海外在住期間が1年以上の場合で帰国後の翌月まで納付を忘れていた場合どうなる??<その2>
障害年金ほど簡単そうに見えて、奥の深いものはないようだ。
実は、障害年金の構造は簡単で、3つの要件をクリアーすれば、受給できる。1、初診日において被保険者であること(国民年金についてはさらに60歳~65歳までの日本国内に住む、かって国民年金の被保険者であった者が含まれる。) 2、障害認定日において、一定の障害の程度であること 3、初診日の前日において、一定の保険料の納付がなされていること(初診日の前日という条件が付くのは、病院に行ってからあわてて保険料を納付するのはアウトということである。)の3つの要件である。
被用者保険にあっては、会社の被用者年金に加入している限り、海外に赴任しても、被保険者であることに変わりないが、国民年金にあっては、海外に住み住所が国内になければ、強制の被保険者ではなくなり、任意被保険者として入らざるを得ない。国民年金には加入しても加入しなくてもいいのである。そこで、3の納付要件にあっては、任意加入の期間となり、「被保険者期間」に該当せず、納付要件は問われないことになる。
そこで、どこまで未納期間がOKなのかというと、帰国日の属する月と翌月までは未納であってもよいことになる。帰国の属する月からは、強制的に加入しなければならないのであるが、ここで前回説明したあの条文を思い出していただきたい。「当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに、未納期間がないこと *注*」という条件を満たしていればよい。初診日の属する月と前月は、納付しているかどうかは聞いていない。
<月の経過⇒> 帰国日 初診日
海 外 在 住 ↓ ↓
未加入 未加入 未加入 未納 未納
↑ ↑
初診日の 初診日の
前々月 前月
この1年に=====>
ずっと海外在住である
上の図のように、初診日の属する月と前月は未納期間であってもよいことになるのである。さらに、初診日の属する月の前々月までの1年間は、まだ海外にあって、保険料を納付しなければならないという期間ではないのであって、いわゆる被保険者期間ではないし、加入が強制されているような未納というべき期間ではない。
ゆえに、初診日が帰国日のする月から起算して2か月の期間にある場合は、ほめられていいものではないが、未納期間があっても障害年金の納付要件は満たすことになる。しかし、この2か月だけでこれ以降の未納期間が続くとなると、納付の一定の基準(1年間の未納がないこと)を満たさない恐れがあるのである。これって帰国してから納付をたまたま忘れていたというような場合等に、結果的に2か月間に限って通用することであり、帰国してからは忘れずに、必ず納付していただきたいと申し上げておきたい。
*注* ただし、この1年間に未納がないという特例が認められるのは、H38.4.1前に初診日がある場合であって、65歳前のときに限る。
参考;障害者年金相談標準ハンドブック 障害年金実践研究会出版プロジェクトチーム著 日本法令出版
障害年金ほど簡単そうに見えて、奥の深いものはないようだ。
実は、障害年金の構造は簡単で、3つの要件をクリアーすれば、受給できる。1、初診日において被保険者であること(国民年金についてはさらに60歳~65歳までの日本国内に住む、かって国民年金の被保険者であった者が含まれる。) 2、障害認定日において、一定の障害の程度であること 3、初診日の前日において、一定の保険料の納付がなされていること(初診日の前日という条件が付くのは、病院に行ってからあわてて保険料を納付するのはアウトということである。)の3つの要件である。
被用者保険にあっては、会社の被用者年金に加入している限り、海外に赴任しても、被保険者であることに変わりないが、国民年金にあっては、海外に住み住所が国内になければ、強制の被保険者ではなくなり、任意被保険者として入らざるを得ない。国民年金には加入しても加入しなくてもいいのである。そこで、3の納付要件にあっては、任意加入の期間となり、「被保険者期間」に該当せず、納付要件は問われないことになる。
そこで、どこまで未納期間がOKなのかというと、帰国日の属する月と翌月までは未納であってもよいことになる。帰国の属する月からは、強制的に加入しなければならないのであるが、ここで前回説明したあの条文を思い出していただきたい。「当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに、未納期間がないこと *注*」という条件を満たしていればよい。初診日の属する月と前月は、納付しているかどうかは聞いていない。
<月の経過⇒> 帰国日 初診日
海 外 在 住 ↓ ↓
未加入 未加入 未加入 未納 未納
↑ ↑
初診日の 初診日の
前々月 前月
この1年に=====>
ずっと海外在住である
上の図のように、初診日の属する月と前月は未納期間であってもよいことになるのである。さらに、初診日の属する月の前々月までの1年間は、まだ海外にあって、保険料を納付しなければならないという期間ではないのであって、いわゆる被保険者期間ではないし、加入が強制されているような未納というべき期間ではない。
ゆえに、初診日が帰国日のする月から起算して2か月の期間にある場合は、ほめられていいものではないが、未納期間があっても障害年金の納付要件は満たすことになる。しかし、この2か月だけでこれ以降の未納期間が続くとなると、納付の一定の基準(1年間の未納がないこと)を満たさない恐れがあるのである。これって帰国してから納付をたまたま忘れていたというような場合等に、結果的に2か月間に限って通用することであり、帰国してからは忘れずに、必ず納付していただきたいと申し上げておきたい。
*注* ただし、この1年間に未納がないという特例が認められるのは、H38.4.1前に初診日がある場合であって、65歳前のときに限る。
参考;障害者年金相談標準ハンドブック 障害年金実践研究会出版プロジェクトチーム著 日本法令出版