一方、生活費への充当は、返さないといけないとは
判断能力を欠く成年被後見人が行った契約は、その保護・支援者ともいうべき成年後見人が取り消しをすることができるし、また、判断能力が衰えた被保佐人については、その保護者・支援者というべき保佐人の同意なく行った重要な契約については、同様に取り消しができます。
取り消されば、はじめからその契約は無効になるとされていますので、例えば売買においては、金銭や商品の給付がおこなわれているとすれば、それをお互い返還しなければなりません。
しかし、成年被後見人や被保佐人については、「その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う」(民法121条)とされている。ということは、成年被後見人等については、浪費してしまって何も残っていない場合は、返還する義務はなく、生活費に当てた場合は、そのことによって自分が負担すべき当然の支出をまぬがれたのだから、現に「利益」は残っているとみるべきであり、返還しなければならないことになる。
ここで、一般常識的に何も考えなくて、この結論を見た場合は、反対ではないかという人がいる。浪費した場合は返還しなくてよくて、有効に生活費に利用した場合は、返さなければならないのはおかしいのではないかというのである。判断の能力がある人が行った行為については、確かに、浪費=返還必要、生活費への有効活用=返還しない というのが結論としては、妥当だと考えられないこともない。(私の出ていた成年後見人養成研修においても、違和感があるとの意見が出されたことがある。)
しかし、成年被後見人の場合は、自分がした法的な行為の結果について、合理的な判断能ができないということであるから、自分の行った結果がどういう状況になるかが分からないものであり、また、被保佐人については、重要な財産行為についての合理的判断ができないので、自分だけでは適切に処理できないことになるのである。そういった判断能力を欠くあるいは衰えた人の行った人の行為であるので、浪費したからとか、生活費に有効に使用したとかの「善悪」(という判断)の行為とは、関係なく、ただ単に、現に利益があるときだけに、返せばいいという趣旨であろう。
判断能力を欠く成年被後見人が行った契約は、その保護・支援者ともいうべき成年後見人が取り消しをすることができるし、また、判断能力が衰えた被保佐人については、その保護者・支援者というべき保佐人の同意なく行った重要な契約については、同様に取り消しができます。
取り消されば、はじめからその契約は無効になるとされていますので、例えば売買においては、金銭や商品の給付がおこなわれているとすれば、それをお互い返還しなければなりません。
しかし、成年被後見人や被保佐人については、「その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う」(民法121条)とされている。ということは、成年被後見人等については、浪費してしまって何も残っていない場合は、返還する義務はなく、生活費に当てた場合は、そのことによって自分が負担すべき当然の支出をまぬがれたのだから、現に「利益」は残っているとみるべきであり、返還しなければならないことになる。
ここで、一般常識的に何も考えなくて、この結論を見た場合は、反対ではないかという人がいる。浪費した場合は返還しなくてよくて、有効に生活費に利用した場合は、返さなければならないのはおかしいのではないかというのである。判断の能力がある人が行った行為については、確かに、浪費=返還必要、生活費への有効活用=返還しない というのが結論としては、妥当だと考えられないこともない。(私の出ていた成年後見人養成研修においても、違和感があるとの意見が出されたことがある。)
しかし、成年被後見人の場合は、自分がした法的な行為の結果について、合理的な判断能ができないということであるから、自分の行った結果がどういう状況になるかが分からないものであり、また、被保佐人については、重要な財産行為についての合理的判断ができないので、自分だけでは適切に処理できないことになるのである。そういった判断能力を欠くあるいは衰えた人の行った人の行為であるので、浪費したからとか、生活費に有効に使用したとかの「善悪」(という判断)の行為とは、関係なく、ただ単に、現に利益があるときだけに、返せばいいという趣旨であろう。
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