「ドラキュラ」という小説あるいは映画を見たこと
があるでしょう。この小説が出版されて大騒ぎになっ
たとき、ヴェネズエラの市民権を取得したアンリ・シ
ャリエールは私の経験してきたことのほうがずーっと
面白いと言って書いた小説を映画化したのがこの「パ
ピヨン」という映画です。
私は「ドラキュラの小説は読んでいないのですが、
映画はそれほど面白いとは思いませんでした。が、
「パピヨン」という小説は映画を見た後で読みました。
実際は映画よりも小説のほうがおもしろいと思いまし
た。しかし、映画はロケ地の風景が大変美しく現地人
(映画の登場人物)の素朴さが何とも言えない心温ま
るものでした。パピヨンというのはフランス語で蝶を
意味する言葉ですが、仲間の裏切りで終身刑の判決を
受けた男の胸に掘られ入れ墨で、その男をパピヨンと
呼ばれた。過酷な重労働に耐えられず繰り返し脱獄し
そのたびに捕まり刑期が増加する。最後の脱獄をして
ベネズエラの市民権を獲得し、静かな後半生を送ると
いう男の半生を伝記として描いたものです。
主演は、ステーブ・マックイーンそして共演がダス
テイン・ホフマンです。1974年3月に日本で公開
されました。TV初登場は1977年10月で日本語吹き
替え版でした(この部分は資料によります)。