今年の一月に和泉の豆を買ってきて、
本を見ながら味噌を仕込んだ。
熟成は麹クンに丸投げで
台所の床下収納で静かに熟成をさせてきた。
当初の予定では、
土用の丑の日に御開帳してみるつもりだったのだが、
出来が浅ければまた寝かせばいいか
と思い、あけてみることにした。
要するに、こらえきれなかったわけである。
ずっしりと重いそのケースを取出し、
おそるおそる開けてみると・・・
おお~、大変味噌らしくなっているではないか。
試しにお箸ですくって口に入れてみると、
豆の味がしっかりしていて、
とてもコクがありこの上なくうまい!
ううっ、麹クンに丸投げしてあったのだが、
よくぞここまで育ってくれたぞ。
麹クンに感謝である。
doironが山歩きをしている時も、
旅行に出かけている時も、
母さんが亡くなった時も
一日も休まず働いていてくれたんだねえ。
早速、みそ汁にしていただいてみることにした。
心がけたのは、味噌の味をあじわうために、
ダシはうす目にすること。
具としては極めてスタンダードな
豆腐とわかめを入れてみた。
お湯を沸かし、具も整ったところで
いよいよ味噌の投入である。
味噌を網ですくって、
しっかりと溶かしながら進めていく。
途中、少し味見にすくってみた。
どひゃー、まるでこの世のものとは
思えぬうまさではないか。
ほっぺたが落ちました。
え?ホンマに落ちたわけではないですよ。
そんな奴は晩年の宍戸錠くらいしか知らんし。
日本語は面白いな。
目からうろこが落ちたりもするし
耳にタコができたりする。
そう言えば、あきらめてやめることは
「ケツ割る」ていうけど
はじめから割れてるし。
おっと、話がそれた
味噌の話からケツの話になってしまった
微妙に関連してるけど
話を元に戻そう。
まあ、それほどおいしい味噌汁だったわけだ。
などと書くと、たかが味噌汁に
オーバーじゃろといわれそうだが、
本当にうまいんだったら。
ミセスが唸ったほどなのだ。
されど味噌汁やね。
豆の味がしっかりしていて、
市販の味噌じゃこうはいかないだろうて。
よっしゃー、半分はもう一度
土用の丑まで寝かせておいて、
半分を普段使いにしよう。
「マルナゲ味噌」の解禁だあ~。
新酒ならここで杉玉をあげるところだが、
新味噌の場合はどうすればいいのじゃろ。
まずはこういう紙を
台所に貼っておいた。
そして、ボジョレーヌーボーのように、
評価もしなければなるまい。
「今年の味噌は原料の豆が実るときに、
気温が高くよく育った上に、
秋が寒かったので実が良く締まりましたから、
味のギュッとしまったコクのある味に仕上がっています」
てのはどうだろうか。
そうそうラベルも作らなくては。
もちろん味噌の名前は「マルナゲ味噌」とし、
無添加熟成、地元産豆を使用、完全手造りである。
おお~これだけの言葉が並ぶと
おいしくないわけがないじゃないか。
そうして作ったラベルがこれ。
塩分が若干濃い目だが
味はしっかりしている。
なので血圧のことを考えて
うす目でいただくのがミソのようです。