エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

おきな草

2016年05月09日 | ポエム
おきなぐさ・・・と読む。
おきなそう・・・ではない。



翁というには、あまりにも個性的である。
少しばかり毛深いけれど、毅然として花開く。



こうして見ると、その個性は際立つ。
山野草の、珍しい花である。



蕊の有様も良い。
色合いは決して良いものではないけれど、気品のある花である。

この花弁が、枯れると・・・



こうなる、のだ。
この白毛状のもおは、オキナグサの実である。
まるで老人の白い髭のようである。







「オキナグサ白毛状の実の爆ぜる」







かくして、この花は「おきなぐさ」と呼称されるのである。



まさしく、翁の髭である。
オキナグサは、晩春の季語である。
節季で言えば立夏が過ぎた。

実質は、夏隣である。



      荒 野人