額縁を購入して一番困るのは台紙ですが、額縁屋の取り扱う台紙は色がどぎつくて使えません。絵とはマッチングが全く取れない。何であんな色にするのかと疑問になりますが、ないなら作れで自作の方法を教えます。
右から胡粉に少量の黄土と泥白群緑(紺色裏)、泥白群緑(紺色裏)、胡粉に少量の黄土と泥白群緑(紅梅裏)
まず、台紙に適した和紙を選びます。僕がコスモスでやっているような、裏紙が透けて見える効果には薄美濃紙が最適です。裏紙が透けて見えないほうが良ければ、雲肌麻紙とかの厚手を使います。僕は下の色が透けてくる色の重ねで、台紙と裏紙の重なった微妙さが好きです。
泥白群緑の台紙と裏に使う和紙 左・紺 右・紅梅
ハンズのものだと60センチ幅なので二つ折りにすると額の幅となる
どちらも、滲まないようにミョウバンと膠を混ぜたドーサを塗ったドーサ引きが良いですが、意図的に滲ませるためにドーサを施さない使い方もあります。ただし、顔料が紙の上に留まらずに駄々漏れ状態になるので、顔料が何倍も必要になります。また、和紙は繊維が見えているざらついたほうが裏ですが、意図的なムラを作るために敢えて裏側に塗ることもあります。
A 和紙のカット
台紙は大きなものを作ってからカットする方法と、カットしてから塗る方法があります。大きなものはパネルに水張りして、シワが生じないようにするときに便利。僕は意図的に塗り斑を作る主義なのでカットしてから塗っています。
カットする台ですが、ホームセンターで売っているマイタイルが便利です。裏がラバーで、カッターの刃を用いるときはラバー面に和紙を置きます。塗るときは逆に表を使います。起毛が紙を持ち上げるので、滲んだりベッタリと下に癒着することがありません。汚れても洗えますし。僕はアンプ修理用に買い置きしたのを用いました。パネル面を傷つけないように用意したものです。
マイタイルと左・膠と乳鉢の胡粉、右・黄土や胡粉
B 使用する材料
単純にグリーン一色で仕上げるときは、泥白群録や緑瑪瑙(渋谷ウエマツ)がお薦め。天然でも格安で、薄く使うと裏紙との効果が抜群。色々と混ぜるときは、白群録、黄口裏葉、白翠末、水晶末、薄水色(世界堂 瓶入り)、などを混ぜます。水晶は増量したいときに便利。混色すると、粒子の大きさや比重でムラができるので面白いですが、二度と同じものが作れないのが難点。
その他に、膠や胡粉などはネットで探せば簡単に使い方がわかります。また、黄土は渋い敦煌黄土が好きですが、胡粉も黄土も乳鉢で磨り潰す必要があります。膠の分量は慣れですが、ネリネリして水で溶いて、薄く伸ばすときに膠を足すのがコツです。刷毛は適当に使いやすいもの。絵皿も刷毛より一回り大きいサイズは必要です。
C 塗る
塗るときは、絵で塞がる部分は後回しで、四方の見える部分優先で塗っていきます。溜まりを作ったり斑を作ったりのケンチャナヨ精神で、あまり細かいことに気を使わないのがコツ。台紙だけ見てダメでも、額縁に入れて裏紙で深みを出すとよく見えてきます。経験的に、少し明るめに作ったほうが合いますね。
顔料は、白番が一番細かく、数字が小さくなると粒子が荒くなります。荒い粒子の顔料は伸びないので塗れる面積は小さくなります。僕は13番から10番までの細かいものばかり使っていますが、台紙の時は更に細かいのを選択しています。
乾燥させるときも、毛布などの下に空気層がある方が乾きが早く、先のマイタイルはこの点でも便利です。日本画で大きな紙にドーサを引く場合は古い毛布を使いますね。
なお、コスモス2号の配布についてSNSの方では書いていたのですが、台紙はコストが嵩むので1000円アップです。それでも製作時間を考えると赤字提供です。クロネコヤマト着払いの送り状はないので、送料分も追加してください。今回は最後まで残った真央ファンのための赤字配布で、次からは適正価格で3倍となりますのでお早めに。
エフライム工房 平御幸
右から胡粉に少量の黄土と泥白群緑(紺色裏)、泥白群緑(紺色裏)、胡粉に少量の黄土と泥白群緑(紅梅裏)
まず、台紙に適した和紙を選びます。僕がコスモスでやっているような、裏紙が透けて見える効果には薄美濃紙が最適です。裏紙が透けて見えないほうが良ければ、雲肌麻紙とかの厚手を使います。僕は下の色が透けてくる色の重ねで、台紙と裏紙の重なった微妙さが好きです。
泥白群緑の台紙と裏に使う和紙 左・紺 右・紅梅
ハンズのものだと60センチ幅なので二つ折りにすると額の幅となる
どちらも、滲まないようにミョウバンと膠を混ぜたドーサを塗ったドーサ引きが良いですが、意図的に滲ませるためにドーサを施さない使い方もあります。ただし、顔料が紙の上に留まらずに駄々漏れ状態になるので、顔料が何倍も必要になります。また、和紙は繊維が見えているざらついたほうが裏ですが、意図的なムラを作るために敢えて裏側に塗ることもあります。
A 和紙のカット
台紙は大きなものを作ってからカットする方法と、カットしてから塗る方法があります。大きなものはパネルに水張りして、シワが生じないようにするときに便利。僕は意図的に塗り斑を作る主義なのでカットしてから塗っています。
