縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

災い転じて・・ 『W台北』にて(台湾縦断の旅その1)

2018-05-16 20:58:31 | もう一度行きたい
 台湾に行って来た。台北3泊、高雄1泊の台湾縦断の旅である。

 台北の宿は、カード会社の優待があったので『W台北』に決めた。スターウッド系列のデザイナーズホテルである。おしゃれでスタイリュッシュ、そして派手。僕ら中年夫婦には若干不釣り合いだが、“優待”の響きに弱い二人は臆することなく泊まることにした。
 
 松山空港からタクシーでホテルへ。1時前とチェックインにはまだ早い時間だったが、すぐ部屋に通してくれた。おまけに部屋はアップグレード。カード会社に感謝。よし、荷物を置いて小籠包を食べに行くぞ!
 と、思ったのも束の間、なんとトラブルで出かけられない。セーフティボックスが使えないのである。貴重品を仕舞おうとしたら番号の入力ができなかった。修理を頼んだところ、割と簡単に直った。扉中央のテンキーやモニターの部分がドライバーで外れるようになっており、裏に乾電池が入っている。その接続のあたりを少しいじっただけでモニターに赤い数字が表示され、無事復活した。案外単純な作りであるが、このボードを外しただけでは扉は開けられないのだろう、たぶん・・・。
 
 なにはともあれ漸く出発。台北101にある『鼎泰豊(ディンタイフォン)』へ。こちらは改めて書くこととし、話はホテルに戻って来たところから。

 ちょっと気になったのでセーフティボックスをチェックしてみた。テンキーを押したが、音もしなければ、モニターの表示も出ない。そう、またセーフティボックスが死んでいる。再度電話したところ、今度は先程の修理担当者とセーフティ担当のマネージャーがやって来た。そしてマネージャーが印鑑のような円筒状のもので扉を開けてくれた。やはりドライバーだけで扉は開かないのであった。
 ここで妻がマネージャー氏に「こんなことが続くのは嫌だから部屋を換えて欲しい。どうせなら101の見える部屋がいいわ。」と言い放った。英語で話すときの妻は強気だ。結果、願いは叶い、部屋はもう一段階アップグレード(因みに写真は部屋から見た台北101)。さらにお詫びにといって最上階にあるバーで1杯ご馳走してくれるとのこと。う~ん、カード会社より妻“優待”の方が効果大? 恐るべき妻。

 実は最近ホテルでのトラブルが多い。サン・セバスチャンでは停電に遭い、香港ではお湯が出なかった。それに比べれば、今回は部屋のアップグレードとタダ酒(それも手違いで1人2杯も)のおかげでショックは軽い。いや、かえって得した気分である。勿論トラブルがないに越したことはないが、トラブルもいつかは笑い話になる。旅の将来の思い出だと割り切り、余裕を持ってトラブルに対処できると良い。
 などと偉そうに書いたが、こう思えるのは、ひとえにW台北の“おもてなし”というか、危機管理マニュアルのお蔭であろう。やはりサービスのしっかりしたホテルは良い。食事も美味しかったし(特に『紫艷中餐廳』の北京ダック)、W台北を我が家の定宿に認定することにしよう。
(もっとも、初めて“定宿認定”したのは、20年近く前の箱根・宮ノ下の『富士屋ホテル』であるが、それ以来そこには一度も行っていない気が・・・)

『松月』で白エビ三昧(富山の旅その2)

2018-05-07 20:19:48 | もう一度行きたい
 20数年振りに富山の料亭『松月』に行って来た。

 前回は社内旅行、課の旅行である。たまたま課の旅行ファンドが潤沢であったことから、贅沢にも東京から飛行機で金沢・富山を旅したのであった。
 なぜ『松月』かというと、当時、部内で『松月』に行くことが一つのステータスになっていたからである。グルメで知られる人が富山に出張した際、取引先に『松月』で白エビをご馳走になり、こんなに美味いものを食べたことがないとしきりに話していた。そして、次に出張で富山に行った者が『松月』を訪れ、いやぁ本当に美味かった、と同じ話をする。そんなことが繰り返されるうち、部内では『松月』に行った・行かないというのが、どれだけ美味しいものを食べたことがあるかの判断基準と化していたのである。

 『松月』は富山市の北部、岩瀬浜にある。富山駅からライトレール(お洒落な路面電車)で20分。以前来た時はJRだったが、2006年に移管されたそうだ。
 終点・岩瀬浜駅で降りた。まだお昼には時間がある。僕らはかつて北前船で栄えた岩瀬浜の町を少し歩くことにした。北前船廻船問屋森家や、その森家の米倉庫を利用した酒商『田尻本店』(地酒の陳列が圧巻!)、展望台(20mあるが階段のみ)などを見学し、そして三角どらやきで有名な『大塚屋』さんで菓子を買った。ここで時間がちょうどお昼に。よし、いざ『松月』へ。
 僕らは7,000円のコースを予約。料理はコースのみで6,000円からだが、お店自慢の“福団子”が付くのは7,000円以上と聞いたからであった。僕らは2人だったが個室に通された。今から至福の白エビ三昧が始まる。あのときの感動よ、もう一度!

 と、思ったものの、正直、そこまでの感動はなかった。確かに美味しい。特に白エビはどこで食べるよりも美味しいと思う。が、料理以外で残念なことが多かったのである。たまたま団体客と重なったせいかもしれないが、サービスが悪かった。別にVIP扱いを望んでいるわけではない。店側の都合ばかりでなく、こちらのペースも見ながら、落ち着いて食べさせてもらえればと思っただけである。

 席に着き、まずビールを頼んだが、ビールも料理もなかなか来ない。その代わり、廊下をだだだっと駆ける足音が聞えた。忙しいのはわかるが、客に余裕のなさを見せるのはいけない。
 漸く料理が来た。前菜とお造り。が、ビールは来ない。しばし「待て! お預け!」状態の2人。ビールが来て乾杯し食事を始めたところ、僕の携帯が鳴った。なんと『松月』からである。「本日12時からのご予約ですが、まだお見えになっていないようで・・・」と言われる始末。お店は、盆と正月が一緒に来たかのような忙しさ、混乱状態のようだ。気を取り直して料理に戻ったところ、今度はお椀が来た。まだ刺身に手を付けたばかりなのに、もうお椀か・・・。白エビの刺身はとっても美味しかったが、若干興ざめである。
 そして、案の定、間を置くことなく白エビの唐揚げが来た。これも美味い。殻が柔らかく、まったく口に残らない。白エビの唐揚げは、殻が硬く口に残るのが普通と思っていたが、全然違う。冷凍ではなく生の白エビを使っているからなのだろうか。うーん、ビールが進む。
 揚げ物がもう1品、蟹の甲羅揚げが来て、その後に本日のメイン“福団子”登場。白エビ200匹の殻を剥き、すって団子にして焼いたものだという。白エビの甘さに香ばしさが加わり、なかなか味わい深い。しかし、白エビの刺身が好きな僕としては、同じ殻を剥く手間をかけるのであれば、福団子より刺身がいい。刺身の白エビは60匹と言っていたが、それが260匹だったら、どんなに幸せだったかと思う。

 なんやかんや言いながらも、やっぱり旬のホタルイカと白エビは美味しい。そして、富山の旬を満喫する旅にはまだ続きが。仕上げは地元スーパーでのお買い物。生とボイルのホタルイカに白エビ、それに昆布締め用の昆布(使いやすいよう四角く切った昆布)を買った。これで家に帰っても富山の味を堪能できる。う~ん、春の富山最高!