今日は朝から雪が舞っている。
昨日までさんざめいていた季節は、冬に舞い戻ってしまった。

湿り気を帯びた重たい雪である。

時ならぬ雪
名残雪でもあるまいに
そうまでして社会を暗闇に垂れこませたい
と
きみは言うのだろうか
朝起きた時のぼくの衝撃を
きみは知らないだろう
きみは
ぼくの全ての予定を
かき乱し
狂わせてしまったのだ
ぼくの
熱き思いをきみは知らない
知らないからこそ美しく降っている
ぼくは
きみを許す
ぼくに
哲学的にしてかつ倫理的な思惟の時間を
担保したからなのだ
雪はこうしている間も降り続け
舞い続け
ぼくを思惟の時間に垂れこめて飽きることが無い
ぼくはぼくの熱きパトスを押し込めよう
押し込めて倫理と哲学の淵に
立ち続けよう
そこに逢着できたらの話だが
その岸辺は彼岸であって
生き様が問われ
現実を鋭く分別するのである
岸辺を歩ませよ
と
ぼくは壊れてしまいそうな胸の内で
慟哭する

カラスウリの枯れた実生の上にも雪が降り積んでいる。

もちろん白梅と紅梅のバランスも崩すことなく雪が降り積んでいる。
そこはかとなく身に沁み入る寒気である。

桜のトンネルが雪のトンネルに変わって、面白い趣向である。
こうしたかそけき自然の移ろいに、自然の意匠を感じるのである。
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荒野人
昨日までさんざめいていた季節は、冬に舞い戻ってしまった。

湿り気を帯びた重たい雪である。

時ならぬ雪
名残雪でもあるまいに
そうまでして社会を暗闇に垂れこませたい
と
きみは言うのだろうか
朝起きた時のぼくの衝撃を
きみは知らないだろう
きみは
ぼくの全ての予定を
かき乱し
狂わせてしまったのだ
ぼくの
熱き思いをきみは知らない
知らないからこそ美しく降っている
ぼくは
きみを許す
ぼくに
哲学的にしてかつ倫理的な思惟の時間を
担保したからなのだ
雪はこうしている間も降り続け
舞い続け
ぼくを思惟の時間に垂れこめて飽きることが無い
ぼくはぼくの熱きパトスを押し込めよう
押し込めて倫理と哲学の淵に
立ち続けよう
そこに逢着できたらの話だが
その岸辺は彼岸であって
生き様が問われ
現実を鋭く分別するのである
岸辺を歩ませよ
と
ぼくは壊れてしまいそうな胸の内で
慟哭する

カラスウリの枯れた実生の上にも雪が降り積んでいる。

もちろん白梅と紅梅のバランスも崩すことなく雪が降り積んでいる。
そこはかとなく身に沁み入る寒気である。

桜のトンネルが雪のトンネルに変わって、面白い趣向である。
こうしたかそけき自然の移ろいに、自然の意匠を感じるのである。

荒野人