25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

原田知世の歌の世界

2015年07月07日 | 音楽
 角川春樹が発掘したというか、起用した薬師丸ひろ子と原田知世はどことなく、女優の艶やかさとは違う、なにか、普通の人みたいな、汚れていないというか、垢がついていないというか、そんな雰囲気を両者とももっている。二人の歌も独特なワールドをもっている。
 昨日、BSプレミアムで、原田知世が他のシンガーのカバー曲を歌っていた。ビートルズの「夢の人」まで歌っていたが、なんといっても
原田知世が自分の歌にしてしまっていたのは原田真二の「キャンディ」だった。原田真二という男性が歌うと高いキーでやはり少年ぽい男の声で歌うし、内容も男の子の歌である。これを原田知世が歌うと、透明で澄み切った別世界になってしますのである。この女性は独自の世界を披露している。おそらく、現在もシンガーを続けているのはどこかの時点で自分の歌声というものがわかったのだろう。
 NHKの連続ドラマで「紙の月」の主役、銀行員で巧妙に偽定期貯金を作って、使い込んでしまい、若い男にみついでしまう犯罪者の役を演じた。これもとってもよく、次に見たのは「songs」での歌だった。

 完璧に、歌っても、独特の世界がなければならない。石原詢子が都はるみになれないのは、石原詢子のワールドがないからだ。ただうまいだけでは、歌というのはこころに響いてこないのである。
 矢沢永吉の最初の「キャロル」は全くドアーズのコピーだったのかな、と最近思った。しかし矢沢永吉は強烈な矢沢節をもっていたため今日まで歌い続けるのである。
 原田知世の清潔感は不思議な魅力がある。歳をとるたびに磨かれているという気がする。スタイルがよい。歩き方も素晴らしい。そして声は全くの癒しの声である。
 唸るところも、気張るところもない。どんな歌を歌っても波のない水面、ときに輝く水面という感じだ。
バンドをもっているということだから、ライブやコンサートなどはやっているのだろう。今度洋楽カバーを出したというからプロデュースする人も、原田知世ワールドを認めているのだろうと思う。
 チャンスがあれば、行きたいと思うのだが、ワインでも飲みつつだったら、もっといいだろうに。
 日本のコンサートは礼儀正しく聴かなければならないので、鬱陶しい。やっぱりライブだな。