南朝鮮が滅びる(K国が無くなる)、いう数字を隠し持つ2SK79使用のアンプ。今回はミニアンプ仕立てですが、今までの東京試聴会でも鳴らしたことがありますし、僕の部屋で聴いた読者も数人います。ただ、僕の部屋で鳴らした時は古い基板で、音量を上げるとビーと発振しました→2011年 自作アンプの完成。
発振した理由はよく分からなかったので、新しく基板を作り直して、東京の試聴会で鳴らしました。NFB抵抗に並列に挿入してある33p(ピコ)を100pにして発振はなくなりました。でも、これは誤解があったのです。
というのも、発振した古い基板を数年放置していたのですが、今回のミニアンプ用基板作成でパターンを確認するために、久し振りに手にしてみました。そうしたら、裏返した瞬間、パーツに触れた指に何かが外れる感触があります。先のNFB抵抗と33pがイモハンダだったのです。見た目では全く分かりません。精密なスイッチのように、表から力を加えるとカチッと外れる。ミニスコープで拡大して見ても分かったかどうか?

発振した基板とイモハンダのセラミックコンデンサ
基板中央、緑の半固定の右横の2SK79の足が黒くなっている
これが銀マイグレーション

イモハンダの部分

イモハンダが分かりやすいように接点を離してみた
この33pのイモハンダは、鉛フリーハンダを使ったのが原因です。鉛害が過剰に広報されて鉛入りのハンダは駆逐されつつあります。しかし、鉛入りのハンダは融点が低く、熱に弱いパーツには優しいのです。鉛入りのハンダは音が悪いという人もいますが、名機HMA-9500Ⅱなんか鉛ハンダがドバーと使われています。
鉛フリーハンダは融点が高く、熱に弱いパーツの負担になる。また、融点が高い欠点は、隣のハンダ面との接触がイモになる。古い基板のイモハンダは、この隣との境目で起こっています。鉛ハンダだと隣もすぐに溶けて混ざり合うのですが、鉛フリーハンダだと境界で溶融しないからクラックが起こります。
オーディオ用に銀入りハンダというものもありますが、銀入りハンダは鉛フリーハンダに輪をかけて融点が高い。僕はパーツを熱でダメにするのが怖いから使ったことがありません。さらに、銀入りハンダは銀の硫化(錆)という恐ろしい欠陥があるのです。
2SK79はオーディオ用として開発され、足が銀メッキされています。銀は銅よりも電気抵抗が小さく、それがオーディオ用に良いとする考えがあるのです。しかし、銀は空気中の硫黄に反応して錆びます。車の排出ガスが最大の硫黄排出源ですが、硫黄臭い温泉の湯気でも銀は黒くなります。銀のアクセサリーをして温泉に入ると銀が黒くなる。この硫化銀(Ag2S)が、電圧の影響で芯に入り込むのが銀マイグレーション。
銀マイグレーションは電気を流すと起こるもので、保管してあるパーツでは起こらない現象です。
銀メッキされたトランジスタやFETの足が銀マイグレーションで黒くなると、足の表面だけでなく芯の銅も腐食してきます。腐食した銅が電気抵抗の塊になる。すると、導体と絶縁物質で成り立つ半導体と同じになるのです。突然電流が流れたり、強烈なノイズを発するようになる。
こうなると、黒くなった表面を磨いただけではダメで、中の腐食した芯も削らなければなりません。不幸なことに、30年前のトランジスタやFETの多くが銀メッキだったので、メーカー製のアンプの大半が銀マイグレーションを起こしています。
2SK79の銀マイグレーションを防ぐには、基板に取り付けた後で、面倒でも足の一本一本にコーティングするしかありません。マニュキアの透明なトップコートが良いと思います。チューブを被せたたせけではダメですね。
また、ペアで使うFETなどは、ハンダ吸い取り線の使い古しで鉢巻をすれば、二つのFETの熱結合が行われて動作が安定します。100Ωの半固定抵抗を回して行うゼロボルト調整が楽になります。2SJ74のペアなら、最初からペアになっていて、アルミのケースに入っている2SJ75(中身は選別された2SJ74)が使い良いかもしれません。
ということで、くれぐれもイモハンダには注意。
参考 2SC系のトランジスタは古くなると劣化するものなのでしょうか?
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1391125553
エフライム工房 平御幸
発振した理由はよく分からなかったので、新しく基板を作り直して、東京の試聴会で鳴らしました。NFB抵抗に並列に挿入してある33p(ピコ)を100pにして発振はなくなりました。でも、これは誤解があったのです。
というのも、発振した古い基板を数年放置していたのですが、今回のミニアンプ用基板作成でパターンを確認するために、久し振りに手にしてみました。そうしたら、裏返した瞬間、パーツに触れた指に何かが外れる感触があります。先のNFB抵抗と33pがイモハンダだったのです。見た目では全く分かりません。精密なスイッチのように、表から力を加えるとカチッと外れる。ミニスコープで拡大して見ても分かったかどうか?

