夏の思い出 25

2021-10-21 09:18:23 | 日記
お別れ会は、静かに終わった。

「星、出てるね…」

帰り道、玲子は、星がポツポツと輝く夜空を見上げ、ゆっくりと歩くタカシと並んで歩いた。

「まゆみ、星、好きだったよね」

「え?知ってるの?」

まゆみは、学生時代に、星の話しが好きで、よくしてくれた。

「バイトしていたホームセンターの飲み会があってさ、珍しくまゆみも来てたんだ。たまたま隣に座ったら、星の話しですっかり盛り上がってさ。」

「タカシも星好きだったっけ?」

「学生時代、天文学部だったし」

「あ、まゆみも、そうだったよね。」

「ホームセンターの飲み会のあと、偶然に街であってお茶をして、そのあと、一緒にプラネタリウムに行った」

「わぉ!結構会ってたんだ。で、そのあとは?」

「それだけ…。それからは、電話しても出ないし…。嫌われたかな?って思った」

「そんなことは…。病気…深刻だったのかな?」

「…そうかも…。」

「メンタルの病気だって…知ってた?」

「うん。プラネタリウムの帰りに、急に彼女過呼吸を起こしたことがあって…」

「え?」