杜の都のアイドル (PART 3 OF 4)
レンゲさんの手記を持ち出してきて、デンマンさんは“頼りにされている男”だという事を自慢なさりたいのでござ~♪~ますか?
違いますよう。奈緒子さんの繊細で複雑な女心を理解するためにレンゲさんの上の手記を持ち出してきたのですよう。
それで。。。?
僕はレンゲさんに信頼されたのですよ。。。なぜだと思いますか?
そんな事。。。そんな事が。。。あたくしに分かるはずがないではござ~♪~ませんか!んも~~。。。聞くだけ野暮(やぼ)ですわア!
卑弥子さんには、全く分からないのですか?
あたくしは、お答えしたくないのですわア。。。「大学生の頃のデンマンさんって、女性にモテルような人物ではなかった」と、あたくしは申し上げたのでござ~♪~ますわ。今更、“頼りにされている男”だと、あたくしに言える訳がござ~♪~ませんわ。
分かりました。そもそも、レンゲさんが僕を信頼し始めたのは、次のレンゲさんの手記に僕がコメントを書いたからなんですよう。
不倫の果てに…
不倫と呼ばれる恋愛について、どんなイメージを抱かれますか?
わたしは女性として、相手の男性にパートナーがいるのに、
自分が彼の一番になれないのに、
それに甘んじている女性の事を
“プライドはないの?”
“先(結婚という意味ではありません)がないのにばかげてる”
などと、どちらかというと軽い軽蔑感を持っていました。
でもわたしの身にも、それは訪れてしまったのです。
ある既婚男性のことを、
どうしようもなく好きになってしまったのです。
初めは手の届かない相手だと、
片思いを続けていたのですが、
どうしても我慢できずに、
彼にモーションをかけはじめてしまったのです。
そして、長い時間を経て彼と肉体関係を持ちました。
そこから、彼はわたしのことを「彼女」だと呼ぶようになりました。
わたしは、一度の関係で終わろうと思っていました。
してはならないことをしてしまった、という思いと、
これで完結した、という気持ちがあったからです。
でも、長い間モーションをかけ続けておいて、セックスして、
「はいさよなら」なんて図々しい考えですよね。
結局わたしたちは、不倫関係に陥ってしまったのです。
そして次第にわたしは苦悩に苛まれはじめました。
彼とは、毎日のように会っていました。
いつしか彼と会えない日は心に穴があいたように感じるようになりました。
これは、どんな恋愛でもあることだと思いますが・・・
でも、わたしの頭には、
“彼がわたしと会わない=奥さんといっしょにいる”
という図式ができあがってしまい、
嫉妬に苦しむようになったのです。
そのうち、彼から
「子供が大きくなったら(わたしと)いっしょになりたい」
と言われました。
その時点ではその言葉は、彼の本音だったと今でも思います。
言葉だけでなく、彼の行動がそれを裏打ちしていたからです。
でも、
“大きくなったらっていつ?”
“奥さんはどうするの?”
そんな疑問で頭がいっぱいでした。
そして、それと同時に彼の奥さんに対する嫉妬は、
ますますふくらんでいきました。
現在だけでなく、彼らの過去の歴史、
これからの生活などにも嫉妬の目が向くようになりました。
つまりわたしは、妄想に苦しめられていたのです。
そんなわたしは彼に対して、
自分の妄想をぶつけはじめたのです。
不倫であれ、どんな関係であれ、
相手から勝手な妄想をぶつけられたら、
何を言えばいいのか、どうすればいいのか
わからなくなる事でしょう。
その頃の自分の愚かさに、今でも情けなくなります。
わたしはいつも、恋愛を通して自分も相手も
成長していけたら・・・と考えてきました。
そして、何かを得ようとも思っていました。
(念のため、モノではないです)
でも、彼との長い不倫生活の果てに、
得られたものは、負の遺産ばかりでした。
世間のすべての不倫カップルがそうだとは
限らないとは思いますが、わたしたちの場合は、
おたがいを傷つけあって(傷の質は違いますが)
後々笑顔で思い出せるようなものではありませんでした。
おそらく今、会ったとしても、お互い自分の残した
嫌なものを見ているような気持ちしか、
生まれてこないでしょう。
最初の頃のときめき。
彼のやさしさ。
いきいきとしたわたし。
何もかも、なくしてしまってからの別れ。
本当は、彼と和解したいと考えている自分がいます。
よりを戻すのではなく、ただ、醜い別れを修正したい。
・・・そんな甘い話は、ありませんよね。
by レンゲ
2004-07-21 10:11:08
『不倫の悦びと苦悩 (2004年7月21日)』より
上のレンゲさんの手記にデンマンさんがコメントを書いたことがきっかけで、レンゲさんがデンマンさんを信頼し始めたとおっしゃるのでござ~♪~ますか?