発振した基板とイモハンダのセラミックコンデンサ
基板中央、緑の半固定の右横の2SK79の足が黒くなっている
これが銀マイグレーション

イモハンダの部分

イモハンダが分かりやすいように接点を離してみた
この33pのイモハンダは、鉛フリーハンダを使ったのが原因です。鉛害が過剰に広報されて鉛入りのハンダは駆逐されつつあります。しかし、鉛入りのハンダは融点が低く、熱に弱いパーツには優しいのです。鉛入りのハンダは音が悪いという人もいますが、名機HMA-9500Ⅱなんか鉛ハンダがドバーと使われています。
鉛フリーハンダは融点が高く、熱に弱いパーツの負担になる。また、融点が高い欠点は、隣のハンダ面との接触がイモになる。古い基板のイモハンダは、この隣との境目で起こっています。鉛ハンダだと隣もすぐに溶けて混ざり合うのですが、鉛フリーハンダだと境界で溶融しないからクラックが起こります。
オーディオ用に銀入りハンダというものもありますが、銀入りハンダは鉛フリーハンダに輪をかけて融点が高い。僕はパーツを熱でダメにするのが怖いから使ったことがありません。さらに、銀入りハンダは銀の硫化(錆)という恐ろしい欠陥があるのです。
2SK79はオーディオ用として開発され、足が銀メッキされています。銀は銅よりも電気抵抗が小さく、それがオーディオ用に良いとする考えがあるのです。しかし、銀は空気中の硫黄に反応して錆びます。車の排出ガスが最大の硫黄排出源ですが、硫黄臭い温泉の湯気でも銀は黒くなります。銀のアクセサリーをして温泉に入ると銀が黒くなる。この硫化銀(Ag2S)が、電圧の影響で芯に入り込むのが銀マイグレーション。
銀マイグレーションは電気を流すと起こるもので、保管してあるパーツでは起こらない現象です。
銀メッキされたトランジスタやFETの足が銀マイグレーションで黒くなると、足の表面だけでなく芯の銅も腐食してきます。腐食した銅が電気抵抗の塊になる。すると、導体と絶縁物質で成り立つ半導体と同じになるのです。突然電流が流れたり、強烈なノイズを発するようになる。
こうなると、黒くなった表面を磨いただけではダメで、中の腐食した芯も削らなければなりません。不幸なことに、30年前のトランジスタやFETの多くが銀メッキだったので、メーカー製のアンプの大半が銀マイグレーションを起こしています。
2SK79の銀マイグレーションを防ぐには、基板に取り付けた後で、面倒でも足の一本一本にコーティングするしかありません。マニュキアの透明なトップコートが良いと思います。チューブを被せたたせけではダメですね。
また、ペアで使うFETなどは、ハンダ吸い取り線の使い古しで鉢巻をすれば、二つのFETの熱結合が行われて動作が安定します。100Ωの半固定抵抗を回して行うゼロボルト調整が楽になります。2SJ74のペアなら、最初からペアになっていて、アルミのケースに入っている2SJ75(中身は選別された2SJ74)が使い良いかもしれません。
ということで、くれぐれもイモハンダには注意。
参考 2SC系のトランジスタは古くなると劣化するものなのでしょうか?
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1391125553
エフライム工房 平御幸