AKILA's えgo

気まぐれに、ドラムや音楽の気になった事上げとります。

古豪の頑張り

2021-10-20 23:46:00 | ノンジャンル
ここ3年くらいで、メタルでも大ヴェテランの域に達するバンドのリリースしたアルバムがかなり良いものを生み出しにかかっている。

世界がこんな状況だったから、曲作りに専念できた結果が反映されたというバンドもあれば、そうなる直前、現在進行形で冴え亘っていたバンドも当然ある。

ソレは今年に入っても言える事で、特にエクストリームメタル系列でのバンドがそんな感じに思える。

個人的に引っかかったのは、AT THE GATES、CARCASS、FEAR FACTORYの3バンド。
いずれも、その音楽形態としてはある種先駆的存在だ。

そんなバンドが最新アルバムで意欲的な創作性を露わにしているのは何とも心強い。
同時に、新進気鋭なバンドがテメェの中で現れてこないのが何とも悲しいところだ。

影響を受けた時代背景的は、大きな事実である。
その時代の音楽をリヴァイヴァルとして表現にかかる若いバンドも居り、彼らにとって「新たな発見」として演奏している節は理解できる。

でもなァ、そこが「音楽形態そのままモノマネ」の領域を脱してないのが多いと感じる。
ここもまた無駄に歳食って吟味してきた老害的見識であるのは、ちょっとは自覚しているよ。

ただ、腐っても現役で音楽活動している身としては、その音楽かくあるべしな定型にばかり意識の行ったもの以上に、そのバンドの「音そのもの」を核として、定型より少しでも違った形を提示しようとする創作性を重視した方が、見聴きしていても面白いと感じる。

出している音って、実際大事。
特にロック/メタルでは、ギターの音がヴォーカル以上に重要視される。
そこには当然ながら演奏者の様々な技量が絡んで、最終的にアンプから放たれる音として結実するワケだが、まァギタリストという存在が実に重要。

そして、そこに集っているベースやドラムも、少なくない影響を与えているワケで、最終バンドとしての決定的な個が生まれる。

そこには、魔法や化学反応と言った、理屈/理論では到底言い表せないものが結びつきとして存在していて、メンバーの演奏が、必ずしも同調しているとは限らないのも特性だ。
それでも、得も言われぬ良さというものを感じられる。

少し前に、年輩の仕事場の同僚と話していたが、曰く「ロックは、(専門)学校で習うべきものじゃない」と。
オレもそうだと思う。

楽器の演奏技術として学校で習うのは必要とは思うが、その音楽形態を教えられてやるのは、オレも昔からおかしいとは思っていた。
ま、ある程度型式ができている昨今であるし、教職としての立ち位置で仕事を得ようとするならば、多少なりとも先達の恩恵によって出来上がったものを「このジャンルはこういうもの」と指導していくのは、致し方ない部分でもある。

爆音なジャズがあれば、繊細なロックもある。
音楽形態としての存在感や意味合いとしちゃ、そこは「は?!」と思ってしまうが。
つまり、演奏技術をジャンル分けするというのは、特にロックという分類では必要ないとすら感じる。

そーいう感性を統合させ、先に挙げたバンドは自分達の創作性を露出させていると、オレは感じている。
特にそこでアーティストぶるつもりも無ェが。

卓越したセンスを持ちながら長く続けてきたバンドの強み。
古豪と呼べるバンド達は、そーいうものなんだろう。

そーいや、MACHINE HEADもあともうちょっとで結成30年に到達するんだよな。今のあのバンド、どーいう方向に進もうとしているのかさっぱり解らずだが。

そんなMACHINE HEADへSLAYERのケリー・キングが祝福のメッセージを送っていたが、その中で「俺達は止めるの早過ぎた」みたいな愚痴も漏らしていたのを記憶している。

まァ、そう思うのも無理からぬ事だ。
でも、ケリーは続けられたと思っていても、『REPENTLESS』以降でSLAYERがあの威厳を保てたかというと、無理なんじゃないかと個人的には思っている。

ジェフ・ハンネマン、そしてデイヴ・ロンバード師匠が居ないあの面子で、SLAYERがSLAYERたらしめるものは半分も提供できない気がする。

だったら、ケリーもいっその事K.K.s SLAYERとか名乗って始めたら良いんじゃないのかね。
ケッコー前の情報が確かなら、ケリーは今ポール・ボスタフと一緒に組んで曲作りしているらしいからな。

もう一つのSLAYERって形で、また始めればよろしかろう。

あ、そーいや、MACHINE HEADで思い出したが、
来月にリリース予定のBULLET FOR MY VALENTINEのアルバムは期待。
「バンド史上最もヘヴィになる」とマット・タックが公言した中で公開された2曲は、聴いててMACHINE HEADみてぇだなと思った次第で、前作がまったく煮え切らない感じだったんで、今回はかなり良さそう。

もう彼らもヴェテランの位置に居るんだよな。
新世代メタル御三家などと呼ばれていたのも、今は昔だな。

その中でも、オレは彼らは好きなバンドである。
ほぼ同世代ってのもあるんで、頑張ってほしいな。