最近は土・日も祝日もまったく無関係の日々が延々と続いているアワレナ父であるが,先週の日曜日だけは一日まるまる仕事を休んだ。で,朝食を済ませたあとで子供らに,どこにお出掛けしたい? と希望を聞くと,アキラは小田原の「わんぱくランド」でアスレチック! 一方のタカシは,寒いところはヤだから「生命の森・地球博物館」がいい! とそれぞれ異なる答えが返ってきた。若干の意見調整を試みるも,いずれも自己の主張を頑としてゆずらない。
いつまでたっても話が一向にまとまりそうもないので,打開策として,じゃあアイス・スケート場にでも行こうか? と少々奇をてらった提案を行うと,二人とも即座に自説を捨て,にべもなく賛成した(やれやれ!)
行き場所に選んだのは愛甲郡愛川町の田代運動公園内スケート場である。そこはもともと屋外プールなのだが,冬場は急ごしらえのアイススケート場になる。立地が極めてローカルなため恐らく休日でもそれほど混雑することがなかろうし,屋外リンクで気持ちがよさそうだし、何しろ料金が安いし,父を除く家族3名はいずれもスケート未体験なものだから,初めはそんな場所くらいが適当かな,と思ったのだ。その付近は川の調査で過去に何度か訪れているので,スケート場の内部の様子は知らないけれども,周辺の地理は熟知している。
ちなみに父は,小学生の頃に住んでいた川崎市内の自宅から徒歩数分のすぐ近所にアイススケート場&ボーリング場があったものだから,昔はそれなりのスケート少年(&ボーリング少年)であった。しかし,その時代からはや幾星霜,およそ40年振りのスケートということになる。さて,上手く滑れますかどうか?
自宅から車で約1時間の行程。曇り空で,時おり風花が舞うような大変に寒い日だった。ちょうど昼頃に現地に到着すると,さっそく自販機でチケットを購入し,靴を借りて,各自それぞれに苦労しながら身支度を整える。そして準備が完了するや,勇ましくも雄々しくもリンクへと滑り出した。
50m×20mの長方形プールがそのままリンクになっている。最初,父はアキラの手をしっかりとつないで場内を一周することにした。しかし何しろアキラにとってはまったくの初体験である。マトモに直立することすら出来ない。足元がガクガクブルブルしてツルンツルン,すぐにバランスを崩して転びそうになる。そこをぐっと引きずり上げるようにして介助するが,アキラの方も必死であり,全体重を委ねて当方の体にしがみついたり足をつかんだりしてくるものだから,ともすれば共倒れになりそうになる。そんなアヤウイ状態で二度,三度とリンクを周回するうちに,それでも何とか少しずつ落ち着いてきて,立ち方くらいは会得してきたようだった。
ところで,母と一緒に滑っているタカシの方はどうかな?と場内をぐるり探してみれば,二人ともかなり頼りなさ気な様子で,滑るというよりもほとんどハンドレール・スウィーパー(手擦り掃除人)に徹しているようだった。楽しげに滑る家族連れや少年,少女たちに混じったその若干2名の姿は,実に覚束ない。
そこで次にはアキラを母にまかせ,タカシについて一緒に回ることにした。こちらもアキラと同じような感じで足元はヨロヨロモタモタしており,転びそうになると必死でしがみついてくる。しかも体重は約1.5倍(推定)あるものだから,父としても少々ツライ状況であった。それでも何とかひと回りしたが、当のタカシはかなり大儀そうで苦しそうな様子で,スケートを楽しんでいるようにはちっとも見えなかった(本人はスケートよりもスキーの方がいい,なんて言い訳めいたことをいっていたが)。
一息入れてから,アキラ・ママ・チームはその後どうなっているだろうかと眺めれば,なな何と,アキラときたら,いつまでたっても頼りにならないママを見切って一人だけでずんずん先へと滑っているではないか! いや,滑っている,とはお世辞にも言えない。必死の面持ちで氷の上をチョコマカチョコマカと歩いているのだ。それでも,決して周囲の壁に手をつけたりはせず,リンクの縁に沿ってチョコマカチョコマカと進んでいる。何度もよろけ,転んでは起きあがり,再びチョコマカと歩き出す。その姿を遠目で眺めながら不覚にも熱いものがジワリこみ上げてきた父は,傍らのタカシに向かって,キミも少しはアキラを見習ってガンバッテみなさい! と突き放すように言うと,彼をハンドレールに置き去りにした。
その後,みんなと少し距離をおきながら,けれどタカシやアキラの様子はそれとなく監視しながら一人で滑っていたのだが,そのうちアキラの方がコーナーを回るとき思いっ切り派手にスッテンコロリンした。左肩をしたたか強打したようだった。急いで近寄って後ろから抱え起こし,大丈夫かい? と聞くと,あれま,目に涙をいっぱいためて歯を食いしばっている。クククククーッ,チキショー!といった感じである。しかし,そのすぐ後には父を振りきるようにして再び一人だけで滑り出す(歩き出す)アキラなのであった。このド根性は一体どこから来るものなのか?
暫くするうちに,いいかげん疲れてきたタカシやママが,もうそろそろ終わりにしようか?と切り出しても,アキラだけは,まだまだ滑りたい!と頑強に言い張って滑り続けるものだから,結局,スケート場には都合3時間近く居ただろうか。帰りにモスバーガーにも寄ったし,アキラにとっては実に満足すべき一日であったようだ(ヨカッタヨカッタ)。
それにしても,アキラの「喜び」や「楽しみ」には多分に観念的ないし形而上的なものがある。それは余人にはなかなか窺い知ることが出来ない。かくしてアキラは《孤独への道》(Jacques Brel)をひたすら突き進む。最近になって,つくづくそんなことを感じる父であります。蛇足ながら,さる「右脳」関係サイトでアキラの性格診断を行ったところ,『最も現代的で,エリートのタイプです。分析型で記憶力もすぐれています。言葉で認識するタイプといえます。』と出た。ホンマカイナ?
