ハンズの板の切り間違いから発生したパニック状態。板の過不足の確認から始まり、切り間違いの発生しない新しい板取りの設計と発注、新しい端子の発注、その他の問題点の整理と対策方法の伝授、と修羅場が続いています。工作担当の読者と古代史CDの申し込み以外は、メールの返事は出来ませんから、悪しからずお願いします。何度も書いていますが、コメントで済むものはコメントでお願いします。
今年に入って、ミカエル 華、蔵王ホルン(ザ・王・ホルン、別名羊ホルン)、ファ・ゴッドと立て続けに設計していますが、CADシステムを使っているわけでもなく、Illustratorを使った手作業なので物凄く大変です。Illustratorを使ったことのない読者には分からないだろうから、ちょっと説明しておきます。
下の図は、ミカエルの音道図として作ったもので、今から見ると随分とアバウトな設計になっています。小さい図では分かりませんが、底板と二段目の繋ぎ部分を6400%に拡大した2番目の図では、ゲッと驚くほどズレて見えます。まあ、6400%の拡大は異常なんですけど、ここまで拡大して修正しないと、小さくした時にズレが分かってしまうのです。
3番目の図は、この拡大した線を加工するために選択ツールで青い枠線を出したものです。青い枠線間が1ポイントで、線自体は2ポイントの太さです。なぜ2ポイントの線にするのかというと、4番目の図のようにピッタリ重ねることができるからです。もっとも、分かりやすいようにわざと上下左右をずらしていますが、本当はピッタリと重ねることができるのです。
このように2ポイントの線を重ねるには、内側の青い枠線がちょうど真ん中に来るようにマウスを動かす必要があります。この内側の青い線が、微妙なズレを修正するのに物凄く役に立つのです。だから、僕は独学なので他の人はどうか知りませんが、2ポイントの線がスピーカー設計には最良なのです。
このように、線と線が接したり重なったりする全ての部分で、いちいち6400%に拡大して仕事をするわけです。ミカエルだと25ヶ所以上ですから、ミカエルの場合にはめげて、ズレたままで放置していました。ところが、最近のは手抜きがありません。板取りに難しい物が多く、ズレたままでは板取りに影響するからです。
その他、点線は線ツールでアバウトな線を引いて、高さをゼロにした上で、線幅や点線や色の指定をします。これを回転させれば縦の点線になります。板取りの基本線は、ArcSoft PhotoStudio 2000というソフトで升目を描きます。これをPNGで保存。
Illustratorの配置を使って、保存した升目の図を呼び出して配置し、これに円や四角を描き加えます。寸法などは文字ツールで行いますが、Illustratorの良い所は、オブジェクトや文字を縮小してもボケないことです。Jpg画像も、普通のソフトで縮小するとボケますが、Illustratorで呼び出して縮小すればボケは小さくなります。
出来上がった設計図や板取りは、データ書き出しで変換して置きます。Illustrator形式での保存とは別です。Illustratorで保存するときは、配置した画像をリンクとして、同じ場所に保存するようにします。そうしないと、配置した板取りの線がなくて文字ばかりという悲惨なことに。保存するときは「配置した画像も含む」を選択して保存してください。また、クラッシュが恐いので頻繁に保存し、できればバージョンごとに名前を変えて保存します。
配置した図に間違いがあった場合は、PhotoStudio 2000で描き直し、新規作成の画面で配置しなおし、前の仕事からIllustratorのアートワークだけをコピーして貼り付けます。これが出来たら設計は一人前。Illustratorは1ポイント1mmで設計できるのが魅力で、巨大なものはデータが大きくなるので画像で出力するときは縮小するか、解像度を下げる必要があります。その他、カラー文字の色のコピーも覚えれば便利です。
右の選択されている矩形は40×89ポイントで、これが40mm×89mmの矩形として描かれる
このようにして出来た前回のファ・ゴッドですが、実は一点だけ修正したいところがあります。それは音道ではなく外観なのですが、ではその修正したいところは何処か?現状でもバランスは取れているのですが、ほんの少しだけ修正したほうが良いかもしれないというところがあります。分かった人には鮎焼きにあゆコロ饅頭を追加ですね。
