・有意味感<どんな仕事でも意味を見出す>・把握可能感<大変な状況下でも的確な対応>・処理可能感<「何とかなるさ」という楽観性>
第2次大戦下、ナチスはユダヤ人を連行し強制収容所へ送り込んだが、その身体・精神的に過酷なストレスのある中でも、健康で長生きをした人がいた。ユダヤ系アメリカ人の医療社会学者であるアントノフスキーはこれらの人々の共通点を探し出す研究を行い、SOC(sense of coherence)=首尾一貫感覚という概念を提唱した。
SOCは、次のとおり、有意味感、把握可能感、処理可能感の3つの要素から構成され、このSOCが高い人は、ストレスの大きなものに遭遇しても、心の健康を害さずに過ごすとことができるという。
⇒ 有意味感~どんなつらいことに対しても、何らかの意味を見いだせる感覚
SOC ⇒ 把握可能感~直面した困難な状況を、秩序立った明確な情報として受け止められる感覚
⇒ 処理可能感~どんなにつらいことに対しても、何とかなるはずと思える感覚
1 有意味感 たとえば、新人さんには、先輩の企画書のコピー取りをよくやらされるが、こんなつまらない仕事をではなく、一番先にその内容を見ることができて、その勉強をできる特権が与えられているという見方もできる。厨房の皿洗いは、皿にの残ったソースをこっそり味見するチャンスが与えられているということもできる。このように、どんな仕事にも特権・チャンスを見いだせる力のことである。
2 把握可能感 これは、言い換えると、大変な状況に陥ったときに、パニックにならず、テンパらずに、冷静に事態を分析して、的確な対応がとれる力(段取り力)のこと。例えば、忙しくて、日曜出勤もやらざるを得ず、もちろん遊ぶどころではない状況にあるとすると、把握可能感が低い人は、いつまでもこの状況が続くように思い、精神的に追い込まれる。しかし、これが高い人は、忙しいのはだいだい△月ごろまでだから、その間は最低限の睡眠時間は確保してがんばって、その後は少しずつ余裕ができるはずだから、代休を取って、旅行に行ってリフレッシュしようというような、先を見通すことができる力のことである。要するに、仕事や人生には波があって、その中で自分の置かれている状況を的確に把握する能力のことである。
3.処理可能感 言い換えると「なんとかなるさ」と思える楽観性の事である。具体的には、終わらない仕事はない、失敗しても命まで取られることはないと思える力の事である。
この3つの力が高い人は、大きな負荷であるストレスでも、うまく対処できる。労働時間・仕事の難易度・人間関係困難度などの要素より、このSOCの高さが、心の健康にもっとも関与しているという研究もあります。
SOCが高いと、労働時間が多少長くても、こんなにたくさんの仕事を任されているなんて幸せとか、人間関係の悪い職場にあっても、これならどこの職場でもやっていけるぞと 前むきに捉えることも可能である。SOCが低いと、どこの職場でもありそうなストレスでも不適応型メンタルヘルス不調の原因になる。ストレスに強い人材になりたければ、このSOCを鍛えればよい。
** 参考:著書<「職場のメンタルヘルス」を強化する> 精神科産業医 吉野聡 ダイヤモンド社発行
同書の趣旨を表現・用語を含めてたどったものであるが、必ずしもそのままではなく、解釈・要約の過程で私なりに編集したところがあります。その点の編集責任は自分にありますので、念のため。
→では、職場の上司はどうするか⇒⇒<続く>職場でSOCを育てるためには
第2次大戦下、ナチスはユダヤ人を連行し強制収容所へ送り込んだが、その身体・精神的に過酷なストレスのある中でも、健康で長生きをした人がいた。ユダヤ系アメリカ人の医療社会学者であるアントノフスキーはこれらの人々の共通点を探し出す研究を行い、SOC(sense of coherence)=首尾一貫感覚という概念を提唱した。
SOCは、次のとおり、有意味感、把握可能感、処理可能感の3つの要素から構成され、このSOCが高い人は、ストレスの大きなものに遭遇しても、心の健康を害さずに過ごすとことができるという。
⇒ 有意味感~どんなつらいことに対しても、何らかの意味を見いだせる感覚
SOC ⇒ 把握可能感~直面した困難な状況を、秩序立った明確な情報として受け止められる感覚
⇒ 処理可能感~どんなにつらいことに対しても、何とかなるはずと思える感覚
1 有意味感 たとえば、新人さんには、先輩の企画書のコピー取りをよくやらされるが、こんなつまらない仕事をではなく、一番先にその内容を見ることができて、その勉強をできる特権が与えられているという見方もできる。厨房の皿洗いは、皿にの残ったソースをこっそり味見するチャンスが与えられているということもできる。このように、どんな仕事にも特権・チャンスを見いだせる力のことである。
2 把握可能感 これは、言い換えると、大変な状況に陥ったときに、パニックにならず、テンパらずに、冷静に事態を分析して、的確な対応がとれる力(段取り力)のこと。例えば、忙しくて、日曜出勤もやらざるを得ず、もちろん遊ぶどころではない状況にあるとすると、把握可能感が低い人は、いつまでもこの状況が続くように思い、精神的に追い込まれる。しかし、これが高い人は、忙しいのはだいだい△月ごろまでだから、その間は最低限の睡眠時間は確保してがんばって、その後は少しずつ余裕ができるはずだから、代休を取って、旅行に行ってリフレッシュしようというような、先を見通すことができる力のことである。要するに、仕事や人生には波があって、その中で自分の置かれている状況を的確に把握する能力のことである。
3.処理可能感 言い換えると「なんとかなるさ」と思える楽観性の事である。具体的には、終わらない仕事はない、失敗しても命まで取られることはないと思える力の事である。
この3つの力が高い人は、大きな負荷であるストレスでも、うまく対処できる。労働時間・仕事の難易度・人間関係困難度などの要素より、このSOCの高さが、心の健康にもっとも関与しているという研究もあります。
SOCが高いと、労働時間が多少長くても、こんなにたくさんの仕事を任されているなんて幸せとか、人間関係の悪い職場にあっても、これならどこの職場でもやっていけるぞと 前むきに捉えることも可能である。SOCが低いと、どこの職場でもありそうなストレスでも不適応型メンタルヘルス不調の原因になる。ストレスに強い人材になりたければ、このSOCを鍛えればよい。
** 参考:著書<「職場のメンタルヘルス」を強化する> 精神科産業医 吉野聡 ダイヤモンド社発行
同書の趣旨を表現・用語を含めてたどったものであるが、必ずしもそのままではなく、解釈・要約の過程で私なりに編集したところがあります。その点の編集責任は自分にありますので、念のため。
→では、職場の上司はどうするか⇒⇒<続く>職場でSOCを育てるためには