マカオでJOURNEYのコンサートに行ってきた。別に僕はJOURNEYのファンではない。単なる偶然。もっとも妻に言わせるとまさに“運命的出会い”らしいが・・・・。
この3連休+1日で香港とマカオに行って来た。たまたま行った「ヴェネチアン・マカオ・リゾート」で、これまた偶然、もとい運命の如く、妻が一つのポスターを見つけたのである。
「へぇ~、JOURNEYが来るんだ。いつ?3月20日? えっ、今日じゃない!」
ダメもとで聞いてみたところ、VIPシートとA席は売り切れだが、B席とC席は若干空きがあるとのこと。かくして、その日の晩、我々はJOURNEYのコンサートに行くことになったのである。
JOURNEYとは1973年に結成されたアメリカのロック・バンドである。80年代の前半が最盛期だった。僕はJOURNEYのことを知っていたが、万人受けを狙った女子供の聞く音楽だと決めつけ、ほとんど聞いたことがなかった(注:僕も当時は子供でした・・・・。若気の至りです、すみません)。
妻はヴォーカルのSteve Perry が好きで、彼のソロ・アルバムも聴いていたらしい。ちょっとしゃがれた彼の高い声が、とても味わいがあって良いという。
90年代以降、JOURNEYは時代の流れに加えSteve Perryの脱退もあり、鳴かず飛ばずの状態が続いていた。一時は活動を休止していたこともあったようだ。が、1年半ほど前、ヴォーカルにフィリピン人の Arnel Pineda を加え、積極的な活動を再開している。今月初めには日本にも来ているし、今回のマカオもその世界ツアーの一環なのだろう。
さて、最後にコンサートを観た率直な印象を二つ(音楽的な話ではありません、あしからず)。
まずは観客のこと。観客は大きく二つに分かれていた気がする。一つは昔のJOURNEYが好きな欧米人、もう一つはArnel加入後JOURNEYが好きになったフィリピン人である。前者は古い曲のノリが良いが、後者はArnelそのものや新しい曲へのノリが良い。このコントラストがおもしろかった。香港にはフィリピン人メイドが大変多いが、男性も随分出稼ぎに来ているのだろう。
彼らにとって、アメリカいや世界で有名なJOURNEYにフィリピン人が参加する、それもヴォーカルを務めるなど、夢のような話に違いない。Arnelはフィリピン人の誇り、自慢、あるいは夢であろう。我々の泊まっていたホテルのボーイ(どうもフィリピン人らしい)にJOURNEYのコンサートに行くと言ったら、彼はとても羨ましそうな顔をしていた。そして、Arnelの声がSteve Perryにそっくりだったので彼がオーディションで選ばれたのだと教えてくれた。
次にArnelのこと。確かに彼の声はSteve Perryにそっくりだと妻は言う。ともに声は高いが、ArnelはSteveのように声がしゃがれておらず、伸びの良い、通る声だと言っていた。まあ、どちらが良いかは好みの問題であろう。
で、僕の印象。実は、彼のステージを見ていると次第に痛ましい気がしてきた。バンドで彼だけ浮いている。他のメンバーはただ淡々と演奏しているのに、彼だけやたら飛び跳ねたり、舞台を走り回ったり、マイクを放り投げたりしている。おまけにバンドのメンバーは皆背が高いのに彼だけ小柄だ。東洋人としては普通かもしれないが、長身のメンバーと並ぶと優に30センチ以上の差がある。大男の中で一人はしゃぐ彼が、僕は哀しかった。
「まるで猿回しの猿だ。」僕は思った。「そんなに無理しなくて良いのに。」
が、待てよ。Steveに声が似ていると彼が選ばれたのなら、おそらくステージの立ち振る舞い、アクションもSteveを真似るよう強制されているに違いない。Steveのビデオを見せられ、彼の一挙手一投足を覚えこまされたのかもしれない。それこそ、この曲のときは間奏でジャンプする、大きく足を振り上げる、台を駆け登るなど、契約に事細かに謳われているのかもしれない。
一人浮かれてはしゃいでいるのではなく、彼も仕事で仕方なくやっているんだ。そう思うと少し気が楽になった。
