今回は、「伊万里 色絵 梅鳳凰文小皿(一対)」の紹介です。
これも、昭和60年に、東京で、前回紹介した「伊万里 色絵 花果実文輪花皿」を買ったお店で、同じ頃に買ったものです。
前回紹介した「伊万里 色絵 花果実文輪花皿」については、ボデーが寛文・延宝期の特徴を持つ造形で、絵付けが元禄ですから、ボデーと絵付けとの間に差があり、時代が一致しませんが、そのようなこともあり得るだろうと思い、「伊万里」として購入したわけです。
しかし、その「伊万里 色絵 花果実文輪花皿」は、伊万里写しの「大聖寺伊万里」の可能性が高いようです。
その点、この「伊万里 色絵 梅鳳凰文小皿(一対)」のほうは、ボデーはやはり寛文・延宝期の特徴を持つ造形で、絵付けがやはり元禄ですが、こちらは、ボデーの縁周りの陽刻が浅くて力強さに欠け、絵付けも繊細すぎて弱々しいですから、これは、伊万里にしても、明治に入るだろうと思ったところです。
私は、明治のものは、原則、コレクションの対象としていませんでしたから、「買うべきか、買うのを止めるべきか」について迷ったところですが、授業料のつもりで、参考品とするつもりで買うことにしたものです(~_~;)
表面(一対)
裏面(一対)
表面(代表の1枚)
裏面(代表の1枚)
生 産 地 : 伊万里・有田 (大聖寺伊万里の可能性あり)
製作年代: 明治時代
サ イ ズ: 口径;15.5cm 底径;6.8cm
<追記>
今年最後の紹介が、疑問を投げかけるものとなってしまいました(~_~;)
でも、文様は、真ん中に梅花があり、門口には門松のようなものも見られ、左下には見ようによっては竹笹とも思えるものも見られますので、全体としては松竹梅のお目出度い文様にも思えます。
更に、上空には鳳凰も舞っていますので、お目出度い文様には違いありません。
皆さん、どうぞ、このお目出度い文様に免じ、今年最後の紹介が不甲斐ないものになってしまいましたことをお許しください。
良いお年をお迎えください(^-^*)
================================================
<追記>(その2)(令和3年1月2日)
この小皿をインスタグラムで紹介したところ、越前屋平太さんから次のようなコメントが寄せられました。
「これは明治伊万里、有田焼だと思います。元禄の柿右衛門あたりを写した復古調の上手品ですね。」
それで、この小皿の生産地を、「伊万里・有田 (大聖寺伊万里の可能性あり)」ではなく、「伊万里・有田」と致します。
有田では、明治に入ってもこのような品を作っていたのですね。
私なら、陽刻ボデーにころっといかれてしまうこと間違いないのです(^^;
前回の皿は大聖寺ですか。
それなら、葉の緑釉も納得です(^.^)
ですので、有田で、明治に入ってもこのようなものを作っていたのかどうか分かりません(><) 私の想像です。
多分、これも大聖寺かもしれません。
前回の皿は、大聖寺でしょう。それなら、辻褄が合いますから。
私は、あまり疑いを持たず、感覚的に気に入ると買ってきてしまうところがあります。
それなものですから、ハズレる時もあります(><)
何年経っても授業料を払い続けているようなものです(__;)
陽刻の鋭さは古九谷様式の大きな特徴とはいえ、私なら今でも「あ、古九谷」と思ってしまいそうです。
絵柄や釉薬感、土、全体の雰囲気、そういったものを総合的判断できるようになるには
やはりドクターさんのように日々の研鑽が必要であることを痛感します。
努力を怠ると、進歩が止まり、何時の間にか、訳の分からない物に取り囲まれるようになってしまうんでしょうね。
また、研究を怠ると、何時の間にか取り残され、新しい考えについて行けなくもなってしまいますものね。