エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ゾウのはな子

2016年05月28日 | ポエム
東京都武蔵野市の井の頭自然文化園で飼育されていたメスのアジアゾウ、はな子が亡くなった。
悲しい!



2006年の4月の映像である。
ぼくは、はな子に会って来たばかりである。

会っておいて良かった!
と思っている。



はな子について、少し詳しく触れておきたい。

1947年にタイ王国で生まれた。
タイでの名前は「カチャー」。
「カチャー」は2歳半の時、タイから日本に贈られて、1949年8月22日にデンマーク船オラフ・マークス号でタイを発ち、9月2日に神戸港に着いた。
そして、貨物列車とトラックを使って、9月4日に恩賜上野動物園に到着した。当初、上野動物園では「カチャー子」と呼ばれていたが、公募により、戦争中に餓死した「花子」(ワンリー)の名を継いで「はな子」と名付けられた。








「蚊遣火や像のはな子の訃報聴く」




上野動物園には、「はな子」到着のすぐ後の1949年9月25日にインドから贈られた「インディラ」も到着した。
その後、はな子とインディラは、全国を回った。
若いはな子は、東京を中心に巡回したのであった。
「はな子」を見た武蔵野市や三鷹市から、井の頭自然文化園での「はな子」の展示を求める声が上がった。
1954年3月5日、「はな子」は上野動物園から井の頭自然文化園に移された。

2016年5月26日に死去。
69歳没。
翌27日の解剖で死因が呼吸不全と判明。
遺体は国立科学博物館に寄贈されたのである。

悲しさの中に、ぼくはいる。
会っておいて良かった・・・改めてそう思うのである。



    荒 野人