ。あなたは7つか8つの女の子になりきっていたんですからね。ああいう時って、女性は幼い時の気持ちになれるのだろうけれど、でもレンゲさんは、すっかりなりきってしまっていたんですからね。僕は驚きましたよ。
(中略)
それがあたしの“幼児的なふれあい”と関係があるのですか?
そうなんですよ。僕はこの記事を読んでレンゲさんがイッてしまった理由がすべて納得できましたよ。
イッてしまったって。。。デンマンさんは、。。。知っていたんですのォ?
僕は、レンゲさんがお漏らししたのかと思ったんですよ。セックスしたわけじゃありませんからね。おしっこなら、舐めればツンと沁みるような。。。刺すような味がありますからね。でも、おしっこと比べれば、かすかに甘い味がしましたよ。臭いはほとんどありませんでした。
デンマンさんは舐めたんですの?
シーツがかなり濡れていたんですよ。。。。確かめてみただけですよ。
イヤやわァ~、デンマンさんたらァ~。。。あたし、恥ずかしいわァ。。。
何もあなたが恥ずかしがることではないでしょう。
あたし、他の女性と比べて変わってますかァ?
だから僕もそう思ったんですよ。。。。上の記事を読むまではね。でもね、納得ゆきましたよ。
どういうことですか?
あの時の女性というのはトランス状態になる人も居るんですよね。日本では“失神する”と言うようですよね。そのことは僕も知っていましたよ。でも、僕はレンゲさんをハグして頬擦(ほおず)りしたりキスしたり、。。。レンゲさんは8歳の女の子になりきっていましたからね、僕は妙な気分でしたよ。でも、そういうレンゲさんのことが実に可愛いと思いましたよ。。。だから僕は8歳の時の娘を可愛がるようにあなたを可愛がっていた。。。そんな気持ちでしたよ。。。あなたは、なかなか僕を離さない。20分か、30分か、。。どのくらいあなたをハグしていたか、はっきりとは分からないけれど、気づいたら、あなたはトランス状態なんですよ。
あたしには、良くそういうことってあるんです。
僕はヨガもやるし、禅をやった事もありますがねぇ、精神をよほど“集中”しても“空”にしても肉体的な快楽の極地に到達する事って出来ないですよ。僕の修業が足りないのかもしれません。。。。でも、レンゲさんは僕にハグされて。。。頬擦りされてキスされて。。。可愛がってもらっているだけで。。。イッてしまったんですからね。。。
デンマンさん、そんな風に見つめないでくださいな、。。。火照(ほて)ってしまいますわアアア。。。。
『あたしは、どのように愛せば良かったのでしょうか? (2006年1月15日)』より