カットする台ですが、ホームセンターで売っているマイタイルが便利です。裏がラバーで、カッターの刃を用いるときはラバー面に和紙を置きます。塗るときは逆に表を使います。起毛が紙を持ち上げるので、滲んだりベッタリと下に癒着することがありません。汚れても洗えますし。僕はアンプ修理用に買い置きしたのを用いました。パネル面を傷つけないように用意したものです。
マイタイルと左・膠と乳鉢の胡粉、右・黄土や胡粉
B 使用する材料
単純にグリーン一色で仕上げるときは、泥白群録や緑瑪瑙(渋谷ウエマツ)がお薦め。天然でも格安で、薄く使うと裏紙との効果が抜群。色々と混ぜるときは、白群録、黄口裏葉、白翠末、水晶末、薄水色(世界堂 瓶入り)、などを混ぜます。水晶は増量したいときに便利。混色すると、粒子の大きさや比重でムラができるので面白いですが、二度と同じものが作れないのが難点。
その他に、膠や胡粉などはネットで探せば簡単に使い方がわかります。また、黄土は渋い敦煌黄土が好きですが、胡粉も黄土も乳鉢で磨り潰す必要があります。膠の分量は慣れですが、ネリネリして水で溶いて、薄く伸ばすときに膠を足すのがコツです。刷毛は適当に使いやすいもの。絵皿も刷毛より一回り大きいサイズは必要です。
C 塗る
塗るときは、絵で塞がる部分は後回しで、四方の見える部分優先で塗っていきます。溜まりを作ったり斑を作ったりのケンチャナヨ精神で、あまり細かいことに気を使わないのがコツ。台紙だけ見てダメでも、額縁に入れて裏紙で深みを出すとよく見えてきます。経験的に、少し明るめに作ったほうが合いますね。
顔料は、白番が一番細かく、数字が小さくなると粒子が荒くなります。荒い粒子の顔料は伸びないので塗れる面積は小さくなります。僕は13番から10番までの細かいものばかり使っていますが、台紙の時は更に細かいのを選択しています。
乾燥させるときも、毛布などの下に空気層がある方が乾きが早く、先のマイタイルはこの点でも便利です。日本画で大きな紙にドーサを引く場合は古い毛布を使いますね。
なお、コスモス2号の配布についてSNSの方では書いていたのですが、台紙はコストが嵩むので1000円アップです。それでも製作時間を考えると赤字提供です。クロネコヤマト着払いの送り状はないので、送料分も追加してください。今回は最後まで残った真央ファンのための赤字配布で、次からは適正価格で3倍となりますのでお早めに。
エフライム工房 平御幸
台紙の作り方を教えていただき、ありがとうございます。
顔料を扱ったことがないので緊張しますが、週末に画材屋さんで和紙と顔料を選んでみます!
ドーサ引きの和紙は保存状態が悪いとドーサが抜けている場合があるので、表面が湿気っていないものを選ぶ必要があります。
逆に、斜めから見てミョーバンが表面に浮いてピカピカ光るものはミョーバンの濃度が濃過ぎて、顔料を弾いてしまうことがあります。少し光る程度なら大丈夫。
大変な製作ありがとうございますm(_ _)m
紺色と紅梅の濃い色が透けて見えて、違う色に見えます。
台紙の、きれいで、繊細な色を出すのはすごいと思いました、、
和紙の説明、ありがとうございます。
明日、画材屋さんに行ってきます。
和紙はドーサ引きのものを選ぼうと思います。
その他顔料などについてよく分からなかったのですが、扱い方のサイトなどありましたので参考にします。
膠(にかわ)を煮る↓
http://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/newcon/news/2009/033003/index.html
胡粉を溶く↓
http://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/newcon/news/2009/033004/index.html
刷毛を使った平塗↓
http://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/newcon/news/2009/040101/index.html
膠が顔料を和紙に接着させるもので、胡粉は白い絵の具だと分かっていませんでしたorz
せっかくなので、先生に教えて頂いたものを参考に購入して、色を混ぜてみたいと思います(^^)
記事とコメントでご紹介くださったサイト等参考にさせていただきます。ありがとうございます。
画材屋さんに行くなんてちょっとワクワクします。
4月16日にトウカイトリックが急逝しました。海難事故と同じ日で愕然としました。トウカイ(東海)トリック(欺く)かと思ってしまいました…
重ねで言えば、紺裏に白は葉菊(はぎく)という四季色目ですね。僕が考えるようなことは先人が既にやっています orz
紅梅裏に白は雪の下。名前の付け方も絶妙です。
スイカさん今晩は。
そのサイトで使う膠の三千本は生産中止で勧められません。ジャムの瓶と粒膠が使いやすい。
それから、膠は溶ければ良いので煮るというのも間違い。水を吸って膨れたら、お湯に浸ける程度でオケ。膠専用のスプーンも錆びやすいから特に必要なし。
顔料を溶く過程で、水を注すのではなく、手に顔料が付着した状態で水を掬う。こうすれば手に着いた顔料も無駄になりません。
ふくさん今晩は。
トウカイトリックも災難でしたね。転覆した船は世超という造語らしく、鮮人がヨセフを超えるなどもっての外です。
分かりました。
教えてくださり、ありがとうございます。