縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

東芝にエールを ~ 東芝HD-DVD撤退 ~

2008-02-27 00:48:24 | お金の話
 先週、東芝がHD-DVDからの撤退を発表した。皆さんご存知の通り、ブルーレイ・ディスクとの新世代DVDの規格争いに敗れたのである。
 ただ東芝はこの撤退発表と同時にフラッシュメモリー2工場の建設を発表している。総額1兆7000億円の巨額投資。半導体と原子力を中核事業とする東芝の事業選別、いわゆる「選択と集中」を明確に示すものといえよう。

 そんな東芝の勇気と決断にエールをと思い、東芝にまつわる“ちょっといい話”を。

 まず一つめはエアコンの話。
 我が家では東芝のエアコンを使っている。3年くらい前、東芝からエアコンに不具合が見つかったので無償で修理するとの連絡があった。モーターのリード線部分から発煙・発火の恐れがあるとのこと。理由はよくわからないが、ともあれ物騒な話だ。
 で、当日、修理に来た人に理由を尋ねてみた。すると次のような答えだった。
「通常のエアコンはモーターのリード線部分が固定されています。が、今回我々は着脱可能な方が便利だと考え、取り外せるようにしました。普通に使っている分には何の問題ありません。しかし、業者にエアコンの掃除を頼み、分解して掃除する際に洗浄液が入り込み、漏電、発煙・発火を起こすケースがあるんです。まあ、実際に起きたのはまだ一件だけですけど。」
 本件は、良かれと思ってやったことが仇になったわけであり、更には分解して掃除するなど一般家庭で今までになかったことが行われるようになったが故に起きた事故である。経緯には十分同情の余地がある。にもかかわらず、東芝はたった一件の事故で斯かる可能性を知り、何千・何万ものエアコンを無償で修理する、それも1台1台探し出して修理することを決めたのである。本当に膨大な手間、苦労である。
 欠陥があれば修理するのは当たり前と思われるかもしれない。しかし、その当たり前のことの出来ていない会社がいかに沢山あったことか。僕は真摯な東芝の姿勢に好感を持った。今度、家電製品を買うときは東芝にしようと思った。

 と、言いながら、実は先月新世代DVDを買ってしまいました、それもブルーレイを。東芝さん、すみません。

 で、そのブルーレイを買いに行ったときの出来事が二つめの“ちょっといい話”。
 大手家電量販店に行った僕は、ブルーレイを値引きしてもらえるか店員さんに聞こうと、辺りをキョロキョロしていた。と、一人の店員さんと目があった。まずい、東芝の販売員さんだ。劣勢の東芝の人にブルーレイのことを聞くのは忍びない。案の定、東芝のHD-DVDは大きく値引きするしディスクもサービスで付けるが、ブルーレイは値引きもおまけも一切なし、更に好調な販売に生産が追い付かず、入荷はいつになるかわからないとまで言う。それでも僕はブルーレイを買うことにした。
 ここで店員さんがバトンタッチ、東芝の方から○○の方に。○○の方は、入荷したら連絡します、送料はこちらで負担しますと言って奥に引っ込んでしまった。随分待たされたが、漸く戻って来て、開口一番、「お客さん、一箱、見つかりました。送付伝票が付いてないし、開けた形跡もありません。おそらく発送前にキャンセルになった品物でしょう。これなら今日お持ち帰りできますよ。どうしますか。」
 箱を見たところ確かに開けた形跡はなさそうだ。若干薄気味の悪さは残るが、僕の心が“お持ち帰り”に傾きかけたそのとき、最初の東芝の販売員さんが登場。箱の裏を確認して一言、「これ、箱を開けてますよ。何かの理由で戻ってきた品物だと思います。」
 そうだったんだ。これを聞いて○○の販売員さんは「本当ですね。これは止めときましょう。」と言った。忙しさか、経験不足なのか、本当に気が付いていなかったようだ。この未熟者め。
 一方、他社製品、それもまったく売れない自社製品を尻目に販売を伸ばしている他社製品を買った、そんな僕のことまで気に掛けてくれていた東芝の販売員さんに強い“プロ意識”を感じた。

 これを書くにあたり東芝のHPを見た。そこにはまだ僕と同じ型のエアコンを探している旨の記載があった。
 HD-DVDを買った人の中には、今後のアフターケアに不安を感じている人も多いと思うが、僕は東芝なら大丈夫、心配はいらないのではないかと思う。