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ゾーン — 相場心理学入門(6)
ようやく最終章まで来ました。
11章の冒頭にこうあります。
「トレードを最も簡単な形で説明せよと聞かれたら、パターン認識の数字ゲームだと答えるだろう。」
んー、そうでしょうか。「パターン認識」って、ある時は有効で、ある時は無効、そこにどこまでの確率的
優位性があるんでしょうか。
本書はたびたびこうした文章が出てきますが、その「パターンの判断」とやらの有効性は、自明のこととされて
いるような書き方で、その根拠はまったく示されません。
本書は、「そりゃ大事やね」と納得できる部分と、「なんでそうなのか意味がわからんわ」というところが両方
でてくる感じがします。
また、翻訳が堅く、一般化されたような表現が多い(非常にわかりやすい具体例が出て来ることもありますが)
ため、それをどう受け取るか、自分のこととして理解するかは読む側にまかされているように感じるところもあります。
本書の最後にはこうあります。
「私は読者の皆さんの成功を望んでいるし、「幸運を祈る」と言わせてほしい。しかし実際には、適当な技術の習得に
勤めれば幸運は必要ないだろう。」
ここのところは、なるほど、そうかなと思いますね。
「適当な技術の習得」の中味というのは、個々それぞれで違うと思います。
ある人にとってはズバリ適した優位性のあると思われる「技術」「方法」が、
別の誰かにもそのままあてはまるとは限りません。というか、あてはまらない場合が多いでしょう。
なぜかというと。私はあなたではなくて、あなたは他の誰かではなくてあなただから。
それぞれのおかれている条件や状況、目標、個人的資質や特性等すべてが違うのですから、取るべき最適な手法等
も異なるのが当然です。
逆に、一般的に言って当然避けるべき方法というのはあります。こちらの方が一般化しやすいように思います。
結局、自分に合った方法、スタンスは、自分で見つけて習得していくしかありません。
また、それは固定的なものではなく、かなり流動的に変化するものでもあるでしょう。
自分自身の様々な状況は必然的に変化するわけで、そうなのに固定的な方法にしがみついていることは、
状況に自分を合わせ最適化することができていないということでもあるでしょうから。
また、私は「幸運」という言葉は、あまり好きではないというか、どうもしっくりきません。
それよりも「偶然」とか「たまたま」とか「まぐれ」とか「確率的必然」といった言葉の方がはいってきやすいです。
「幸運」というと、なにかそんなものがあるような気になりますが、そうでしょうか。
それはうけとる側の「想像上のイメージ」でしかないのでは?。
「偶然」とか「たまたま」とか「まぐれ」という方ですが、これはなにもしなくても兎が切り株にぶつかってくれると
いうことではないですよ。
そういう場合もまれにあるかもしれませんが、そうしたことに遭遇する条件を整えている人にそれは起こる場合が多いでしょう。
であれば、合理的と思える範囲でそうした条件を整えておくことは重要ですし、
それはそんなに高い技術を必要とせず高いコストもかからない場合が多いです。
IPOはブックを入れなければ当たらないし、株を持っていなければ暴騰で利益を得られることもないです。
債券は安定的な利益をもたらしてくれますし、利用できるキャンペーンは利用したらいいでしょう。
合理的とは思われない宝くじは私は買いません。←エンターティンメントのコストとして考えるのなら、買いたい人を
否定はしませんけど。
とかいうような、あれこれのことを本書からあらためて考えたりしました。
こけから、最終章をちゃんと読んで終了です。