ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

紀州富士を奇襲した 3

2015年05月16日 21時29分50秒 | ウォーキング

山道でてふてふと偶然の出会いをした。
葛城山で初めて見かけた時に少し勉強をしたので、
羽根の模様、胴体の様子などから見ても
ギフチョウに間違いないことがわかる。


これがその時の葛城山のギフチョウ

ただ、少し首をかしげたのが、
全体に色が薄かったこと。

もしかしたら羽化したてなのかもしれない。

帰ってきてさらに調べているときに、
不思議な記述に出会った。

和歌山県のギフチョウはすでに絶滅したと書かれてある。

え?これはどうしたことか
と読み進んでいくと、
なんと元々はこの龍門山を
最南端生息地としていたギフチョウが、
ある時そこからまったく姿を消してしまったそうだ。

いわゆる地域での絶滅というやつだ。

原因は、麓のみかん畑への農薬散布とか
マニアによるお決まりの乱獲とか
様々な出来事が指摘されている。

もともと細々と暮らしていた蝶だから、
この山に居なくなることイコール
和歌山県全体から姿を消すこと
になったというわけである。

そこで、一計を案じて、
比較的近くの生息地である
葛城山のギフチョウを
こちらに連れて来て繁殖させることにしたそうだ。

その甲斐あってか、
こうして初めてふらっと
やってきた登山者であるdoironにさえ
その姿を見せてくれるほど、
繁殖するようになったのだ。

翅の模様の珍しさなどが、
一部の変なマニアの
垂涎の的になったりするこの貴重な蝶。

静かに見守りたいものだ。
(ただ見守るだけではまた絶滅するぞ、
という声もある)。

ともかくまあ、そんなラッキーな出会いがあり、
急に思いついて頑張って来た甲斐があった
と言えるだろう。

飛び去ったギフチョウが
また戻ってこないかと
しばらくそこで待ってみたが、
現れることはなかったな。

仕方なく下山を続けよう。

「蛇紋原」という道標があったのでそっちに行ってみた。



するとそこには巨大な蛇紋岩がゴロゴロあって、
下から風の吹き上げてくる
眺めの良い最高の場所だった。



みると岩には残置ハーケンもあり、



どうやらクライミングの
練習場所にもなっているようだ。

これは写真じゃあまりわからんけど、
結構怖いところに立っているのだよ。



昔はなあ、沢登りも簡単なクライミングもしたのになあ。

この年になって、
なんだか高い所の怖がりになったような気がする。

その蛇紋原から下山道に戻って
さらに下って行くと、



今度は「明神岩」という景勝地に出る。



ここもこんな大きな岩があって、
向こうは絶壁となって切れている。

この通り。



森あり、草原あり、谷あり岩ありと、
こんなに表情豊かなところが
この山の人気の秘密なんだろう。

その明神岩の近くには、
こんな風穴もある。



ここは竪穴だけではなくて、
中に入ると南北に横に伸びており、
天王山の麓で出会った、
かの楠木正成がこもったといわれていたり、
昔は実際に養蚕用の蚕保存のための
冷蔵庫として使われたこともあるそうだ。

今は、コウモリが生息していると
現地の説明板に書かれてあった。

さあ、これでこの山の見所は
ほとんど終りだ。

なぜか花の部分をことごとく切り取られた
マムシグサを見ながら、



暗い森の中をどんどん下って行った。

途中かなりの密度で道標が建てられてあるが、
なぜか「行き止まり」の案内看板が多い。





う~ん、道標にする意味があるのかいな。

と、突っ込みながらどんどん下って行くと



突然果樹園の作業用の道に出た。



そこから見ると、ず~っと向こうに、
doironの帰りを待つ愛車の軽の姿も見えたよ。



いじらしいその姿に
思わず手を振りそうになったぞ。

かくして、紀州富士といわれる
龍門山奇襲登山は終わった。

気にしていた毛虫・シャクトリムシもほとんどおらず、
快適なコースで、
とても楽しかった。

そんな「ご当地富士」登山。

次は近江富士といわれる「三上山」、
あるいは大和富士といわれる
「額井岳」あたりを
ターゲットにしようと思っているのだ。

ワクワクと終り。