いやはや、本はいいねえ。
読んでると全く自分には出来ないような
体験に浸ることができるもんなあ。
冒険ものだったりしたら
もうハラハラドキドキで、
気がついたらじっとり汗をかきながら
読んだりしている。
怖い話は、恐怖のあまり
クライマックスを片目で読んだり、
面白い話を「わははは」と
笑って読んだりしている。
するとやおらミセスが冷ややかな目で
掃除機担いでアトリエに入ってきたりする。
一応、フリーライターあんどクリエイターなんで
創作中あるいは執筆中は
入室を遠慮してくれているのだろう。
そんなdoironの部屋には、
片隅にリュックやステッキ、
ガスコンロなどが置かれ、
冒険ごころのかすかな雰囲気を
醸したりはしているものの
ほとんどが本とパソコン関連機器、
絵の道具、壁に貼り付けた下手な書
などであり、冒険ものに書かれてあるような世界とは、
地球とM78星雲くらいの隔たりがある。
そして描いてる絵や書きためている原稿も、
そんな本の世界とは程遠いもので、
このブログにいたっては
日常にまみれてコテコテの内容にしか過ぎない。
ハラハラドキドキもないし、
ゾ~もない。
たまに「クスリ」と笑うときがあるくらいだろうが、
何かのクスリになるかというとそんな効能もない。
なので、まあ安心して気を抜いて読んでくださいね。
今回は大阪の山を縦走した話。
といっても、ガシガシ登ったり、
ゴリゴリよじ登って手に汗握る場面はもちろんない。
登った山は、生野にある御勝山、
天王寺にある茶臼山、松虫にある聖天山、
住吉にある帝塚山、
そして大阪港にある天保山の5山だ。
蘇鉄山から始まり、
泉大津の三角点を訪ね歩いたりして
近頃地図の標高に凝っている。
今回登ったのは、
いわゆる「大阪五低山」といわれる山々なのだ。
でもね「山」と勝手に言ってるのではなくて、
ちゃんと国土地理院の地形図に
「山」として記載され、
標高表示のあるところなんですよ。
三角点は帝塚山と天保山にしかないけど、
地図上に「・」がうたれて
標高表示がされている「山」なんです。
書を捨てよ、山を歩こうと行ってみよう。
この五山を縦走する登山のアプローチは、
JR環状線「桃谷」駅から始まる。
さあ、アタック開始だ。
登山道は商店街の中に続いていた。
桃谷本通商店街。
しきりに「自転車は押して通ってください」
と山びこが鳴り響いているにもかかわらず、
怖いもの知らずのママチャリサイクリストが
我が物顔でツーリングしていく。
挙句に「チリン、チリン」と
自然のささやきを切り裂くように
ベルまで鳴らす始末である。
こんな登山道は早く抜けなくてはなるまい。
ようやく広い道に出た。
地面には歴史のみちであることを示す
こんな地層が・・・。
そんなアプローチの途中に、
こんな名勝がある。
「大阪府立農学校跡」。
この学校は
今の大阪府立大学農学部の前身だそうだ。
学生の頃、友達がそこで学んでいたので
一度訪ねたことがある。
ビーカーや三角フラスコが
いっぱい並んでいたことを覚えているが、
今思うとあの友達は
それから先の彼の行状から推察するに、
きっとアルコールを醸造していたに違いあるまいて。
生野警察署という山岳警備隊の
詰め所を過ぎるとすぐに最初のピーク
「御勝山」
が姿を見せた。
標高14mの幻の高峰だ。
なぜ幻かというと、ほらこの通り。
頑丈な柵に囲まれていて、
どうしても登山ルートがとれません。
未踏というわけではないが、
一般登山者には厳しすぎる自然ゆえ
近寄ることができません。
残念ながら、登頂は断念しましょう。
代わりにすぐ横にあった大渓谷に架かる
「歩道橋」と名付けられた巨大吊り橋に登り、
そこから写真をパチリ。
ん?何か石が写っているぞ。
ハテナと続く。