「私、大学を卒業したら、都会へ出て、ファッションメーカーに勤めたいの。」
「私も、ファッション関係の仕事したいなぁ…」
まゆみさんと玲子は、恋の話しだけでなく、将来の夢を話すようになった。
玲子は、元々、都会へ出るつもりでいたが、
まゆみさんも、園芸売場から婦人服売場へ移動になって、オシャレの楽しさに気づいて、ファッション関係の仕事を目指すようになっていた。
「一緒の会社に入れるといいね」
「…うん。だけど、私は、都会に出るのは無理かも。兄がいなくなって、母がとても気弱になってるから、側にいてあげないと…。」
「…そうなんだ…。そういえば、タカシも地元に残るらしいよ。」
「…そうなの?」
まゆみさんの表情が、明るくなった。