お盆のなかで 15km/day

　毎日，自転車で15km走ることにしている。いや，別に厳密なノルマとしてではなく，平日でもだいたい15km，出来れば20kmは走るようにしたいナ，程度に心懸けている。そして週末には1日50～60kmくらい，100kmに少しでも近づけばOK牧場！　そんな感じのアバウトでつましい自転車人生を過ごしています。

　ただし当方，何分にも盆地生活者であるがゆえの地理的・地形的制約から，自転車での行き先が盆地内部（お盆の底）にとどまるか，盆地辺縁部（お盆の内輪面）に向かうか，あるいは盆地外部（お盆の外）に出るかによって，同じ15kmでも仕事量（ジュール）はまったく異なってくる。また，お盆の内輪面についても，北方（丹沢表尾根～東丹沢一帯）にゆくか，南方（渋沢丘陵～大磯丘陵）にゆくかによっても，これまた高度差はかなり違ってくる。

　例えば，拙宅の北西約1.5kmのところに「羽根林道」の入口があり，この林道は表丹沢の著名な展望地である「菜ノ花台」方面へと通じているのだが，林道の諸元は距離3.1km，高度差330m（標高190m→520m），平均斜度勾配10.6％ということなので，当方の自宅（標高140m）から羽根林道を経由して菜ノ花台（標高550m）まで約5kmを走るとなれば，これはかなりのワット数を放出せざるを得ない。一方，同じ5kmでも盆地の南東方向に通じる県道62号平塚秦野線を金目川に沿って走り下ってゆけば高度差は90m（140m→50m）で，こちらはスイスイの高速ライディングである。さてさて，我が《巡礼の道》に苦しみを求めるか安住を求めるか，ヨハン・アウグスト・ストリンドベリの箴言はさておいて，ワタクシの場合どちらを選択するかはすべてその日その場の気分次第，気象次第ということになる。

　それでもしかし，どの道を選ぶにしろ何処にゆくにしろ，1日に15kmというのは現在の私にとって一つのノルマnorma，ではなかった，カルマkarmaなのであります。いわゆるgeographe de la vieille ecole ってぇ奴をいまだに引き摺っている訳であって，別の言い方をすれば，内容よりも形式，歴史（時間）よりも地理（空間）に拘っているといってもよい。マッタクモッテ因果な性分でして。。。

　ちなみに，この15kmという数値は，約半世紀近くもの昔ムカシの経験を拠り所としている。すなわち私が7才の頃，当時住んでいた東京都目黒区内の自宅から多摩川（二子玉川園付近）まで貸し自転車に乗って出掛けたことがあって，そのときの往復の距離が，ずっと後になって計測してみると約15kmだったのだ。

　んで，多摩川に何をしに行ったかって？　川遊びに決まってるでしょ！