玲子が久しぶりに里帰りしたその日は、地元でも年に一度、人が集まる夏祭りの日だった。
近所の大きな神社の周辺には、たくさんの出店が現れる。
綿あめ、金魚すくい、焼きそばなどなど、それ以外にも、神社の参道付近のお店は、とりあえず店の外にテーブルを設えて、急遽お店の商品を並べる。
玲子も、親戚である、参道入口の酒屋を毎年手伝っていた。
店の前に、テーブルと氷を入れ水張ったケースをを置いて、急遽のビール販売だ。
夕方5時も過ぎると、猫の手も借りたいほどの忙しさになる。
玲子は、まゆみさんにお店の手伝いを頼んだ。
そして、タカシにも。
当日、急遽、急用が出来た…と言って、二人に任せた。
まゆみさんは、急の展開で、とにかく驚いた。