そうですよう。
。。。んで、具体的に、どのようなコメントを書いたのでござ~♪~ますか?
僕がいろいろと書いたコメントを記事にまとめたのが現在の『レンゲ物語』になっているのですよう。
■ 『この時のコメントがきっかけで始まった「レンゲ物語」』
つまり、デンマンさんは『レンゲ物語』の宣伝をしたいのでござ~♪~ますか?
やだなあああぁ~。。。違いますよう!女性が心の悩みを打ち明けたり、秘密を打ち明けたりする時には、女性は、心のどこかで聞いてくれる相手に対して“身を任せる”ような気持ちで居るのですよう。つまり、心のどこかで頼りに思っている。そうでなければ、心の悩みや秘密を打ち明けないものですよう。
つまり、ラムちゃんに似ている奈緒子さんもデンマンさんに対して、そのような信頼感を感じていたと。。。?
そうですよう。
何がきっかけで、奈緒子さんはデンマンさんに対して信頼感を感じ始めたのでござ~♪~ますか?
あのねぇ~、奈緒子さんは「鳩胸でっちり」と言われてイジメられ、自分の体型に劣等感をを植え付けられてしまった。しかし、何度も言っているように、奈緒子さんは体型も表情もラムちゃんに似ていて、劣等感を持つ必要など、全く無かったのですよう。。。もし、当時、タレント・スカウトが奈緒子さんを見たら、おそらくラムちゃんに対抗するような売れるタレントに育てようと、東京に連れて行ったに違いない!
だから、そのかわゆい奈緒子さんが、どうしてデンマンさんに信頼感を覚えるようになったのでござ~♪~ますか?
僕の高校1年生の時のエピソードを話して聞かせたのですよう。
また。。。また。。。、あの、お尻のエピソードでござ~♪~ますか?
またじゃないのですよう。実は、その時初めて僕は奈緒子さんに、そのエピソードを話して聞かせたのですよう。
肉体の美
英文法の先生で、とてもユニークな先生が居ましたよ。ユニークと言っても、このエピソードがあったから、僕はこの先生がユニークだと思うようになったのですよう。寺田先生と呼ぶ事にします。僕は名前を忘れてしまったのですよ。思い出せません。まだ入学して日の浅い頃でした。春から夏になる頃の話です。
その寺田先生は女性でござ~♪~ますか?
もちろん、男の先生ですよ。女性の先生は一人も居ませんでした。当時、埼玉県の有名校は別学だったのですよ。熊校(くまこう)は男子校でした。
その先生は、どのような感じの先生でござ~♪~ますか?
山岳部の顧問をしている先生でした。また、油絵を描くのが趣味でしたよ。どちらかと言えば寺田先生は、あまりパッとしない先生なのですよ。40代だったでしょうか。。。山岳部の顧問と言う響きから山男か?というと、そういう印象でもない。がさつな感じでもない。そうかと言って繊細で洗練されている印象でもない。ざっくばらんで自然体、と言う感じでしたね。
。。。んで、どのような事があったのでござ~♪~ますか?
いつものように、とりわけ変わった事もなく授業は進んでいったのですよ。僕は、寺田先生の教え方がうまいと思った事もなく、とりわけ魅力的な授業をする先生だ、と思ったこともない。いわば、いつもどおりにマンネリ化した、興味のあまり感じられない授業を進めていましたよ。
それで。。。?