ファ・ゴッド 2ウェイ版
エフライム工房 平御幸
今年に入って、ミカエル 華、蔵王ホルン(ザ・王・ホルン、別名羊ホルン)、ファ・ゴッドと立て続けに設計していますが、CADシステムを使っているわけでもなく、Illustratorを使った手作業なので物凄く大変です。Illustratorを使ったことのない読者には分からないだろうから、ちょっと説明しておきます。
下の図は、ミカエルの音道図として作ったもので、今から見ると随分とアバウトな設計になっています。小さい図では分かりませんが、底板と二段目の繋ぎ部分を6400%に拡大した2番目の図では、ゲッと驚くほどズレて見えます。まあ、6400%の拡大は異常なんですけど、ここまで拡大して修正しないと、小さくした時にズレが分かってしまうのです。
3番目の図は、この拡大した線を加工するために選択ツールで青い枠線を出したものです。青い枠線間が1ポイントで、線自体は2ポイントの太さです。なぜ2ポイントの線にするのかというと、4番目の図のようにピッタリ重ねることができるからです。もっとも、分かりやすいようにわざと上下左右をずらしていますが、本当はピッタリと重ねることができるのです。
このように2ポイントの線を重ねるには、内側の青い枠線がちょうど真ん中に来るようにマウスを動かす必要があります。この内側の青い線が、微妙なズレを修正するのに物凄く役に立つのです。だから、僕は独学なので他の人はどうか知りませんが、2ポイントの線がスピーカー設計には最良なのです。
このように、線と線が接したり重なったりする全ての部分で、いちいち6400%に拡大して仕事をするわけです。ミカエルだと25ヶ所以上ですから、ミカエルの場合にはめげて、ズレたままで放置していました。ところが、最近のは手抜きがありません。板取りに難しい物が多く、ズレたままでは板取りに影響するからです。
その他、点線は線ツールでアバウトな線を引いて、高さをゼロにした上で、線幅や点線や色の指定をします。これを回転させれば縦の点線になります。板取りの基本線は、ArcSoft PhotoStudio 2000というソフトで升目を描きます。これをPNGで保存。
Illustratorの配置を使って、保存した升目の図を呼び出して配置し、これに円や四角を描き加えます。寸法などは文字ツールで行いますが、Illustratorの良い所は、オブジェクトや文字を縮小してもボケないことです。Jpg画像も、普通のソフトで縮小するとボケますが、Illustratorで呼び出して縮小すればボケは小さくなります。
出来上がった設計図や板取りは、データ書き出しで変換して置きます。Illustrator形式での保存とは別です。Illustratorで保存するときは、配置した画像をリンクとして、同じ場所に保存するようにします。そうしないと、配置した板取りの線がなくて文字ばかりという悲惨なことに。保存するときは「配置した画像も含む」を選択して保存してください。また、クラッシュが恐いので頻繁に保存し、できればバージョンごとに名前を変えて保存します。
配置した図に間違いがあった場合は、PhotoStudio 2000で描き直し、新規作成の画面で配置しなおし、前の仕事からIllustratorのアートワークだけをコピーして貼り付けます。これが出来たら設計は一人前。Illustratorは1ポイント1mmで設計できるのが魅力で、巨大なものはデータが大きくなるので画像で出力するときは縮小するか、解像度を下げる必要があります。その他、カラー文字の色のコピーも覚えれば便利です。
右の選択されている矩形は40×89ポイントで、これが40mm×89mmの矩形として描かれる
このようにして出来た前回のファ・ゴッドですが、実は一点だけ修正したいところがあります。それは音道ではなく外観なのですが、ではその修正したいところは何処か?現状でもバランスは取れているのですが、ほんの少しだけ修正したほうが良いかもしれないというところがあります。分かった人には鮎焼きにあゆコロ饅頭を追加ですね。
ファ・ゴッド 2ウェイ版
エフライム工房 平御幸
クイズに挑戦させてくださいm(_ _)m 外観で少しだけとのこと、
④の部分、正面から41ミリのところを44ミリに直す…でしょうか?
