まゆみが地元に残ったのは、家の事情もあったけど、タカシが地元に就職した…というのも、理由の一つだ。
玲子は、引っ込み思案のまゆみが、何か行動を起こせるワケは無いだろう…と思った。
だけど、何か少しでもチャンスがあれば、素敵な展開も起こせるかも知れない…と、少し期待もしていた。
ところが、隆司には恋人が出来ていたらしい…という噂。
相手は、まゆみが可愛がっていた後輩。
「告白…しようかな?」
「え?」
「りさちゃんとの件は、まだ本当かどうかわからないし…。ダメ元で。」
「おぉ!まゆみにしては、すごい決断だね!いいと思う。応援するよ!進展出来るように祈ってる!」
「…でもね。私は、タカシくんに気持ちを伝えるだけでいいの。」
「え?」
「もしも、タカシくんが私に好意を持ってくれたとしたら嬉しいけど、その気持ちがずっと続くのかどうか…、いつも不安になるし、しんどい…。」
「…だけど、恋愛ってそんなものじゃ…」
…そうか…。まゆみは心の病だとしたら、これが本音なんだと思った…。
「気持ちを伝えるだけでいいの。」