AKILA's えgo

気まぐれに、ドラムや音楽の気になった事上げとります。

このくらいの間隔で良かったりもする

2023-04-18 13:40:16 | 音楽・ライヴ

漸く次のアルバムをリリースしてくれた感がある。

前作『WINGS OF WAR』から4年。
この4年という間隔は、OVERKILL史上最長のアルバムブランクだという。
これまで長かったとしても3年ほどで、殆どが平均して2年に一度という間隔でリリース(アルバムという形体としては、今回で19枚目)というペースなのは、40年を迎えるバンドとしては驚異的なスピードだと言える。

同じ日にリリースされた超有名メタルバンドは6~8年くらいのペースが当たり前になっているのを横目に・・・と比較するのは野暮か(いや、そのバンドも好きですよ:笑)。

ちょっと前にIN FLAMESを取り上げた際に書いたが、前作『WINGS OF WAR』はIN FLAMESの『I,THE MASK』と並び2019年のベストアルバムだった。
因みにアルバムカヴァーは、個人的にOVERKILLで最も好きなアートワークだったって事もココで記しておく。

奇しくも、この2バンドはまた同じ年にアルバムをリリースする事になったワケだが、その事実もオレとしちゃ期待が膨らむ要因となっていた。

まァ前作があまりにも良かったんで、正直4年くらいの間隔空いていたくらいが丁度良い気もするんだよね。
メタルシーンで、オッサンキャリアの人間になると、ハイペースは耳が追っつかない。
個人差はあるだろうが、少なくともオレは良いアルバムであればそれなりに徹底して聴き込み入る方だから、次から次へという動きをされても、直ぐに対応はとらない。
OVERKILLの多作振りは確かに驚くべきところではあるが、それでもアルバム内容的に密度の落差があったりするんでね。こんくらい待たせてくれても良いんじゃねぇのかな、と。

今回の『SCORCHED』は、ドラマーにSHADOWS FALLのジェイソン・ビットナーが参加して2枚目。ギターチームは今年で20年を迎える。間違いなくバンド史上最長のコンビであり、当然ながら現編成が最強のラインアップだと言える。

コレはオレの持論であるが、このバンドはドラムのテンションに落ち目を感じると、大体アルバムの質がそこまで良いものじゃなくなってたりして、結果としてドラマーが脱退する。

飽くまでも個人的感覚でソレが当て嵌まっているだけである。
が、そこから新しいドラマーが加入してから1、2枚目辺りでのアルバム全体の引き締まり方は凄まじく、以降のテンションを引っ張て行く感じをよく受けるんだよな。

前作が正にソレ。
前任者のロン・リプニッキも加入してからの『IMMORTALIS』と『IRONBOUND』は当時のOVERKILLのマンネリしかけた状況を打破した(特に後者)印象だった。
ロン在籍時最後のアルバムである『GRIND WHEEL』は妙に低いテンションを特にドラムから感じたんで、残念ながらハマる事は出来なかった。

あと、今のジェイソンが良いのは、ドラムが生ドラムをマイクで通してという感触のある鳴りで聴こえてくる点かな。
音の粒が一つ一つ明確でリズムキープも正確なのは、SHADOWS FALL時代からも知られていたと思うが、OVERKILLに加入して、よりその強みが増した様にも思える。

で、
今回の『SCORCHED』は、❝バンドとしては多様な曲が並んでいる❞と言われている内容だが、基本的には❝OVERKILLによるスラッシュメタル❞という枠組みを逸脱していない(というか、出来ない:笑)。
オレとしては、こちらが聴き弛みを起こさせない程度に曲調の違いを感じさせる内容だと感じた。

今作と前作との関係を敢えてつけるとしたら、今から20年以上前にリリースされた『BLOODLETTING』と『KILLBOX 13』の関係に似ている気がする。

『BLOODLETTING』と『WINGS OF WAR』は、OVERKILLの核となるメタルを剝き出しにした、オラオラ感のあるテンションを終始保ったアルバムであったのに対して、『KILLBOX 13』と『SCORCHED』はそこからもう少し多彩な曲調を取り込んだアルバムの流れを伺える。

OVERKILLが、音楽要素として幅が狭いと言うつもりは無いケドね。
大事なのは、最後まで聴いていられるほどに興味を向けられる曲にしているか、だから。

その意味では、今作は4年のブランクもあって、良い状態で耳にする事ができそうだ。