Illustratorはあるのですが、レイヤーの感覚があまり得意ではないです。。
クイズのほうですが、ファゴットのファがfatherで父を意味するものと考えました。
父なる神=均衡の柱ですから真ん中なので全高110センチのちょうど真ん中になる55センチのところにユニットの中心がくるようにするのではないかと思いました。
Illustratorでの設計、いつもご苦労さまですm(_ _)m
先生がお使いのソフトのバージョンが分かりませんが、
「表示→ポイントにスナップ」もしくは2つ以上オブジェクトを選択すると出てくる「整列」の機能はいかがでしょうか。
2ポイントが設計に適した線幅だと初めて知りました。
確かに、少し太い方が線の接し面が見やすいように思います。
クイズの答えですが……分かりませんでした。
申し訳ありませんm(_ _)m
設計に発注、発送、工作の指導など、いろいろとありがとうございます。
今更ながら的な質問をしたりして、お手数をおかけしております。
設計の際、6400%まで拡大して修正するという緻密な作業をされているとは知りませんでした。
作る側も、設計図に忠実であらねばと思いました。
クイズですが、外観でほんの少しだけということなので、バッフルの穴の中心を上から89mmを88mmへか、バッフル下の34mmを33mm(178mmから179mm)へでしょうか?(ヤハウェとイエス、イエスの磔刑西暦33年) 物理的なことは思いつきませんでした。
正解は深夜に書きます。
橘さんこんにちは。
サブバッフルが長方形になっいるのは、トゥイータープラスかフルレンジ2個用です。それからの発想だと思いますが、答えは深夜に書きます。
スイカさんこんにちは。
バージョンは8ですが、白いアンカーポイントが出てこないので無理です。それに、どのサイトも実寸での表示で、6400%でピッタリ一致しているかは分かりません。僕の使い方は他とは根本的に違うのです。
ほんとさんこんにちは。
同じく正解は深夜に書きます。
Illustratorは絵を描く道具なので、僕のような使い方には本当は向いていません。技術解説のサイトも参考になった試しはなく、全部自力で見つけた使い方です。線は2ポイントでと書いてあるサイトがあったら褒めてあげます。
設計手順の詳しい解説ありがとうございます。
私もイラストレーターを持っていますが、活用できない
ままでいます。いずれ活用するときには参考にさせて
いただきます。
クイズの答えですが、外観ということで、ユニットの
位置を変えるのかなと思いました。理由が思いつ
かないので、いけませんがorz
れいさんのが正解。ただし、追加した画像を見てもらえれば分かるように、3mm長くした44mmが絶対ではなく、47mmくらいが丁度良いかも。
44mmだと、24、34、44、154と末尾が4になるので、切りが良いといえば良い。44は獅子にもなるし。
橘さんのは、予め2ウェイとして予定していた設計なので今回の問題からはハズレ。ただし、解釈は見事。
訓さんのように、何となくではダメ。ちゃんと根拠がなくては。
今回の問題は、管楽器の末端が開いているデザインであることに連動しているので、対数的に広がるホーン開口に目が行くと、最後ももう少し広げたほうが良いかなと感じるはず。
スピーカーの設計は本当に大変な作業なんですね。。。板の切り出しや、ユニットの金箔張り、板の振り分け作業などして頂き、本当にありがとうございます。
クイズの方ですが、小学校の頃部活でアルトホルンを吹いていましたが、分かりませんでしたorz
回答が出て、遅すぎましたorz
書かれた方の回答を拝見して、階段のところかと思いましたが、理由づけと、どこを直したらいいのか、分かりませんでしたorz
大変な作業をされて、設計し、描かれた設計図を、使わせていただいています・・・
宮崎アニメが終わったのでそろそろかなと思っていました。
微妙なバランス感覚は、無駄ですが必要です。広げ方が変化しても音には影響がないはずです。それでもデザインは気になりだしたら気になります。
うずしおさん今晩は。
上に同じ。
ホーンの広がり方については分かりやすく書く予定です。デザインは、大雑把なところと、妥協を許さない厳しさが同居する世界です。厳しさだけだと緊張するし、見た目も疲れます。