今朝、早起きして築地に行った。久々に和食『かとう』で朝食(『かとう』については 2006/3/15付『魚市場とダミ声の法則(?)』をどうぞ)。いつものように、刺し盛り、野菜3点盛りと金目鯛(カマ)の煮付け、それにビール。やっぱり旨い。
そろそろ帰ろうとしたとき、隣に若い女性の二人組が来た。
「私、カレイの煮付け。私達、マンガを見て来ました。」
もう一人が注文する。「私、金目の西京漬け。」
「マンガに出たのは銀ダラだよ。」とお店のお姉さん。
「あっ、じゃあ、銀ダラ。」と彼女。
マンガ? いったいなんの話だろう。
お姉さんに訊ねたところ、「これ、これ。」と言ってスタンプカードをくれた。そこには『いつかティファニーで朝食を』朝食ラリー、と書いてある。「ウチ、1巻目に出たんだ。」と教えてくれた。「このマンガ、めちゃおもしろいですよ。」と隣の女性がたたみかける。
知らなかった。『かとう』には十年近く通っているが、マンガに出たことなど全く知らなかったし、そもそもこのマンガ自体知らない。家に戻り、早速マンガについて調べたところ、実際にあるお店の美味しい朝食を紹介しながら、現代の東京に生きる若い女性達の姿を描いたものらしい。
僕だって『ティファニーで朝食を』なら知っている。トルーマン・カポーティの小説だ。ティファニーは宝石店で朝食など出していないが、題名は「ティファニーのような高級なお店で、朝食を食べられる身分、お金持ちになりたい」というたとえである。
もっとも日本ではオードリー・ヘップバーンの映画の方が有名。僕は小説を読んだし、映画も見たが、いずれも30年近く前。もうあまり覚えていない。覚えているのは、主人公のホリー(オードリー)がティファニーのショーウィンドウを覗きながらパンを食べるシーン、「ムーン・リヴァー」の甘く、少し切ない調べ、そして「ホリー・ゴライトリー、旅行中」という表札(?)くらい。あと、確か映画はハリウッド映画らしくハッピーエンドだったが、小説は違った気がする。ホリーは恋人のもとを去って行った。
ホリーは「旅行中」という表札の通り自由に生きている。実際にいつも旅に出ているわけではなく、精神的というか、考え方や気持ちが自由、何物にも束縛されない、といった感じだ。長いこと会社勤めで、決められた枠の中でしか生きていない僕からすると、それは羨ましく、憧れる反面、怖くもある。
『いつかティファニーで朝食を』の作者は、マキ ヒロチさんという女性である。彼女がなぜこのタイトルを選んだのか気になる。文字通り、ティファニーのような素敵なお店で美味しい朝食をというだけかもしれない。あるいは、女性よ、朝からしっかり美味しい朝食を摂って、強く、自由に生きようと訴えているのかもしれない。それは本を読んでみないとわからない。
美味しい朝食と偶然の出会いから、いつか『いつかティファニーで朝食を』を読んでみようと思う。
そろそろ帰ろうとしたとき、隣に若い女性の二人組が来た。
「私、カレイの煮付け。私達、マンガを見て来ました。」
もう一人が注文する。「私、金目の西京漬け。」
「マンガに出たのは銀ダラだよ。」とお店のお姉さん。
「あっ、じゃあ、銀ダラ。」と彼女。
マンガ? いったいなんの話だろう。
お姉さんに訊ねたところ、「これ、これ。」と言ってスタンプカードをくれた。そこには『いつかティファニーで朝食を』朝食ラリー、と書いてある。「ウチ、1巻目に出たんだ。」と教えてくれた。「このマンガ、めちゃおもしろいですよ。」と隣の女性がたたみかける。
知らなかった。『かとう』には十年近く通っているが、マンガに出たことなど全く知らなかったし、そもそもこのマンガ自体知らない。家に戻り、早速マンガについて調べたところ、実際にあるお店の美味しい朝食を紹介しながら、現代の東京に生きる若い女性達の姿を描いたものらしい。
僕だって『ティファニーで朝食を』なら知っている。トルーマン・カポーティの小説だ。ティファニーは宝石店で朝食など出していないが、題名は「ティファニーのような高級なお店で、朝食を食べられる身分、お金持ちになりたい」というたとえである。
もっとも日本ではオードリー・ヘップバーンの映画の方が有名。僕は小説を読んだし、映画も見たが、いずれも30年近く前。もうあまり覚えていない。覚えているのは、主人公のホリー(オードリー)がティファニーのショーウィンドウを覗きながらパンを食べるシーン、「ムーン・リヴァー」の甘く、少し切ない調べ、そして「ホリー・ゴライトリー、旅行中」という表札(?)くらい。あと、確か映画はハリウッド映画らしくハッピーエンドだったが、小説は違った気がする。ホリーは恋人のもとを去って行った。
ホリーは「旅行中」という表札の通り自由に生きている。実際にいつも旅に出ているわけではなく、精神的というか、考え方や気持ちが自由、何物にも束縛されない、といった感じだ。長いこと会社勤めで、決められた枠の中でしか生きていない僕からすると、それは羨ましく、憧れる反面、怖くもある。
『いつかティファニーで朝食を』の作者は、マキ ヒロチさんという女性である。彼女がなぜこのタイトルを選んだのか気になる。文字通り、ティファニーのような素敵なお店で美味しい朝食をというだけかもしれない。あるいは、女性よ、朝からしっかり美味しい朝食を摂って、強く、自由に生きようと訴えているのかもしれない。それは本を読んでみないとわからない。
美味しい朝食と偶然の出会いから、いつか『いつかティファニーで朝食を』を読んでみようと思う。