いつまでたっても話が一向にまとまりそうもないので,打開策として,じゃあアイス・スケート場にでも行こうか? と少々奇をてらった提案を行うと,二人とも即座に自説を捨て,にべもなく賛成した(やれやれ!)
行き場所に選んだのは愛甲郡愛川町の田代運動公園内スケート場である。そこはもともと屋外プールなのだが,冬場は急ごしらえのアイススケート場になる。立地が極めてローカルなため恐らく休日でもそれほど混雑することがなかろうし,屋外リンクで気持ちがよさそうだし、何しろ料金が安いし,父を除く家族3名はいずれもスケート未体験なものだから,初めはそんな場所くらいが適当かな,と思ったのだ。その付近は川の調査で過去に何度か訪れているので,スケート場の内部の様子は知らないけれども,周辺の地理は熟知している。
ちなみに父は,小学生の頃に住んでいた川崎市内の自宅から徒歩数分のすぐ近所にアイススケート場&ボーリング場があったものだから,昔はそれなりのスケート少年(&ボーリング少年)であった。しかし,その時代からはや幾星霜,およそ40年振りのスケートということになる。さて,上手く滑れますかどうか?
自宅から車で約1時間の行程。曇り空で,時おり風花が舞うような大変に寒い日だった。ちょうど昼頃に現地に到着すると,さっそく自販機でチケットを購入し,靴を借りて,各自それぞれに苦労しながら身支度を整える。そして準備が完了するや,勇ましくも雄々しくもリンクへと滑り出した。
50m×20mの長方形プールがそのままリンクになっている。最初,父はアキラの手をしっかりとつないで場内を一周することにした。しかし何しろアキラにとってはまったくの初体験である。マトモに直立することすら出来ない。足元がガクガクブルブルしてツルンツルン,すぐにバランスを崩して転びそうになる。そこをぐっと引きずり上げるようにして介助するが,アキラの方も必死であり,全体重を委ねて当方の体にしがみついたり足をつかんだりしてくるものだから,ともすれば共倒れになりそうになる。そんなアヤウイ状態で二度,三度とリンクを周回するうちに,それでも何とか少しずつ落ち着いてきて,立ち方くらいは会得してきたようだった。
ところで,母と一緒に滑っているタカシの方はどうかな?と場内をぐるり探してみれば,二人ともかなり頼りなさ気な様子で,滑るというよりもほとんどハンドレール・スウィーパー(手擦り掃除人)に徹しているようだった。楽しげに滑る家族連れや少年,少女たちに混じったその若干2名の姿は,実に覚束ない。
そこで次にはアキラを母にまかせ,タカシについて一緒に回ることにした。こちらもアキラと同じような感じで足元はヨロヨロモタモタしており,転びそうになると必死でしがみついてくる。しかも体重は約1.5倍(推定)あるものだから,父としても少々ツライ状況であった。それでも何とかひと回りしたが、当のタカシはかなり大儀そうで苦しそうな様子で,スケートを楽しんでいるようにはちっとも見えなかった(本人はスケートよりもスキーの方がいい,なんて言い訳めいたことをいっていたが)。
一息入れてから,アキラ・ママ・チームはその後どうなっているだろうかと眺めれば,なな何と,アキラときたら,いつまでたっても頼りにならないママを見切って一人だけでずんずん先へと滑っているではないか! いや,滑っている,とはお世辞にも言えない。必死の面持ちで氷の上をチョコマカチョコマカと歩いているのだ。それでも,決して周囲の壁に手をつけたりはせず,リンクの縁に沿ってチョコマカチョコマカと進んでいる。何度もよろけ,転んでは起きあがり,再びチョコマカと歩き出す。その姿を遠目で眺めながら不覚にも熱いものがジワリこみ上げてきた父は,傍らのタカシに向かって,キミも少しはアキラを見習ってガンバッテみなさい! と突き放すように言うと,彼をハンドレールに置き去りにした。
その後,みんなと少し距離をおきながら,けれどタカシやアキラの様子はそれとなく監視しながら一人で滑っていたのだが,そのうちアキラの方がコーナーを回るとき思いっ切り派手にスッテンコロリンした。左肩をしたたか強打したようだった。急いで近寄って後ろから抱え起こし,大丈夫かい? と聞くと,あれま,目に涙をいっぱいためて歯を食いしばっている。クククククーッ,チキショー!といった感じである。しかし,そのすぐ後には父を振りきるようにして再び一人だけで滑り出す(歩き出す)アキラなのであった。このド根性は一体どこから来るものなのか?
暫くするうちに,いいかげん疲れてきたタカシやママが,もうそろそろ終わりにしようか?と切り出しても,アキラだけは,まだまだ滑りたい!と頑強に言い張って滑り続けるものだから,結局,スケート場には都合3時間近く居ただろうか。帰りにモスバーガーにも寄ったし,アキラにとっては実に満足すべき一日であったようだ(ヨカッタヨカッタ)。
それにしても,アキラの「喜び」や「楽しみ」には多分に観念的ないし形而上的なものがある。それは余人にはなかなか窺い知ることが出来ない。かくしてアキラは《孤独への道》(Jacques Brel)をひたすら突き進む。最近になって,つくづくそんなことを感じる父であります。蛇足ながら,さる「右脳」関係サイトでアキラの性格診断を行ったところ,『最も現代的で,エリートのタイプです。分析型で記憶力もすぐれています。言葉で認識するタイプといえます。』と出た。ホンマカイナ?