週刊ダイヤモンドのマネー・金融に「山崎元のマネー経済の歩き方」というコラムがあります。
山崎元さんは結構厳しい、身も蓋もないようなことを時々書いたりするのでわりと好きで時々見てます。
で、最新の内容が
個人が行動ファイナンスから学ぶ7カ条
7つ、個人投資家が行動ファイナンスから学ぶべき教訓が列挙されてます。
1.「自分も含めて、人間は間違うと知る」
そんなもん、間違いまくりでしょう。でないと、数々のバブルの説明はつきませんし。
じゃあ、効率的市場仮説は完全に間違いなの?。
山崎氏の著作の中で「市場が効率的に見えるからといって効率的であると言えるわけではない。」
というような文言があったように思いますが、まあ、そんなに簡単に市場を出し抜くような運用をすることは難しいですわなぁ・・・。
ただ、人がいつも経済的合理性に基いて行動するなんていうことはないわけでね。そういう意味では間違いまくるのが当然ではあるかと思います。
だって、毎月分配型の投信なんて、経済的合理性から考えたら、これは損でしょう。そういうものが売れるわけですからね。
2.「気休めのために売買しない」
過剰な売買がパフォーマンスを悪化させるというのはそうでしょう。
じゃあ「気休め」というのではなくて「楽しみ」としてはどうでしょうか。
私自身は松井で10万以下の細かい売買をわりとしますが、これなんか「楽しみ」の部分が大きいです。
別に債務超過の1桁株価の銘柄を買ったりはしません。普通の売買です。売買手数料がなければ、その分、手数料負け云々を意識する必要がないですしね。
利益も損失も細かいですから、これが全体のパフォーマンスに大きく響くということはないです。
ですが、当然、利益を出すことは心がけて売買しますし、こういう「楽しみ」売買は、私は悪くないと思いますが。
これはちょっと「気休め」ということとは意味が違うといえばそうです。
3.「過去を将来に当てはめない」
それはそうでしょう。ということは、テクニカル分析様なんかは全部ダメということになりますか。
ですが、じゃあ、私達は何に学べばいいのでしょうか。将来の予測を投資のパフォーマンスを安定的に向上させる程度の確度で行うことは困難。
つまり、「わからない」ということですか。
自分なりの方針なり目標なりスタイルを持つことは大事だと思います。また、事前に様々なシナリオを想定して対応を考えておくことも有益だと思います。
4.「お金に色を付けない」
確かにそうです。お札に「株で儲かったお金」「国債の利金」「給与所得」とか書いてないですから。
キャピタルゲインだろうがインカムゲインだろうが、利益が出ればいいわけです。無論、仕事をしての報酬もよいです。
これらを、どういう形での収入だったかということで区別するのは意味がない。
こうした、いわゆる「心の会計」の問題はよく指摘されるところです。
しかし、それがわかっていても、この発想はなかなか抜けきりません。
だから、逆に言うと、予期せぬ利益があった時にそれを有意義に使うというのは悪くないと思います。普通なら買わないようなものを思い切って買うのは悪くない。
無論、再投資でもいいのですけど。 私の当面の目標は「コンテッサ」。10万以上する椅子です。
かつてIPO一発で500万の利益が出た時に、私はこれを使わずに再投資の原資にしました。
これで、「あー、もう、無理しなければ全体としてそんなに損失が出たりすることはないな。」と非常に気楽になったのを覚えています。
BMWのかわりに精神的余裕を得たということです。
5.「自分の買値にこだわるな」
といわれても、それはこだわります。こだわりすぎるのはよくないですが、買値や売値はちゃんと記録しておかないといけません。売買の記録をきちんとしておかないと、自分のポジジョンがいったいどうなっているのか、損をしているのか利益が出ているのかさえわからなくなってしまうことがありますから。
まあ、これは実際の売買で買値にこだわるなということとは意味が違いますけど。
6.「“絶対”にこだわらない」
投資関係で「絶対」という言葉が出てきたら、まあ、危険です。それは自分自身の発想としてもそうですし、よそから聞く話としてもそうです。
「絶対ということはない」というのはほぼ絶対だとは思いますが。
7.「お金と幸せを混同するな」
そうですね。お金は手段です。分を知るということは大事だと思います。
ということで、全体として、そりゃそうで、わかっちゃいるけど・・・、というところです。