ふと、先生は窓の外に眼をやったのですよ。当時の校舎は木造で、僕のクラスは学校で最も古い昭和の初期に建てられた木造平屋の教室だったのですよ。寺田先生は、しばらく黙って外を見ていた。生徒の幾人かは、オヤっと思って先生の目線の行き着くところを見定めるような風でした。でも、ほとんどの生徒は無関心に教科書を見たりノートに落書きをしているようでした。僕は先生が何を見ているのだろか?と思って窓の外を見たのだけれど、僕の座席からでは窓の外の風景は垣根と空だけしか見えない。
それで。。。?
先生は、感極まったように言ったものですよ。
“う~ん。。。いい尻をしているなあぁ~。。。”
つまり、先生は窓の外を通る女性を眺めていたのですか?
そうですよ。生垣(いけがき)の向こうは砂利道になっていて、そこを女性が歩いてゆくのが見えたのでしょうね。僕の座席からでは人が通る様子は全く見えないのですよ。先生は窓辺に立っていたから見えたのでしょう。
それで。。。?
“オイ、いいケツだとよォ~” クスクスっと笑って、僕の後ろに居た原島君などは、ポルノ雑誌を見たようなエロい笑いをもらしながら、僕の背中を小突(こづ)いたものですよ。教室の、そこここで、くすくす笑いが起こりました。先生も皆に聞こえるような声を出した事に初めて気づいたかのようにニヤニヤしながら、教壇の方に歩いてゆきました。
デンマンさんは、どう思ったのでござ~♪~ますか?
女性の尻を見て、その素晴しさに感極まるような感嘆を漏らす人が僕以外にもやっぱり居るものだ、と僕は半ば同志に巡り会ったような気持ちでしたよ。
つまり、高校1年生のデンマンさんは、すでに女性のお尻を見て“う~~ん。。。いい尻をしているなあぁ~。。。”と、感嘆したことがあったのでござ~♪~ますか?
ありましたよ。声には出さなかったけれど、まさに声に出てしまうほど感嘆したことが何度もありましたよ。
。。。んで、そのように感嘆してしまう素晴しいお尻って、一体、どのようなお尻なのでござ~♪~ますか?
これは個人、個人によってだいぶ違うと思うのですよゥ。美意識の問題ですからねぇ。でも、卑弥子さんが僕にマジで尋ねるのならば、僕はシャロンさんの次の写真を見せる他に思い浮かびませんよう。
うふふふふ。。。このようなお尻が素晴しいのでござ~♪~ますか?
卑弥子さんは、同性として何か感じるものはないのですか?
確かにシャロンさんは、きれいな方だとは思いますわ。でも、特にお尻に魅力を感じる事はござ~♪~ませんわ。
そうですかぁ~。。。でも、着こなしがセクシーだとか。。。そのように思うことはありませんか?
う~♪~ん。。。確かに、着こなしが洗練されていると思いますわ。でも、芸能人の写真を見るようで、身近な美しさを感じませんわ。
なるほどねぇ~。。。そういうものですかぁ~。。。確かに人体の一部に感じる魅力は人によって違うのでしょうね。寺田先生も、クスクス笑う生徒を見て次のように言ったものですよ。
“まだ、君らには分からないかもしれないなぁ~”
「いえ、先生、僕には分かりますよ」 僕は手を上げて寺田先生に、そう言いたい衝動に駆られたものですよう。
そのようなエピソードがあったので、デンマンさんは寺田先生がユニークだと思うようになったのでござ~♪~ますか?
そうですよ。思っていても、なかなか生徒の前で口に出せるものではないですよ。それを自然体で感嘆し、自然に口に出す。凡人には、なかなかできない事だと僕はその時に思ったものですよ。考えてみたら、寺田先生は油絵をやりましたからね、当然デッサンなどで女性のヌードを描いていたと思うのですよ。
つまり、生垣の外を歩く女性を、寺田先生はヌードをデッサンするような目で眺めていたと。。。デンマンさんは、そう思うのでござ~♪~ますか?
そうですよ、常日頃から美術的に女性の美しさを見出そうとしているような習慣ができていない限り、授業中に窓から見えた女性の尻の美しさに感嘆できる人はまず居ないですよ。しかも、生徒の前で、自然に感嘆の言葉を漏らすのですからね。
その事がデンマンさんには、とっても感動的だったのでござ~♪~ますか?
