高円寺に『小兵衛』という居酒屋がある。夫婦二人でやっているこじんまりした店だ。北口から歩いてすぐだが、商店街から離れているので、場所はちょっとわかりにくい。池波正太郎ファンの方ならピンと来るだろうが、そう、店名は『剣客商売』の秋山小兵衛から採ったそうだ。僕は池波正太郎の本は読んだことはないが(因みにテレビの『鬼平犯科帳』すら見たことないが)、実は妻が池波ファンで、「もしやこの名前は」と聞いたことから判明した。夫婦そろって池波ファン、それも、娘さんの名前に彼の本の登場人物の名前を付けるという、筋金入りのファンである。
以前1、2ヶ月に一度高円寺に行くと書いたが、この店も高円寺を歩いていて偶然見つけた店である。店構えを見た妻がここに入ろうと言ったのだった。後から聞いたが、『小兵衛』という名前にも惹かれたらしい。
入って、まず付けだしに感動。フカヒレの入った豆腐が絶品。食感が良い。それに刺身や焼き物、揚げ物も旨い。居酒屋だがビーフシチューまであり、これもまた旨い。早い話、はずれの少ない店だ。ご主人曰く、自分は酒呑みだから、自分が食べたい、食べておいしいと思う酒の肴を作っているとのこと。うーん、やっぱり旨いはずだ。呑ん兵衛には堪えられない。
また、ここはご飯も旨い。季節のもので炊き込みご飯を出している。少し前ならアサリ、そしてこれからだと松茸。しこたま呑んだ後、〆に炊き立てのご飯がたまらない。ご飯は注文を受けてから炊くので、前もって頼んでおいた方が良い。
冬場は予約でフグのコースもやっている。高円寺という場所柄もあってか、お徳度が極めて高い。
ところで、高円寺、ここは特に何があるというわけではない。名所名跡の類がない。お隣、阿佐ヶ谷のジャズストリートに対し、高円寺といえば阿波踊り。熱狂して盛り上がるが、ジャズに比べあまりオシャレとは言えない。町自体、泥臭く、下町の風情を残す、どこか懐かしい町だ。そして何より物価が安い。人情と物価は反比例するのだろうか、ここに住む人の暖かさが伝わってくる町である。
『小兵衛』のご主人の腕は、秋山小兵衛の剣の腕に名前負けすることのない素晴らしいものであり、加えて、ここ高円寺のお客さんの情(じょう)に支えられ、その味は一層深みを増しているのではないだろうか。是非、一度、『小兵衛』の味と勝負されては如何か。
以前1、2ヶ月に一度高円寺に行くと書いたが、この店も高円寺を歩いていて偶然見つけた店である。店構えを見た妻がここに入ろうと言ったのだった。後から聞いたが、『小兵衛』という名前にも惹かれたらしい。
入って、まず付けだしに感動。フカヒレの入った豆腐が絶品。食感が良い。それに刺身や焼き物、揚げ物も旨い。居酒屋だがビーフシチューまであり、これもまた旨い。早い話、はずれの少ない店だ。ご主人曰く、自分は酒呑みだから、自分が食べたい、食べておいしいと思う酒の肴を作っているとのこと。うーん、やっぱり旨いはずだ。呑ん兵衛には堪えられない。
また、ここはご飯も旨い。季節のもので炊き込みご飯を出している。少し前ならアサリ、そしてこれからだと松茸。しこたま呑んだ後、〆に炊き立てのご飯がたまらない。ご飯は注文を受けてから炊くので、前もって頼んでおいた方が良い。
冬場は予約でフグのコースもやっている。高円寺という場所柄もあってか、お徳度が極めて高い。
ところで、高円寺、ここは特に何があるというわけではない。名所名跡の類がない。お隣、阿佐ヶ谷のジャズストリートに対し、高円寺といえば阿波踊り。熱狂して盛り上がるが、ジャズに比べあまりオシャレとは言えない。町自体、泥臭く、下町の風情を残す、どこか懐かしい町だ。そして何より物価が安い。人情と物価は反比例するのだろうか、ここに住む人の暖かさが伝わってくる町である。
『小兵衛』のご主人の腕は、秋山小兵衛の剣の腕に名前負けすることのない素晴らしいものであり、加えて、ここ高円寺のお客さんの情(じょう)に支えられ、その味は一層深みを増しているのではないだろうか。是非、一度、『小兵衛』の味と勝負されては如何か。