それからしばらく経った夏のある日、玲子は久しぶりに帰省した。
何年経っても変わらない故郷の景色に、いつも癒される。
あ、そういえば、この川原で、まゆみと話をしたっけ…。
いろいろあって、かなり長いこと、まゆみには連絡をしてなかった。
実際は、連絡をしたこともあったが、やはり留守のようで、電話には出ない…。
心の病…、良くなっただろうか…。
人伝に聞いたけど、まゆみが電話に出ない理由は、病気のせいもあったのだろう…と、思いたかった。
玲子はまゆみに電話をしてみた…。
やっぱり、電話は出ない…。留守だ。
「ご用の方は…」
今日は、留守電に入れてみよう。
「帰って来たよ~!会いたいなぁ~!」
たぶん、折り返しの電話は無いだろう…。
自分たちは、年を重ねて、いつの間にか、いい意味でも悪い意味でも大人になってしまったんだろう…。
変わることは、仕方がないこと。
ただ、心の病らしいまゆみに、寄り添って相談に乗ってくれる友達がいてくれることを願うばかりだ…。