上司が部下にSOCを意識して働くのを見せることによって、部下にもSOCが育つ
では、このSOC(を職場でどう鍛えるかとなると、吉野氏は残念ながら特効薬はないという。しかし、日常の仕事の中で、SOCを意識し、これを育てていくことは可能であるという。吉野聡氏は、SOCを育てるための、自己育成・鍛錬の方法と職場の上司の取るべき態度はいかにあるべきかを述べている。
自己鍛錬の方法だが、つまらない仕事であろうとその中に仕事の意味を必死に見つける(S=有意味感)。忙しくてたまらないときは、仕事の見通しを立てて、仕事が終了したとの自分への褒美を想像する(O=把握可能感) 成果がきっと出るはずだと自分にいい聞かせ、もしも思った成果が出なくても自分の人生はそれで終わりではなく、もっと余裕を持つように発想ができるようにする(C=処理可能感) 日常行っている仕事の中で、自分でこのような考えを意識的に身に着けることによって、ストレスに上手に対応できることになるという。
研究では、SOCの高い上司の下で働く部下には、高いSOCが育つという。部下にSOCを伝え育てることを説明するよりも、むしろ自分自身がSOCの感覚を強く意識して働くことが重要であるという。
SOCの低い上司は、「上がやれというから、しかたない」(Sの欠如)とか、「こんなくだらない仕事いつまでしなければ・・・」(Oの欠如)とか、「おれたち、失敗して左遷だな」(Cの欠如)といった言葉を発し、部下と事に当たる。
SOCの高い上司は、「うちのチームがやることで社内にこんなメリットが・・」(Sの意義)、「今期にこの仕事をやってけば、来期はこれを基礎に面白い仕事が・・」(Oの意義)、「君たちは思い切ってやってくれ、責任は俺がもつ」(Cの意義)といって、仕事の意味・道筋・楽観性を持たせる。
SOCの高い上司の下で育った部下は、部下自身SOCが高くなるのである。
今の若い世代は、このSOCが育っていない、低い傾向にあるという。昔は小学校低学年はギャングエイジと呼ばれ、集団で遊びながら、なんら遊び道具のない中で自分たちの「遊び」を編み出していたのとは違い、今では「トリセツ」のあるゲームで育った若者たちである。この意味で、有意味感・把握可能感の醸成にも影響しているとみられる。また、他者からの評価を過度に気にして、大成功より失敗の少ない育てられ方をしてきた世代であり、処理可能感も育たなかったという。
上司は、この点を踏まえて、若い世代に対して、このSOCを意識しながら、職場教育をしていく必要があるという。
** 参考:著書<「職場のメンタルヘルス」を強化する> 精神科産業医 吉野聡 ダイヤモンド社発行
同書の趣旨を表現・用語を含めてたどったものであるが、必ずしもそのままではなく、解釈・要約の過程で私なりに編集したところがあります。その点の編集責任は自分にありますので、念のため。
⇒前回へ<ストレスを上手に対処できる人の共通点=SOC{首尾一貫感覚}の概念(アントノフスキー提唱)>
では、このSOC(を職場でどう鍛えるかとなると、吉野氏は残念ながら特効薬はないという。しかし、日常の仕事の中で、SOCを意識し、これを育てていくことは可能であるという。吉野聡氏は、SOCを育てるための、自己育成・鍛錬の方法と職場の上司の取るべき態度はいかにあるべきかを述べている。
自己鍛錬の方法だが、つまらない仕事であろうとその中に仕事の意味を必死に見つける(S=有意味感)。忙しくてたまらないときは、仕事の見通しを立てて、仕事が終了したとの自分への褒美を想像する(O=把握可能感) 成果がきっと出るはずだと自分にいい聞かせ、もしも思った成果が出なくても自分の人生はそれで終わりではなく、もっと余裕を持つように発想ができるようにする(C=処理可能感) 日常行っている仕事の中で、自分でこのような考えを意識的に身に着けることによって、ストレスに上手に対応できることになるという。
研究では、SOCの高い上司の下で働く部下には、高いSOCが育つという。部下にSOCを伝え育てることを説明するよりも、むしろ自分自身がSOCの感覚を強く意識して働くことが重要であるという。
SOCの低い上司は、「上がやれというから、しかたない」(Sの欠如)とか、「こんなくだらない仕事いつまでしなければ・・・」(Oの欠如)とか、「おれたち、失敗して左遷だな」(Cの欠如)といった言葉を発し、部下と事に当たる。
SOCの高い上司は、「うちのチームがやることで社内にこんなメリットが・・」(Sの意義)、「今期にこの仕事をやってけば、来期はこれを基礎に面白い仕事が・・」(Oの意義)、「君たちは思い切ってやってくれ、責任は俺がもつ」(Cの意義)といって、仕事の意味・道筋・楽観性を持たせる。
SOCの高い上司の下で育った部下は、部下自身SOCが高くなるのである。
今の若い世代は、このSOCが育っていない、低い傾向にあるという。昔は小学校低学年はギャングエイジと呼ばれ、集団で遊びながら、なんら遊び道具のない中で自分たちの「遊び」を編み出していたのとは違い、今では「トリセツ」のあるゲームで育った若者たちである。この意味で、有意味感・把握可能感の醸成にも影響しているとみられる。また、他者からの評価を過度に気にして、大成功より失敗の少ない育てられ方をしてきた世代であり、処理可能感も育たなかったという。
上司は、この点を踏まえて、若い世代に対して、このSOCを意識しながら、職場教育をしていく必要があるという。
** 参考:著書<「職場のメンタルヘルス」を強化する> 精神科産業医 吉野聡 ダイヤモンド社発行
同書の趣旨を表現・用語を含めてたどったものであるが、必ずしもそのままではなく、解釈・要約の過程で私なりに編集したところがあります。その点の編集責任は自分にありますので、念のため。
⇒前回へ<ストレスを上手に対処できる人の共通点=SOC{首尾一貫感覚}の概念(アントノフスキー提唱)>