面白いかどうかは別として、今のパレスチナの状況を知るのに良い映画である。
この映画はガザでの戦争が始まる前に撮られたドキュメンタリー。場所もガザではなく、ヨルダン川西岸地区が舞台である。この地で生まれ育ったパレスチナ人のバゼルは、イスラエル軍やユダヤ人入植者の理不尽で残酷な行為の数々をカメラに収め、それを世界に発信してきた。イスラエルによる占領の終結を世界に訴えるために。そんな彼に協力するイスラエル人ジャーナリストのユーバール。民族も宗教も違う2人の繋がりに、先の見えないパレスチナにおける一筋の光を感じる。
イスラエル軍により破壊されるパレスチナ人の家。住民が苦労して建設した小学校まで壊されてしまう。法に基づく強制執行というが、それはイスラエルによるイスラエルのための法律。裁判所はパレスチナ人のことなど顧みはしない。反抗する者は容赦なく逮捕される。
ユダヤ人入植者もタチが悪い。武器を持たず、ただ抗議するだけのパレスチナ人に銃口を向け、しまいには発砲する。
パレスチナに正義はないのだろうか。
もっともこれはパレスチナの側から見た物語である。イスラエルにしてみると、パレスチナやアラブ、あるいはユダヤ人を蔑視し迫害してきた人類全体への怒りや恐怖が、斯かる行動に駆り立てるだけかもしれない。実際、ハマスの中にはイスラエル人の殲滅や隷属化を目標とする者が多いらしい。今回の戦争のきっかけが、民間人千人以上を殺害し、数百人を人質にしたハマスのイスラエルへの越境攻撃だったことを見ても分かる。
が、だからといって、パレスチナにおけるイスラエルの残酷な行為が許されるとは思わない。怒りは怒りしか生まない。どこかで怒りの連鎖を断ち切らない限り、前には進めない。バゼルとユーバールの友情の輪が、二つの民族の中で少しずつ広がっていくことを願わざるを得ない。
以前パレスチナ問題をブログに書いたことがある(「パレスチナ問題は土地問題(2006/3/23)」)。残念ながら、そのときから状況は何も変わっていない。
この映画はガザでの戦争が始まる前に撮られたドキュメンタリー。場所もガザではなく、ヨルダン川西岸地区が舞台である。この地で生まれ育ったパレスチナ人のバゼルは、イスラエル軍やユダヤ人入植者の理不尽で残酷な行為の数々をカメラに収め、それを世界に発信してきた。イスラエルによる占領の終結を世界に訴えるために。そんな彼に協力するイスラエル人ジャーナリストのユーバール。民族も宗教も違う2人の繋がりに、先の見えないパレスチナにおける一筋の光を感じる。
イスラエル軍により破壊されるパレスチナ人の家。住民が苦労して建設した小学校まで壊されてしまう。法に基づく強制執行というが、それはイスラエルによるイスラエルのための法律。裁判所はパレスチナ人のことなど顧みはしない。反抗する者は容赦なく逮捕される。
ユダヤ人入植者もタチが悪い。武器を持たず、ただ抗議するだけのパレスチナ人に銃口を向け、しまいには発砲する。
パレスチナに正義はないのだろうか。
もっともこれはパレスチナの側から見た物語である。イスラエルにしてみると、パレスチナやアラブ、あるいはユダヤ人を蔑視し迫害してきた人類全体への怒りや恐怖が、斯かる行動に駆り立てるだけかもしれない。実際、ハマスの中にはイスラエル人の殲滅や隷属化を目標とする者が多いらしい。今回の戦争のきっかけが、民間人千人以上を殺害し、数百人を人質にしたハマスのイスラエルへの越境攻撃だったことを見ても分かる。
が、だからといって、パレスチナにおけるイスラエルの残酷な行為が許されるとは思わない。怒りは怒りしか生まない。どこかで怒りの連鎖を断ち切らない限り、前には進めない。バゼルとユーバールの友情の輪が、二つの民族の中で少しずつ広がっていくことを願わざるを得ない。
以前パレスチナ問題をブログに書いたことがある(「パレスチナ問題は土地問題(2006/3/23)」)。残念ながら、そのときから状況は何も変わっていない。