「気持ちを伝えるだけでいいの。」
と、ニコッと笑った。
健気なまゆみの表情に、なぜか涙が出そうだった。
「そのあとは、どうするの?」
「どうするって?」
「もしも、OKだったら?」
「大丈夫!そんなこと無いから!とにかく、諦めるために気持ちを伝えたいの」
「諦めるため?」
「うん。もう、次に行かないと!」
次に行く?
…他に好きな人が出来たのかな?
吹っ切れたようなまゆみの表情に、病院の気配はほとんど無かった。
「まゆみが前に進めるならいいんじゃない!」
「うん!」
すっかり外は暗くなって、時間が経つのも忘れて話し込んでいた。
「さてと、もう、帰らなきゃ」
「久しぶりに、ゆっくり話が出来て嬉しかった!」
「私も!ありがとう!じゃ、またね!」
いつもの様に手を振るまゆみ。