25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

ツケ

2018年07月27日 | 社会・経済・政治
 杉田水脈衆議院議員はLGBT をさしてこどもの日を産まないから生産性がないと書いて雑誌に掲載した。もう多くの人が言っていると思うが、子供を産まない人は生産性がないかと言えば、そうではない。かれらの多くは働いている。消費をしている。安倍総理とて子供はいない。子供のいんし夫婦はごまんといる。
 この議員は消費が遅れた生産であることがわかっていないし、LGBTへの差別をうっかりと安倍総理への皮肉にまでやってしまった。
 このような議員が議員になるのもそれを支持する国民がいるからである。

 国民はときとして卑怯である。福島原発を誘致したとき、それが我が身に起こるとは思っていなかった。原発の再稼働をよしとする住民の意見をテレビでみていると、原発を再稼働してもらわないと地域が活性しない、と言う。呆れる。福島は汚染水をタンクに溜め込み、そのタンクの数がどんどん増えているのである。全くの無明の世界である。原発を廃棄する方法もわからない。この地震列島で、無謀にも42基の原発を再稼働させようとしている。小泉純一郎元首相は自分の無知を反省して、反原発を唱え続けている。なのに、後継指名された安倍自民党政権は原発再稼働をやろうとしているし、海外に輸出しようとしている。
 株価を日銀に下支えしてもらい株主支援をし、彼らが自民党を支える構図である。支持層がわずか30%だというのに、政権を維持している。そしてその中に杉田水脈のような議員もいるのである。
 今日のニュースによると、三大メガバンクの日銀当座に預金が集中しているようだ。企業も留保資金や株の投資資金がメガバンクに集まり、地方銀行には集まらない様子だ。そこで日銀はマイナス金利を導入づるにではないかという噂が飛んでいる。マイナス金利となれば預けているとお金を取られるわけだから、そのお金はどこへいくのだろう。本来は国民に安い利息で融資をし、未来にむかっての起業家を育てたりするはずだ。ところが日本の銀行には育てるノウハウがない。銀行員は育てる人材に育成されていない。メガバンクは大量のリストラを発表している。
 
 日銀の金融政策と政府の財政政策で右往左往しているのだ。株価の維持と輸出企業の保護のためである。
 
 安倍総理再選に関して、やがて行き詰まる日本財政政策の責任をとってもらおうと、再選を賛成している人もいる。このツケを次の政権が処理しなくてはならないならば、と思うだろう。
 それほど危ない時期にきているように思う。
 安倍応援団はこまめにツイッターやブログで、杉田議員を庇う。このこまめさは一つのノウハウである。

 今、世界は転換期入ろうとしている。AIではアメリカの三周遅れだそうである。優秀な科学者は日本から脱出していると聞く。十年後にトヨタが生き残っているかも怪しいと囁かれる。
 東京オリンピックなどやっている場合じゃないよ、と言いたくなるが、決まってしまったものは腹立たしいがしかたがない。来年は消費税があがる。これもこれまでの政治のツケである。

 

血脈

2018年07月27日 | 文学 思想
 予想進路図では台風が尾鷲の方に向かっているように見える。単なる偶然ではあるが、オウムの死刑囚たちが前回死刑執行されたあと、西日本で大雨による甚大な被害がでた。昨日の残り六人の処刑で山口と西東京で大火事が起き、台風が日本列島東側から直撃するという。このような出来事は後の信者たちの書き手によって利用されるに違いない。

 イエスが磔刑によって死んだとき、地上の全面がくらくはなり、続いて、神殿の幕が上から下まで真二つに裂けた。また地震があり、岩が裂け、また墓が開け、眠っている死体が生き返った。「マタイによる福音書」は西暦60年頃に書かれたものだから、おそらく元徴税人マタイが書いたものではなく、マタイ話を聞き取った人か、マタイのメモがあり、マルコのメモも残っていて、旧約聖書に詳しかった人が書いたのではないかと思える。確証はない。
 ただ、このようなことから言えることは、あり得ないことを結びつけるという言葉の魔力が書き手に生じるということだ。イエスの死と全面が暗くなること、地震が起こることはなにの関係もない。しかし、言葉たえず二重性帯びている。イエスが死に瀕しているから心が暗くなったという比喩ととれる。イエスの死によって地震が起きた、神殿の幕が裂けた、というにも書き手の心の怒りと動揺の比喩ともとれる。

 受け継いでいくオウムの信者たちはどのように語り継いでいくのだろうか。ホモサピエンスはありもしないことを信じることが大好きな人類である。

 さて、ぼくは生命の誕生から、動物の誕生、哺乳類の誕生、人類の誕生と今日までのプロセスにはかねてから興味をもってきた。観念的に差別を無化できると思うからである。
 例えば、ある白人と黒人結婚して子を産んだ。この場合、50%と50%の混血である。その混血の子は白人と結婚した。すると25%が黒人血といおうか遺伝子といおうか、割合はそうなる。その子がまた白人結婚し、またその子は白人との子をもつ。これを延々と続けていっても一滴血黒人が入っている。
 これを万世一系の天皇にはめてみる。天皇発生にはその前がある。その前の人はどんな人だったのか、その前はと遡っていく。彼らは南インドさりから中国の沿岸に進み台湾あたりから舟で琉球列島たどり着き、さらに九州を目指したのか。あるいはモンゴル辺りにいて、朝鮮半島から対馬を経由して入ってきたか、中国沿岸から朝鮮半島に至り、九州に入ったか、またバイカル湖周辺から南下して北海道や朝鮮半島にきたのか。
 古代国家を大和朝廷がまとめた大王がやがて天皇と称されるようになった。
 天皇とは血脈として何か。
 近代国家の成立に反幕府側は天皇を利用した。その間、国民国家を形成した明治政府は天皇を現人神とした。日露戦争、日中戦争太平洋戦争で国民大犠牲を歴史上初めて強いた。その反省がないまま、近代社会が終わりを迎えようとしている。象徴天皇は生前退位を表明した。初めて政治的発言をしたのである。これは天皇家の危機感の現れであるとぼくは思う。そしてそれは社会の変化と対応している。
 
 次の社会はどのようなもがモデルとなるのか、手探り状態である。