そうですよ。
『あっちかち (2008年3月25日)』より
。。。んで、奈緒子さんはデンマンさんのお話を聞き終わってから何と言ったのでござ~♪~ますか?
卑弥子さんと同じような質問をしたのですよう。つまり、「感嘆してしまうほど素晴しいお尻って、一体、どのようなお尻なのォ~?」。。。そう尋ねたのですよう。
デンマンさんは何とお答えしたのですか?
「今日の奈緒ちゃんはタイツスカートを穿いてきたけれど、僕は正直言ってイイ尻だなあぁ~と思ったよう」
デンマンさんはマジで、そうおっしゃったのでござ~♪~ますか?
そうなのですよう。。。そう言われた時、奈緒子さんがとっても嬉しそうにして、はにかんだ表情が今でもはっきりと思い浮かびますよう。
どんな事にしろ、褒められて悪い気はしませんわ。それで。。。?
奈緒子さんは言ったものですよう。「デンマンさんは女性のヌードを描いたことがあるのォ~?」。。。僕は美術を選択したから、もちろんヌードをデッサンした事がある。でも、モデルは実物の女性ではなく、石膏でできたギリシャのビーナス像だったのですよう。
それで。。。?
「モデルの女性は、お尻が大きかったのォ~?」。。。奈緒子さんはそう尋ねたのですよう。モデルが実物の女性だと思い込んでしまっているのですよう。
。。。んで、デンマンさんは否定なさらなかったのでござ~♪~ますか?
石膏のビーナス像の尻が大きかったと言ったところで、奈緒子さんを慰める事にはならないと思ったから、「うん、うん、うん。。。そう言われてみれば、確かに見応えのある大きな尻をしていたよう。でも、均整が取れていた。決して太っていると言う感じじゃない。。。ギリシャのビーナス像を思わせるようなマジでイイ尻でしたよう。」
それで。。。?
奈緒子さんは言いました。「デンマンさんは恵子さんをモデルにして絵を描くのォ~?」 ん。。。? 僕が恵子さんをモデルにして絵を描く。。。? どうして。。。?
「だってぇ。。。そこに立てかけてあるのはイーゼルでしょう?」
イーゼルって、あの絵を描くための三脚でござ~♪~ますか?
そうですよう。確かに当時、僕は油絵をやり始めていたのですよう。その頃に描いた油絵が、今でも僕の実家の応接間に飾ってあるのですよう。小百合さんが初めて訪ねてきた時に、もしかすると見ていたかもしれない。でも、2つの絵に対して背を向けるようにして座っていたから、覚えていないかもしれません。
その2枚の絵と言うのはヌードでござ~♪~ますか?
いや、違いますよう。風景画ですよう。2枚とも。。。
。。。んで、デンマンさんが恵子さんをモデルにしてヌードを描くと奈緒子さんは思い込んでしまったのでござ~♪~ますか?。。。なぜ。。。?
イーゼルの下に描きかけのデッサンが丸まって転がっていた。それは僕が松岡きっこさんのヌード写真をモデルにして描いたヌードだったのですよう。ところが、顔は恵子さんになっていた。奈緒子さんは、その描きかけのデッサンを見てしまったのですよう。
つまり、デンマンさんは恵子さんをモデルにしてヌードを描こうと思っていたのでござ~♪~ますか?
違いますよう。もちろん、そんな事を考えたところで、とても恵子さんに言い出せなかったでしょう。不可能な事だと思っていたから、松岡きっこさんの写真をモデルに顔だけ恵子さんにしてデッサンしたのですよう。
。。。んで、もしかして。。。もしかして。。。奈緒子さんは恵子さんに対抗するつもりで、デンマンさんのモデルになると言い出したのでござ~♪~ますかア?
うしししし。。。
その。。。その。。。ヤ~らしい笑いだけはお止めになってくださいましなア。んも~♪~!。。。奈緒子さんはマジでデンマンさんのモデルになると申し出たのでござ~♪~ますか?
そうなのですよう。話の成り行きから僕は断るに断れない状況に追い込まれてしまった。
どうしてでござ~♪~ますか?
映画『ベンハー』を見た後で、東宝ビルの地下一階にあった喫茶店『詩仙』で僕と恵子さんと奈緒子さんの3人で話した時の事を思い出してくださいよう。
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