エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ユリの木

2016年05月11日 | ポエム
ユリの木に花がついた。
高い場所に咲くので、見逃してしまう。

けrども、見つけたらじっと見つめて欲しい。
それほど床しくも美しい。



花の形が百合に似ているからと、樹の名前自体もユリの木となってしまったのだ。
極めて特徴的な花である。







「夢現ユリの木の花宙遥か」







このユリの花は、いつもぼくが座るベンチの横にある。
いや、ベンチの上にあると云う方が正しい。

この花の下のベンチは、ぼくの定点である。



思いがけず、素晴らしい言葉が浮かんだりすることもある。
句が出来ずに、打ち拉がれているときも励ましてくれる。

風がすこやかに通り過ぎる。
それもこれも、ユリの木の精霊が齎してくれる僥倖である。



      荒 野人