大地震があり、それは津波地震とでも表現すべき、鋭くかつ巨大な爪である。
その日、とっぷりと日が暮れた後上空に下弦の月が煌々輝いた。
下弦の月
伏し目がちにきみは下界を見下ろしている
きみと神が与え賜うたこの深甚な天災は
いまぼくたちを狂気の坩堝に投げ込んでしまった
きみはそれを真っ向から見なければならないのではないか
伏し目がちな視線はやめたまえ
ぼくたちの未来を満月で照らし
その進む道を照らし続けよと
ぼくたちは希求するのだ
きみがこれから徐々に満ちていくように
ぼくたちにもその確実な手順を保証せよ
下弦の月にぼくたちは祈り続ける
きみのようにありたいのだけれど
伏し目は止めて真実をみつめよと
そうであったとしたら
ぼくたちはきみに
希少な食物を捧げ効果な飲み物を捧げる
いつまでも混乱が続くことはないのだと
ぼくたちは知っている
下弦の月が満ちていき満月になり
やがて負の遺産をきみが欠けるようにして捨象することを
きみはそうして太古の昔から
歴史を紡いできたことを
ぼくたちは知っているのだ
下弦の月よ祈らせてくれ
いまぼくたちが涙を流すことより
いまぼくたちがひたすら祈ることより
いまぼくたちが生きようとすることより
いまぼくたちは支えあって前に進むのだ
下弦の月が天空に輝き
ぼくたちは支えあう
支えあい輝くのだ
その日(3月11日)の大地震前の空と雲である。
あまりにも美しい空と雲であった。
だからこそ予感を感じなければならなかったのかもしれないのだけれど・・・。
その鋭い霊感のない自分が悲しい。
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荒野人
その日、とっぷりと日が暮れた後上空に下弦の月が煌々輝いた。
下弦の月
伏し目がちにきみは下界を見下ろしている
きみと神が与え賜うたこの深甚な天災は
いまぼくたちを狂気の坩堝に投げ込んでしまった
きみはそれを真っ向から見なければならないのではないか
伏し目がちな視線はやめたまえ
ぼくたちの未来を満月で照らし
その進む道を照らし続けよと
ぼくたちは希求するのだ
きみがこれから徐々に満ちていくように
ぼくたちにもその確実な手順を保証せよ
下弦の月にぼくたちは祈り続ける
きみのようにありたいのだけれど
伏し目は止めて真実をみつめよと
そうであったとしたら
ぼくたちはきみに
希少な食物を捧げ効果な飲み物を捧げる
いつまでも混乱が続くことはないのだと
ぼくたちは知っている
下弦の月が満ちていき満月になり
やがて負の遺産をきみが欠けるようにして捨象することを
きみはそうして太古の昔から
歴史を紡いできたことを
ぼくたちは知っているのだ
下弦の月よ祈らせてくれ
いまぼくたちが涙を流すことより
いまぼくたちがひたすら祈ることより
いまぼくたちが生きようとすることより
いまぼくたちは支えあって前に進むのだ
下弦の月が天空に輝き
ぼくたちは支えあう
支えあい輝くのだ
その日(3月11日)の大地震前の空と雲である。
あまりにも美しい空と雲であった。
だからこそ予感を感じなければならなかったのかもしれないのだけれど・・・。
その鋭い霊感のない自分が悲しい。
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