売場を変更させられたまゆみさんは、タカシの様子を知ることも出来ずに、少しさびしさを感じていた。
それでも、仕事を楽しむまゆみさんは、園芸売場でも楽しく仕事をこなしていた。
ある時の仕事帰り、その日も楽しく仕事をして足取り軽く帰り道を歩いていた時、
「木村さん(まゆみさんの苗字)」
振り返るとタカシだ。
「この間のトラブル…。木村さんにちゃんと連絡が届いていなかったようだね」
「え?」
園芸売場へと移動させられた原因になったトラブルの事だ。
「知らなくて、ごめん。」
この件は、マリ子の嫌がらせもあっての事なのだが、タカシは、そこまでは知らないようだ。
「いいんですよ。気にしないで!」
笑顔で返事をすると、タカシはホッとしたように満面の笑顔になった。
もともと、マリ子がなぜまゆみさんに嫌がらせをするのかはわからない…。
理由なんて無いのかも知れない。
嫌な環境でイライラして働くより、今の場所の方が楽しい。