夏の思い出 10

2021-10-03 09:09:38 | 日記
「私、大学を卒業したら、都会へ出て、ファッションメーカーに勤めたいの。」

「私も、ファッション関係の仕事したいなぁ…」

まゆみさんと玲子は、恋の話しだけでなく、将来の夢を話すようになった。

玲子は、元々、都会へ出るつもりでいたが、
まゆみさんも、園芸売場から婦人服売場へ移動になって、オシャレの楽しさに気づいて、ファッション関係の仕事を目指すようになっていた。

「一緒の会社に入れるといいね」

「…うん。だけど、私は、都会に出るのは無理かも。兄がいなくなって、母がとても気弱になってるから、側にいてあげないと…。」

「…そうなんだ…。そういえば、タカシも地元に残るらしいよ。」

「…そうなの?」

まゆみさんの表情が、明るくなった。