湿原に入ると、カエルの合唱が聞こえます。
こんなカエルの大合唱を聞くと、
あの萩の250キロで聞いた
暗闇の大合唱を思い出します。
これはハハコグサ、
これはゲンノショウコ、
そして・・・さて問題です。
この写真にザリガニは何匹写っているでしょうか。
数えきれないくらいいました。
どれもその辺にいたり、咲いているありふれた生き物群です。
天神崎の自然はとても素晴らしいのですが、
貴重な生き物があまり存在しないということで、
評価が低いということもあるようです。
さあ、寄り道はこれくらいにして、
熊野古道へと戻っていきましょう。
最後に、ここで見かけた花々を。
ハマダイコン、
ハマヒルガオ、
タツナミソウです。
季節が変わればどんな花が咲くのでしょうかねえ。
狭い切通しの道を抜けると、
街の中に入ってきます。
こんな標識に導かれて進んでいき、
やがて熊野古道に復帰します。
これは振り返って撮った写真。
右からくるのが県道210号、
熊野古道です。
そこに合流してすぐに、
あの田辺の3人の一人
「植草盛平」翁の生誕地がありました。
ちょうど案内石も設置中のようで、
写真を撮るために被いを取りたかったなあ。
そして県道から少し海の方に入ったところにある
ここが「潮垢離浜」舊(旧)跡です。
熊野詣の人々がここで海水で
身を清めたわけですね。
ではdoironも・・・いや、清めなくてもきれいです
これまで海沿いを来た熊野詣も
このあたりから山道へと入って行きますので、
この潮垢離浜あたりを
出立(でだち)浜と呼んでいたそうです。
いよいよ紀伊路の果てに来たということです。
再び県道に戻り
そこから汗をかきかき少し歩いたところにあるのが、
「ハンカチ王子」でも「ハニカミ王子」でもなく
その浜の名前を取った「出立王子」です。
若一王子社といわれた昔から、
兵乱、廃社などを経て今の姿になっています。
残っているものでいちばん古いのがこの石で、
「出立神社之址」と彫られています。
扁額の文字が、資料に載っているものと違います。
最近付け替えられたようです。
ここでは少し休憩しただけですぐに出発しました。
実はこの日はこのあと友達との
BBQが控えているので、急いでいたのでした。
出立王子を出て県道をさらに行くと、
会津橋に出ます。
これは「新会津橋」
ところでなぜ和歌山で「会津川」なんでしょう。
同じような疑問を持った人が
ネット上にもいて調べられているようですが、
結論は出ていないようです。
ただ幕末に会津藩士が
多く紀州に逃れてきたという事実はあるようです。
道は一本上流側の旧・会津橋を渡るのですが、
その北詰には昔の橋柱が残っているようです。
そして南詰にはこんな道標もあります。
ちょっと変わった丸い石の道標ですね。
「左くまの道 右わかやま山道」と書かれてあります。
と、その時ふとあることに気がついたのです。
古道歩きとは全く何の関係もないのですが
この橋の前後で横を通り抜けていくバイクが
ほとんど全部スーパーカブだったのです。
その後も見ていたら、
スーパーカブが圧倒的に多いようです。
そうやな5台のうち4台くらいはスーパーカブ。
なんかこの地域独特の流行でもあるのでしょうかねえ。
そういえば、和歌山の友達の
T本さんもスーパーカブに乗ってたなあ。
街道歩きをしていると
そんな地域の何でもないことが
気になってしまいます。
キョロキョロしながら道標に従って左の街道を進んでいきますと、
おお~、ここは気合の入ってる店ですねえ。
そしてこんな店がありました。
もう200年近く続いているという「辻の餅」。
残念ながらこの日はお休みのようでした。
そしてその先にあったのが「道分け石」です。
湯浅の本町道標にひけを取らない
立派な道標です。
そこには
「右きみゐ寺 左くまの道」
と書かれてありますが、
まっすぐ行くと道はなだらかだけど
遠回りの大辺路、
左に行くと道は険しいけれど
近道の中辺路と
道を分ける位置に建てられていることからこの名があります。
ということは、ここが紀伊路の終点ということですね。
とうとうここまでやってきました。
おかげで無事に田辺につきました。
この紀伊路最後の歩行に付き合ってくれた友達と
ここで固く握手。
ちょっとこみ上げるものがありました。
これからはしばらく期間をあけて、
次は中辺路を進んでいくことになるでしょう。
秋くらいからかな。
そうして熊野についたら
次はここから続きの大辺路も行きたいと思っています。
これは季節のいい時にテント担いで
バックパッキングでもいいかもなあ。
最後に、蟻を利用してほら貝に
糸を通して異国の人を感心させたという
そんな変わったいわれのある
「蟻通神社」
を訪ね写真をパチリ。
その後田辺の駅前の
弁慶像も眺め
観光案内所で、
中辺路の押印帳や各種パンフレットを大量に入手し、
友達とのBBQに参加すべく
大急ぎで帰路についたdoironなのでした。
淡々と進んできた紀伊路の最後の歩行
やれやれと終わり。