エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

節分草・・・寒さの中で気品をたたえて咲く

2011年03月04日 | ポエム
節分草の花を失ってはいけない



節分草は希少植物であって、StatusとしてはNT(絶滅危惧種)である。
この表は、環境省のレッドリストである。

最大の原因はやはり環境破壊である。
節分草が生き続け花を開き続ける場所・・・自生地が開発によって消えていったことである。

この節分草という名前は、早春に芽を出し節分の頃に花を咲かせることからついたのである。

節分草はキンポウゲ科セツブンソウ属である。






        セツブンソウという儚い命を



      儚い生命のほのほを燃やし続ける逞しい力
      邪なヒトの企みによって
      あえかなほのほになって
      ちろちろと
      しかし燃え続けているのだ
      その逞しき生命力の根元はヒトへの
      怒りであるのかそれとも
      自らの儚さへの連綿とした自覚によるものなのか
      命を宿す行為が蘂と顎片に鮮やかな色彩となって
      積もっていく
      沈殿していく
      季節を分けヒトの営みを規定する
      尊崇される時空に身を置きながら
      消え入ろうとする行為は

      だから
      許されないのだと
      知れよ





シリアやレバノンに自生する節分草は、聖地の贈り物と言われている。
心地よい響きの言葉である。

「聖地の贈り物」である。



この花は、雪の下から雪を突き破って出てくるエネルギーを持っている。
節分の時期には、必ず咲くのである。

健気(けなげ)である。

花言葉は・・・気品・ほほえみ・光輝・人間嫌いである。

雪を突き破って出て来て、然も気品に満ちている。
厳しい寒さの中で微笑んでいる。



学術名はエランシスである。
Eranthis(エランシス)は、ギリシャ語の「er(春)+ anthos(花)」が語源で”春の花”の意味である。






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                     荒野人