夏の思い出 18

2021-10-13 10:38:45 | 日記
二人は縁側に座り、話し込んだ。

二人にとっては、昔からの定番のおしゃべり位置です。

二人の会話は、恋の話しから仕事の話と尽きません。

まゆみも将来、都会へ出てファッション関係の仕事をするのが夢でしたが、家の都合で地元へ残った。

「仕事、大変なんでしょ?忙しい?」

「新しい仕事が、思った以上にトラブルが多くて、四苦八苦してる。この間も~………」

玲子が仕事が順調で、期待されているらしい…という話は、まゆみにとっても、自分のことのように嬉しそうで、身を乗り出すようにして、聞いてくる。

「ところで…、まゆみ。タカシとは、どうなってるの?」

「どうにもなってないわよ~!」

カラカラと笑った。

まゆみの笑顔を久しぶりに見た。

「タカシくんには、恋人がいるみたい。」

「え?まさか、マリ子じゃないよね」

「違う、違う!私が学生時代に、同じ部活の後輩の子。りさちゃんって知ってる?」

「あ、まゆみが可愛がっていた子だよね。」

「うん。もう、付き合って半年くらいになるのかな?結婚するって話を聞いたよ。」

「結婚?!」

「うん。噂だけどね…。りさちゃんは、いいこだから、応援したい!」

「…そうなんだ…。うまくいくといいね…。」

「うん。」

まゆみが、とても寂しそうな顔をしたのを見逃さなかった。