恐らくどこの子供もそうなんだろうが,アキラはゴロンゴロンするのが大好きだ。畳の部屋でゴロンゴロン,板の間でゴロンゴロン,布団の上でゴロンゴロン,外の芝生でゴロンゴロン,道路でだってゴロンゴロン。
ここ最近,夕方近くになると父は決まって元気がなくなってしまう。で,仕事を一段落させたのち居間の床にゴロンと横になって背伸び運動などを行う。歪んだ脊椎,とりわけ頚椎の伸展である。10年ほど前,さる整形外科の先生に『C3とC4の間にinstabilityを認む』と診断されたことがあるが,昨今では,デルマトームのお人形さんと照らし合わせるとむしろC7あたりが具合悪いようだ。左手人差し指の先っぽがシビレてしょうがない。ブツブツ。
と,アキラがどこからともなく寝転んでいる父の元に近寄ってきて,すぐ脇でいっしょにゴロンと横になる。そして,「えへん,手マクラ!」などと言いながら,父の伸ばした腕に頭をのせる。そして腕の上をゴロゴロ転がったりする。これは父にとっては大変に気持ちがいい。ああいい気持ちだ! などと言おうものなら,アキラは調子に乗って,続いて父のお腹の上やら胸の上やらでゴロンゴロンし始める。これは少々つらい。
ところで,一昨日は父の誕生日であったのだが(はて何回目だったか?),昼間,タカシが父に向かって「プレゼントは何がいい?」などと訊ねた。そうだなぁ,寝ころがっているときに腕を引っ張ってもらうの100回。「うん,いいよ。アキラも一緒にね。ね,アキラ?」
アキラも「いいよー」と快い返事をする。あーうれしいなー,と父は大袈裟に喜ぶ。もっとも,アキラの“約束”ってやつは守られたためしがないんだけれどね。本当はゴロンゴロンしてくれるだけでオトウサンは十分にうれしいよ。
ここ最近,夕方近くになると父は決まって元気がなくなってしまう。で,仕事を一段落させたのち居間の床にゴロンと横になって背伸び運動などを行う。歪んだ脊椎,とりわけ頚椎の伸展である。10年ほど前,さる整形外科の先生に『C3とC4の間にinstabilityを認む』と診断されたことがあるが,昨今では,デルマトームのお人形さんと照らし合わせるとむしろC7あたりが具合悪いようだ。左手人差し指の先っぽがシビレてしょうがない。ブツブツ。
と,アキラがどこからともなく寝転んでいる父の元に近寄ってきて,すぐ脇でいっしょにゴロンと横になる。そして,「えへん,手マクラ!」などと言いながら,父の伸ばした腕に頭をのせる。そして腕の上をゴロゴロ転がったりする。これは父にとっては大変に気持ちがいい。ああいい気持ちだ! などと言おうものなら,アキラは調子に乗って,続いて父のお腹の上やら胸の上やらでゴロンゴロンし始める。これは少々つらい。
ところで,一昨日は父の誕生日であったのだが(はて何回目だったか?),昼間,タカシが父に向かって「プレゼントは何がいい?」などと訊ねた。そうだなぁ,寝ころがっているときに腕を引っ張ってもらうの100回。「うん,いいよ。アキラも一緒にね。ね,アキラ?」
アキラも「いいよー」と快い返事をする。あーうれしいなー,と父は大袈裟に喜ぶ。もっとも,アキラの“約束”ってやつは守られたためしがないんだけれどね。本当はゴロンゴロンしてくれるだけでオトウサンは十分にうれしいよ。