25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

ヤモリが三匹に

2016年07月18日 | 日記

  庭の木蓮の気に鶯が居着くようになって、その鳴き声を毎日聞くようになった。春から今日まで毎日のことである。その笛のような声を聴くと、一瞬、気持ちがよくなる。

 バリ島から帰った時、スーツケースに入っていたヤモリが、開けると同時に飛びだし、しっぽを掴むと、それを切って逃げていった。そのヤモリはもうすでに4年経つが、どういうわけか、昨年子供が誕生していた。持ち運んできたしまったのはメスだったのだろうか。それにしても交尾後のメスを連れてきてしまったのだろうか。夏になると毎晩我が家のガラスにぴったりとくっついている。内側からトントンと叩いても、すばやく逃げることもなく、灯りに吸い付いているようである。

 ヤモリがいるためか、なんとなく珍しい鳥の声を聴くようになった。ヒバリも来た。これが美声なのである。よく「美空ひばり」と歌手名にしたものだ。

 このところ別世界の小説を読んでいる。今度は有吉佐和子の「一の糸」、文楽が背景にある。素浄瑠璃、義太夫、太棹三味線。

 有吉佐和子は若くして亡くなったが、関東大震災、日中戦争、太平洋戦争が物語の間に挿入されてくる時代のものを書いているので、文楽の世界から時代の移り変わりがわかるようになっている。宮尾登美子もよく似ている。

 僕などは戦後の生まれで日本も戦後復興から立ち上がった頃に生まれたので、有吉や宮尾の描く世界はなぜか遠い昔の話のように思える。どちらも着物については詳しい。絽とか斜と絣とかと出てくるともうわからなくなる。描写が細かいことにも驚く。

 八月早々に子供たちが来るというので、草刈りがまた始まった。これがくたびれるのである。医者から、「全くの健康体ですよ」と言われた。でもくたびれやすくなっている。歩くようになってからいく分体重も減った。