25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

戦後最悪の事件

2016年07月26日 | 社会・経済・政治

   人間の脳は現実を認識することができるし、非現実を作り出すこともできる。そして、少数ではあろうが、非現実を現実と認識してしまい、頭の非現実を現実化してしまうものもいる。

   今日、戦後最悪の多人数を殺す、しかも 障害者という弱者を殺すという事件が起こった。動機は何かを警察は調べるだろう。精神鑑定もなされるだろうし、薬物検査もなされることだろう。そしてだいたいは、テレビ報道も、新聞も、いつも犯罪の根本まで向かわない。生まれ、育ちにまで言及するのは一部の週刊誌である。母や父との関係を取り上げれば、そこに難しい問題が起こるのだろう。個人としては別扱いであり、育て方がまちがっていたと証明できるものもない。やがては小説やドキュメントとして、書かれるしかない。

 大久保清の場合は、曽野綾子が「天上の空」で大久保をモデルとした。永山則夫の場合は、「貧困と無知」という社会的背景があった。この事件の場合はどうなのか、今後の取材が待たれる。これはジャーナリストの課題でもある。

    さすがこれほどまでの事件になると、なんどもニュースを見るのもイヤになる。