しかし、もしそれが本当なら、やっぱり猿回しの猿と変わらない気が・・・・。
この3連休+1日で香港とマカオに行って来た。たまたま行った「ヴェネチアン・マカオ・リゾート」で、これまた偶然、もとい運命の如く、妻が一つのポスターを見つけたのである。
「へぇ~、JOURNEYが来るんだ。いつ?3月20日? えっ、今日じゃない!」
ダメもとで聞いてみたところ、VIPシートとA席は売り切れだが、B席とC席は若干空きがあるとのこと。かくして、その日の晩、我々はJOURNEYのコンサートに行くことになったのである。
JOURNEYとは1973年に結成されたアメリカのロック・バンドである。80年代の前半が最盛期だった。僕はJOURNEYのことを知っていたが、万人受けを狙った女子供の聞く音楽だと決めつけ、ほとんど聞いたことがなかった(注:僕も当時は子供でした・・・・。若気の至りです、すみません)。
妻はヴォーカルのSteve Perry が好きで、彼のソロ・アルバムも聴いていたらしい。ちょっとしゃがれた彼の高い声が、とても味わいがあって良いという。
90年代以降、JOURNEYは時代の流れに加えSteve Perryの脱退もあり、鳴かず飛ばずの状態が続いていた。一時は活動を休止していたこともあったようだ。が、1年半ほど前、ヴォーカルにフィリピン人の Arnel Pineda を加え、積極的な活動を再開している。今月初めには日本にも来ているし、今回のマカオもその世界ツアーの一環なのだろう。
さて、最後にコンサートを観た率直な印象を二つ(音楽的な話ではありません、あしからず)。
まずは観客のこと。観客は大きく二つに分かれていた気がする。一つは昔のJOURNEYが好きな欧米人、もう一つはArnel加入後JOURNEYが好きになったフィリピン人である。前者は古い曲のノリが良いが、後者はArnelそのものや新しい曲へのノリが良い。このコントラストがおもしろかった。香港にはフィリピン人メイドが大変多いが、男性も随分出稼ぎに来ているのだろう。
彼らにとって、アメリカいや世界で有名なJOURNEYにフィリピン人が参加する、それもヴォーカルを務めるなど、夢のような話に違いない。Arnelはフィリピン人の誇り、自慢、あるいは夢であろう。我々の泊まっていたホテルのボーイ(どうもフィリピン人らしい)にJOURNEYのコンサートに行くと言ったら、彼はとても羨ましそうな顔をしていた。そして、Arnelの声がSteve Perryにそっくりだったので彼がオーディションで選ばれたのだと教えてくれた。
次にArnelのこと。確かに彼の声はSteve Perryにそっくりだと妻は言う。ともに声は高いが、ArnelはSteveのように声がしゃがれておらず、伸びの良い、通る声だと言っていた。まあ、どちらが良いかは好みの問題であろう。
で、僕の印象。実は、彼のステージを見ていると次第に痛ましい気がしてきた。バンドで彼だけ浮いている。他のメンバーはただ淡々と演奏しているのに、彼だけやたら飛び跳ねたり、舞台を走り回ったり、マイクを放り投げたりしている。おまけにバンドのメンバーは皆背が高いのに彼だけ小柄だ。東洋人としては普通かもしれないが、長身のメンバーと並ぶと優に30センチ以上の差がある。大男の中で一人はしゃぐ彼が、僕は哀しかった。
「まるで猿回しの猿だ。」僕は思った。「そんなに無理しなくて良いのに。」
が、待てよ。Steveに声が似ていると彼が選ばれたのなら、おそらくステージの立ち振る舞い、アクションもSteveを真似るよう強制されているに違いない。Steveのビデオを見せられ、彼の一挙手一投足を覚えこまされたのかもしれない。それこそ、この曲のときは間奏でジャンプする、大きく足を振り上げる、台を駆け登るなど、契約に事細かに謳われているのかもしれない。
一人浮かれてはしゃいでいるのではなく、彼も仕事で仕方なくやっているんだ。そう思うと少し気が楽になった。
しかし、もしそれが本当なら、やっぱり猿回しの猿と変わらない気が・・・・。